テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

褪せない《解説》愛。

2016-02-01 21:58:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 やたッ! じゅうにィれんしょうゥ~♪」
「がるる!ぐるがっるる~!」(←訳:虎です!快勝だったよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 12連勝で1月を〆た我らがユヴェントス、
 どうか2月もこの調子で!
 リーグ首位奪取&CL8強へ勝ち抜けを祈願しながら、
 さあ、読書タイムも全力で行きますよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― 勝手に! 文庫解説 ――



 著者は北上次郎(きたがみ・じろう)さん、2015年9月に発行されました。
 活字マニアさん、ことに文庫ミステリ好きな諸氏を
 にやり♪とさせること必定のブックガイドです。

「かッてにィ、つッぱしッてみましたでス!」
「ぐっるるるがる?」(←訳:きっかけはお酒?)

 御本の冒頭、『はじめに』で説明されているところでは……

 始まりは、飲み会でのお喋りだったそうです。

 編集者さんや知人の評論家さんたち12人と、
 定期的に行っている飲み会。
 骨の髄から本が好きな方々の集まりですから、
 話題は、もちろん、本。
 
 何か賞を作ろうか、という話になったり、
 本の帯コピーを考えてみたり。

「くひゃひゃッ♪たのしそうゥ~♪」
「がるるぐるぅ~!」(←訳:良い会だなぁ~!)

 その席で、文庫解説の話が出ました。

  文庫の解説というものは、
  書きたいと思っても注文がこないと書けない、
  依頼が来るかなあと待っていても、
  残念ながら来ないことも少なくない

 と北上さんが言えば――

  じゃあ、
  依頼される前に勝手に書いちゃえばいいじゃないですか

 と誰かが応えて、

「すたーとォ、しましたッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:勝手に文庫解説!)

 かくして、依頼されてもいないのに
 勝手に文庫本の解説をしてしまう『勝手に文庫解説』は、
 雑誌連載を経て、
 こうして文庫本となりました。

 誕生の経緯がちょっと変わり種だからでしょうか、
 著者・北上さんの解説も、
 ちょこっとばかり変わり種で、
 クセがあります。

「おもいいれェ、たッぷりィ!」
「がるーるぅるる!」(←訳:エモーショナル!)

 依頼があるか否かなんて大切じゃない、
 この作品について語りたいから、書く!

 というような、パッションに突き動かされての“解説”です。
 作品それぞれに抱く、

  そうなんだよ!
  俺はこういう本が読みたかったんだ!

 という、熱気が弾けます。

「ついついィ、かんじょうゥいにゅうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:愛情爆発!)

 第一部・日本の小説編では、
 《新宿鮫》シリーズ、
 山本幸久さんの『凸凹デイズ』、
 沢木耕太郎さんの『波の音が消えるまで』他、

 第二部・海外の小説編では、
 クレイグ・ホールデンさんの『夜が終わる場所』、
 ロバート・ドレイパーさんの『ハドリアヌスの長城』、
 ジョージ・R・R・マーティンさんの『氷と炎の歌』他、
 計30編の解説と作品リスト、

 そして、
 池上冬樹さん、大森望さん、杉江松恋さん、北上次郎さんたち
 解説スペハリストが集結しての
 『文庫解説スペシャル座談会』が
 巻末に収録されています。

「ざだんかいィもォ~、あちちィ!」
「がるるる!」(←訳:熱々談義!)

 この御本で紹介されている文庫本の中には、
 既に入手困難となっている作品もあります。
 が、著者・北上さんはそんな一冊を手に取っては
 想いを巡らせるのです――

  今やすっかり忘れられている作家でも、
  その書名を聞くだけで
  それが翻訳された時代をありありと思いだすから、
  本は素晴らしい。

「ふァいィ! わきゃりまスゥ!」
「ぐるぐる!」(←訳:うんうん!)

 リミッターなしの、
 書物への愛情。

 活字マニアを自認する御方なら、
 これ読んでみたいな♪と書名をメモしたくなる作品が
 きっと見つかるに違いない貴重な“解説”本です。
 ぜひぜひ、一読を~!
 
 
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