テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

欺瞞、許すまじ。

2017-03-31 22:06:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……あァ~おはなみィ~…」
「がるる!ぐるぅ~…」(←訳:虎です!雨がぁ~…)

 こんにちは、ネーさです。
 悪天候のためお花見を延期するしかない週末ですね。
 ちょっと溜め息しつつも、
 さあ、年度最終日も楽しい読書タイムを!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― がん消滅の罠 ――



 著者は岩木一麻(いわき・かずま)さん、2017年1月に発行されました。
 『COMPLETE REMISSION』と英語題名が、
 『完全寛解(かんかい)の謎』と日本語副題が付されたこの御本は、
 第15回『このミステリがすごい!』大賞を受賞した作品です。

「わほゥ! じゅしょうゥ、おめでとうゥございまスゥ!」
「ぐるぐるぐる~!」(←訳:パチパチパチ~!)

 前回記事では理系ノンフィクション作品を御紹介したので、
 『がん消滅』という題名だけ見ると、
 今度は医療系ノンフィクション?
 かと思ってしまうかもしれませんが、
 いえいえ、こちらは“医療ミステリ”と呼ぶべきジャンルの
 小説――フィクション作品です。

 そして、物語の核を成す《謎》は、
 題名にもありますように……癌(がん)という病。

「むむむゥ~…こわいィ、びょうきィでス!」
「がるぐるぅ!」(←い訳:難敵だよぅ!)

 テディちゃと虎くんは、
 こんなウワサ話を聞いたことあるかしら?

  世の中には、
  このお薬の開発に成功したらもれなくノーベル賞!
  とされる病気がある。
  その病気とは――

  ①風邪
  ②虫歯
  ③癌

 ①の風邪は、風邪という病気の定義自体が複雑なので、
 これがあればカゼなんてソッコー撃退!な薬剤を作るのは
 難しいわよね。

 ②の虫歯のお薬は……

「いッこくもォはやくゥ!」
「ぐっるー!」(←訳:作ってー!)

 ええ、全世界の人が熱望してるでしょうけど、
 いっこうにお薬完成の報は聴こえてきません(涙)。

 ただ、③の癌については。

「もしかしたらッ?」
「がるぐるる?」(↓訳:明日にでも?)

 風邪よりも虫歯よりも、
 特効薬生成に近付いているのは癌なのかも?
 
 そう感じさせるニュースを耳に挟むことがあるせいか、
 つい期待してしまいますね。
 現代医療は、癌を撲滅させ得るレベルに
 達しているのではなかろうかと。

「そうだとォいいけどォ!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:沢山の人が助かる!)

 この物語の主人公さんたちも、
 真剣に、癌と闘っています。

 日本がんセンター研究所の、
 呼吸器内科に勤務する医師の夏目典明(なつめ・のりあき)さん。

 夏目さんの友人で、
 臨床医ではないけれど、
 疫学研究を専門とする羽鳥悠馬(はとり・ゆうま)さん。

 ふたりは、或る奇妙な症例と対峙することになりました。

 余命半年と宣告されたがん患者さんの、
 病巣がきれいに消えた――

「ええッ?ほんとにィ??」
「がるるっ!」(←訳:すごいっ!)

 すごいなぁ!ああ良かった!

 で終わらせられたら、めでたしめでたし、なのですけど。

 似たような出来事が、
 ふたつ、みっつ、よっつ、と続いたら、
 医師さんたちは、
 稀にそういうことも有り得る、
 偶然だ、では済まされません。

「ありえないィことがァ~…?」
「ぐるるがるるぅ?」(←訳:簡単に起こるぅ?)

 本当に病巣は消えたのか。
 それとも、何かのトリックか。
 
「とりッくだッたらァ~!」
「がるるるる!」(←訳:許せないぞ!)

 生死と向かい合う、医療の現場。
 そこに欺瞞や謀略があっていいはずはない。

 夏目さんと羽鳥さんは
 《完全寛解の謎》を解き明かせるのでしょうか――

「なおせるゥものならァ、なおしたいィ!」
「ぐるがるぐるるる!」(←訳:でも嘘はダメです!)

 スピーディな展開のミステリであり、
 サスペンスの要素もたっぷりのエンタ作品は、
 ビジネス小説やクライムノベル好きな活字マニアさんにも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

 
 
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