テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ネコからたどる、ヒトの歴史、美の歴史。

2018-09-16 22:18:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぜんかいィにィ~つづいてッ」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!今日もアート!)

 こんにちは、ネーさです。
 2018ブエルタ・ア・エスパーニャ最終日の結果は……
 えーと、時差があるので、
 ゴールにはまだちょっとかかりそうですね。
 なので、さあ、本日も読書タイムと参りましょう♪
 テディちゃと虎くんの言うように、
 今回は、こちらのアート本を、どうぞ~!
 
  



      ―― デズモンド・モリスの 猫の美術史 ――



 著者はデズモンド・モリスさん、
 原著は2017年に、日本語版は2018年7月に発行されました。
 英語原題は『CATS IN ART』、
 134点のカラー図版が収録された“本気”の猫画BOOKです。

「ぶつりょうゥさくせんッ?」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:ネコの絵だらけだよ!)

 猫画満載のこの御本、
 おそらく本屋さんではアートのコーナーに配されているかと
 思われますが、
 著者デズモンド・モリスさんは
 アートの研究者さんではありません。

 モリスさんの専門は、動物行動学なんです。

「むッ? それッってェ~!」
「がるるぐるるるるる?」(←訳:映画に出てきたよね?)

 そうね、映画『ジュラシック・ワールド』には
 俳優クリス・プラットさんが
 ラプトルたちを育成する動物行動学者オーウェンさんを
 演じていました。

 そして、著者モリスさんも、
 オーウェンさんに負けず劣らず、大胆に、かつ細心に、
 《猫と人のかかわりを描いた美術》に迫ります。

 始まりは、まず、
 旧石器時代のネコから!

「わわッ! たしかにィ~これッ!」
「ぐっるる!」(←訳:猫っぽい!)

 フランス中部ドルドーニュ県、ガビュ洞窟。
 洞窟の壁に刻まれているのは……
 おそらく、ヨーロッパヤマネコ。

 旧石器時代の洞窟画としては、
 唯一の猫の絵、なのだそうですよ。

「こッちのはァ、わきゃりまスゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:古代エジプトだ!)

 猫の姿をした女神バステト。

 古代エジプトでバステトが信仰されるに従い、
 ネズミを駆除してくれる小型の家猫は
 とても重宝されるようになり、
 しかし、紀元前30年頃を境に、
 猫信仰は終焉を迎えてしまいます。

 エジプトが駄目なら、
 じゃあ猫愛は古代ギリシャ辺りへ移行したのか?というと。

 いやいや、とんでもない!
 古代ギリシャでは、
 猫って全くの不人気だったんです。

 当時、猫に代わってネズミ退治をしていたのは、
 フェレット……!

「えええェ~ッ?」
「ぐぅるるるるがる?」(←訳:ニャンコ嫌いなの?)

 愛玩動物から嫌われものへ……
 魔女の手先扱いされる受難の暗黒期へ……

 あたたかなニャンコ愛が世に復活するには
 ルネサンスの到来を待たねばなりません。

 そう、巨匠の中の巨匠、
 レオナルド・ダ・ヴィンチさんの筆によって。

「わおゥ! ほんとにィ~にゃんこッ♪」
「がるぐるるがる!」(←訳:ネコらしい動き!)

 この御本の、これはハイライトのひとつでしょうか。

 本文59ページの『猫のいる聖母子の素描』(1470年代)。

 63ページの『猫、ドラゴン、その他の素描』(1513~1518年頃)。 

 私ネーさ、初めて拝見して、もうビックリです。
 未完に終わったとはいえ、
 レオナルドさんが聖母子像に猫を!!

「みたかッたでスねッ、かんせいィさくひんッ!」
「ぐるるがっるるるるぅ!」(←訳:画期的だったろうねぇ!)

 読み手の皆さまの
 “知る喜び”を奪ってしまいたくないので、
 これ以上のお喋りは控えますが、
 著者・モリスさんはレアな図版の発掘に
 力を注いだようです。

 中でも、ムガール王朝の細密画、
 現代ストリートアートの旗手バンクシーさんの壁画は、
 ★を10個くらいつけたい必見作!

「ねこすきなァおかたにィ!」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:絶対のおすすめです!)

 美術評論の枠に囚われない、
 生命の歴史、
 文化史をも反映する《猫とヒト》の美術史。

 猫好きさんのみならず、
 動物好きな御方、
 歴史好きな方々も、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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