テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 記憶の、旅 ~

2018-04-26 22:07:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 あしたはァ、ぷれみあむゥ~!」
「がるる!ぐるるるがーるるる!」(←訳:虎です!明後日はゴールデン!)

 こんにちは、ネーさです。
 さあ、黄金週間です。
 海外旅行へ、国内旅行へ、
 そして書斎を足場に時間旅行へお出掛けの皆さま、
 本日の読書タイムは、こちらの御本で
 プチ旅行を、どうぞ~♪

  



           ―― 消滅遺産 ――



 編者はナショナルジオグラフィックの皆さん、監修は安倍雅史さん、
 2018年2月に発行されました。
 『もう見られない世界の偉大な建造物』と副題が付されています。

「あうゥ~…もうゥみられないィのでスかァ~…」
「ぐるるるがるる!」(←訳:悲しくて悔しい!)

 中東での痛ましいニュースが報じられ、
 日々ため息するしかない私たちは、
 消滅遺産――
 もうこの世から無くなってしまった建造物、などと聞くと、
 爆撃、テロ、戦争、といった穏やかならぬ出来事を
 連想してしまいます。

 けれど、
 何かが“無くなる”きっかけ、
 “無くさせる”原因って、
 戦争以外にもある、みたいですね。

「べるりんのォ、かべッ!」
「がるるぐる!」(←訳:破壊の喜び!)

 第二次世界大戦の負の遺産として、
 都市ベルリンを西と東に分裂させた
 ベルリンの壁。

 この壁ばかりは、

  ああ、なくなって良かった!

 と、多くの人を笑顔にした『消滅』でしょうか。

「はんまーでェ、ぼこんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:大槌でドカン!)

 或いは、
 人間の商業活動による消滅。

 チリのアカタマ砂漠の地上絵は、
 オフロードタイヤの痕跡で
 大きなダメージを受けています。

「それはァ、だめでスよゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:車両の侵入厳禁!)

 そして、やはり、
 戦争による消滅。
 
 フランク・ロイド・ライトさん設計の
 初代帝国ホテルは、
 関東大震災の揺れをも乗り越えましたが、
 東京大空襲によって
 総床面積の4割強が被災、
 やがて戦争後には
 取り壊しが決定したのでした。

 同じく大戦中、
 英米軍の空漠によって
 独ドレスデンの聖母教会は崩れ落ち。

 ナチス・ドイツ軍がエカテリーナ宮殿から運び出した
 琥珀の間(こはくのま)は、
 戦争の混乱の中で行方不明に……
 (現在は再現版の琥珀の間が公開されています)。

「もッたいィないィ~!」
「ぐるがるるるるるー!」(←訳:もう無くさないでー!)

 もう見られない、
 アールデコ様式の駅舎。
 万博で使われたロンドンの水晶宮、
 シドニーのガーデンパレス。
 
 モノクロ、カラーの写真、版画、
 解説の文章で辿る
 29編の《失われたもの》への旅を、
 皆さまも、ぜひ。




 
 
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