テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

是か非か?の話題作を!

2018-01-09 22:06:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ふわゥ~…おやすみィがァ~…」
「がるる!ぐるっるぅっるるぅ~…」(←訳:虎です!終わっちゃったねぇ~…)

 こんにちは、ネーさです。
 そうねえ、お正月のお休みも祝日のお休みも過ぎて、
 通常モードに復帰する今日からの読書タイムは、
 私ネーさを迷わせ困らせた怪作に登場いただきましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



          ―― 屍人荘の殺人 ――



 著者は今村昌弘(いまむら・まさひろ)さん、2017年10月に発行されました。
 えーと、この御本の表紙、題名を目にしたならば、
 お分かりいただけますでしょうか。

 いわゆる“忌み言葉”が連打され、
 表紙のイラストも、不吉で禍々しく、
 お正月早々に御紹介するのはどうだろう、
 あんまりじゃないかしら、と
 悩みに悩みましたが。

 御紹介しないまま、というのも
 あまりにもったいない!

 だって、《第27回 鮎川哲也賞》受賞作なんですものー!

「おおッ! それはァおめでとうゥございまスゥ!」
「ぐるぐるぐるぅ~!」(←訳:ぱちぱちぱちぃ~!)

 しかも、様々なメディアで行われた
 2017年のベストミステリで
 軒並み上位にランクインしているんですから、
 放ってはおけません。

 “忌み言葉”にも臆せず、
 そろり、そろり、とページを捲ってゆきますと……

 ええ、さすがは鮎川哲也賞受賞作。

 とってもモダンな、
 それでいて古典の形式もきっちり備えた
 本格密室ミステリです!

「ほんかくゥでェ、みッしつゥ?」
「がるぐるるぅ!」(←訳:レアだねぇ!)

 物語の設定も、凝っています。

 関西の有名私立大学。
 ミステリすきな《俺》こと葉村譲(はむら・ゆずる)さんは
 大学のサークル『ミステリ研究会』に落胆していました。

 大学に入学して、
 サークルに入るなら『ミス研』だ!と思っていたけれど、
 ミステリに対する情熱が感じられないユルい空気……。
 
「はなしがァ、かみあいィませんッ!」
「ぐるぅがるる~…」(←訳:こりゃ駄目だ~…)

 と、意気消沈する羽村君の前に現れたのは、
 理学部三回生の先輩――

 明智恭介(あけち・きょうすけ)さん。

「そッ、そのォおなまえはッ!」
「ぐるるる!」(←訳:明らかに!)

 名探偵になるべくして付けられたかのような名前の、
 明智パイセン、いえ、明智先輩。

 葉村くん同様、ユルい『ミス研』に飽き足らず、
 『ミステリ愛好会』を主宰する彼は、
 いうまでもなく大のミステリマニア。

「みすてりィあいこうかいィ、でスかァ?」
「がぅるっるるぐるる!」(←訳:じゃそっちにしよう!)

 そうして『ミステリ愛好会』に入ったものの。

 明智先輩に誘われて、
 映画研究部の夏合宿に便乗すべく、
 湖畔のペンションへ向かった彼らを待っていたのは……

「じッ、じけんッ??」
「ぐるるがるる!」(←訳:大事件だよう!)

 いけません、これ以上は
 もうお喋りできません。

 ……でも、↓これくらいは、いいかな?

 御本の中盤から加わる“或る要素”に、
 私ネーさ、啞然とさせられました。

 これ、ミステリでいいの?
 
「うむむむゥ~ッ!」
「がるる~!」

 禁じ手か、正攻法か。
 
 その判断は、
 さあ、どうか読み手の皆さま御自身で!
 
 とりあえずは理屈を横においといて、
 ミステリ好きな活字マニアさん、
 ぜひ、一読を♪

 
コメント
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