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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

テーマはひとつで、答えはふたつ?

2013-01-08 23:12:44 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ごほんッ!ときたらァ、りゅうかくさんッ!」
「がるる!ぐるぐるる!」(←訳:虎です!のど飴です!)

 こんにちは、ネーさです。
 のど飴のシーズンですが、最近我が家でリピート率が高いのは
 《龍角散のど飴》!
 お薬っぽいあの香り!
 風邪気味かも~…と、お困りの活字マニアさんにおすすめですよ~♪

「もぐもぐッ♪」
「ぐるる!」(←訳:ぱくり!)

 お喉が潤ったら、今日も読書タ~イム!
 本日は、実に久しぶりの名作劇場を開演いたしますよ!
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
                ―― 曲がった蝶番(ちょうつがい) ――



 
 著者はジョン・ディクスン・カーさん、原著は1938年に、日本語版は1966年に発行されました。
 上の画像はネーさ所蔵の旧版なので、ずいぶんと年期が入りまくっちゃってますが、
 現在は表紙画も一新された新装版が刊行されています。

「めいさくゥ、なのでスかッ♪」
「がるぐるぐる!」(←訳:古典作品だね!)

 冬休み、春休み、夏休みやお盆のお休みは、
 活字マニアさんにとって“再読の季節”と言えるのではないでしょうか。
 新刊もいいけれど、
 むか~し読んだ本を書棚の奥から引っ張り出し、
 久々に読みふけりたくなる、貴重なひととき……。

 私ネーさも、つい数日前、書店さんで
 新装版の『曲がった蝶番』を目にし、ハッとしました。
 この御本、本棚のどこかにあったわ!

「ふむふむッ、それでェ~…」
「がるぐるるる?」(←訳:読み返したの?)

 ええ、読み返しましたよ!
 そして、あまりの面白さと驚きに、あらためて、
 これは御紹介しなくちゃ!と奮い立ったのです。
 なぜって、
 粗筋をほんの少し読んだだけで、
 ミステリ好きさんなら放っておけなくなること、請け合い!
 じっとなんて、していられなくなります!

「なんでなんでッ??」
「ぐるがる~??」(←訳:どうして~??)

 物語の舞台となるのは、英国南部のケント州、
 由緒ある准男爵の御屋敷です。
 広大な領地、
 莫大な資産を有するのは、
 家督を受け継いだばかりの、若きジョン・ファーンリ卿。

 しかし、それに或る人物が異議を唱えました。

   本物のジョン・ファーンリは僕だ!

 現当主は贋物である!と訴える者。
 そっちこそ詐欺だ!謀略だ!と激昂する弁護士たち。
 本物の相続人――ジョン・ファーンリ卿はどちらなのか?
 真贋を見極める手段として提案されたのは、
 指紋帖の指紋!

 指紋帖には、少年時代のジョン卿の指紋が残っているはずなのです!

「おおおッ!それはァ!」
「がるるっぐる!」(←訳:もしやっあの!)

 名乗り出たふたりの相続人!
 身の証(あかし)を立てる決定的証拠――指紋帖。
 そうです、これは――

「きんだいちさんッ、でスゥ!」
「ぐるぐるるる!」(←訳:犬神家だよう!)

 はい、まさに!
 横溝正史さん著『犬神家の一族』ですね。

 とはいっても、
 横溝さんが『犬神家の一族』を雑誌に掲載し始めたのは1950年のこと、
 J・D・カーさんの『曲がった蝶番』は1938年。
 両作品に直接の関係はない、とすべきでしょう。
 江戸川乱歩さんでしたら、
 おそらくはカーさんの作品を発表直後に原書で読んでおられたのは確実ですが。

 また、もちろん、カーさんの興味が《不可能犯罪》にあるのに対して
 横溝さんは一族間の相克に焦点を当てています。
 似て非なる物語なのだとは、
 歴然としていますね。

「でもォ!」
「がるるるぅ!」(←訳:気になるぅ!)

 《密室の巨匠》と、
 《日本のミステリキング》が奏でる、
 それぞれの驚異のトリック!

 旧家を受け継ぐべき正当な相続人は、どちらなのか?
 カーさんが描き上げた《謎》の真相は?

 ミステリ好きさんも、
 金田一さんシリーズ大好き!という方々も、
 ぜひ読み比べて下さいな~♪

「えいがもォ、よいィのでス!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:名作は強いのだ!)