テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

夏に、浜辺に、消えたもの。

2012-03-19 23:14:57 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日は、まず……
 祝!『MASTERキートン』再開~!
 浦沢直樹さん著の、あの名作が!
 『MASTERキートン Reマスター』として
 ビッグコミックオリジナル誌に連載開始となりましたよ~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やたッ! きーとんさんがァ、かえッてきたでスッ!」
「がるる!ぐるがるがるるぐるるーる!」(←訳:虎です!お帰りなさいキートンさん!)

 浦沢さんと長崎尚志さん(ストーリー)のタッグによる新編『MASTERキートン』!
 活字マニアの皆さまはチェック怠りなきよう!
 では、キートンさんの再生能力?に負けじと、
 私たちも読書タイムに突入です。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― 三本の緑の小壜 ――


 
 著者はD.M.ディヴァインさん、原著は1972年に、日本語版は2011年10月に発行されました。
 英原題は『Three Green Bottles』。
 原著刊行から日本語版の刊行まで
 長い時間が空いてしまいましたけれど、
 2011年度の翻訳ものミステリランキングでは上位に進出!
 
「ふむむッ! じつりょくはァ、でスねッ!」
「ぐるがるるぐるーるる!」(←訳:この作家さんもマスターだ!)

 そうですね、
 マスター(達人)とお呼びしたくなる著者・ディヴァインさん(1920~1980)は
 アガサ・クリスティさん、
 A・バウチャーさん、といった英国ミステリ界の重鎮さんたちに
 高く評価された作家さんだったそうです。
 前述しましたように、
 日本への紹介は随分と遅れ、
 近年ようやく邦訳作品が刊行の運びとなりました♪

「ほんかくはァ、でスかッ?」
「がるーぐるがるるがるっ?」(←訳:ハードボイルドですかっ?)

 トリックに頼らない本格派系、
 というべきでしょうか。
 例によって、
 ネタばらしにならないように、
 ちょこっとだけストーリーを御紹介してみますと……

 英国の地方都市、チャルフォード。
 製鉄所、造船所、船着き場がひしめく、
 イングランド北部の興業地帯では、ごくありふれた町が、
 或る夏、
 国中の注目の的となりました。

 夏休みまであと2週間、という、
 なんとなく気も弛みがちな時期に、
 《事件》は起こったのです。

「いんぐらんどのォ、なつはァ~」
「がるるる!」(←訳:良い季節!)

 高緯度地方である英国の夏は、夕暮れが遅く、
 お空はなかなか暗くなりません。
 午後7時を過ぎても明るくて、
 遊び盛りのティーンエイジャーさんたちは、
 学校から帰って後、
 昼間の熱気が砂に残る浜辺へ、
 自転車でお出かけします。

 そう、まだ明るい夏の夕刻。
 泳ぎの練習にはうってつけのそこは、
 危険なことなどひとつもない、
 平和な場所……のはず、でした。

 ただ、その日に限っては、
 浜辺に奇妙な空気が……?

「きけんちゅういほうッはつれいィ、でス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:何かが起こる!)

 章ごとに語り手が入れ替わる物語は、
 進行するにつれ、
 《事件》の真相がはっきりしてゆく、のではなく、
 むしろ逆に、
 よりいっそう《事件》の輪郭がぼやけてゆく、
 ミステリとしては珍しい形を成しています。

 誰が《事件》を造ったのか?
 信用できる者など、この町には誰もいない?
 探偵さえも、不在なのでしょうか……?

「それがァ、みすてりィッ!」
「がるぐる!」(←訳:謎だよね!)

 未読のミステリマニアさんは、ぜひ!
 特に、英国ミステリ好きさんに、おすすめです~!
 
コメント
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