「くんかッ、くんくんッ! くんすかッ!」
「がるぐるっ!」(←訳:くんくんっ!)
何やら、獰猛系の毛玉たちが不審な行動をしておりますね。
テディちゃ、虎くん、どうしちゃったんですか?
「ネーさ!
におうゥでス! このォごほんからァ、におうゥのでスよッ!」
「がるー!ぐるるー!」(←訳:うん!何かが匂うよ!)
あのね、出来れば《香る》と表現していただけませんこと?
何故と申しまして、ええ、そうです、
理由は一目瞭然!な、こちらを、どうぞ~!
―― 香道具(こうどうぐ) ――
編者はNHK『美の壺』制作班のみなさん、’10年2月に発行されました。
’10年度に入ってもアート好きさんたちに好評を博している
NHK教育TV『美の壺』から生まれた御本です。
「ふむむッ!
これはァ、あーとのォ、かおりィでスかッ?」
「ぐるるぐるがるー!」(←訳:歴史の香りかもー!)
ゆかしい日本文化のひとつ、香道――
その歴史を辿ると、なんと、1500年もの昔にさかのぼります。
失礼ながら、御本の本文27ページの文章を
ちょこっと拝借させていただきましょう。
推古三年(595)卯月、
両腕で抱えるほど大きな流木が淡路島に漂着した。
薪にしたところ、
えもいわれぬ芳しい煙が立ち、
驚いた島人は天皇に献上した――
淡路島に流れ着いたのは『香木』だったんですね。
「ふむむゥ! こうぼくからァ」
「ぐるぐるるっ!」(←訳:香が作られるんだっ!)
平安時代、貴族さんたちの間で
『薫物(たきもの)』は、たいそう流行いたしました。
この『薫物』という上流社会のたしなみが
新たに整備され、
現代の香道に近いものに変化してゆくのは、
室町時代のこと、でしょうか。
室町時代すなわち足利家の将軍たちの時代って、
とっても不思議な時代ですね。
歴代の将軍さんたちの政治・政務能力は、
三代将軍の義満さんを例外として、
それはもう、記録的センスの無さ、
恐ろしいへなちょこぶりでした。
しかし、迷妄する政治の陰で、
次々と文化の華がはじけてゆきます。
茶道、立花、絵画、
そして香道も、
この時代に確立されました。
香道に用いるお道具類も、
室町という時代に大きく花開きます。
「あらたなるゥ、はじまりッ、でスねッ!」
「がるるっがるるっ?」(←訳:どんなのっどんなのっ?)
壱のツボでは『神聖な小宇宙を支える三本の脚』、
弐のツボでは『香席に四季のしつらい』、
参のツボでは『香りを通じて王朝の世界に遊ぶ』。
三つのツボに接すれば、
香道具の《かたち》が
じんわりと朧に見えてくるかのようです。
「かちょいいィッ!
こてんてきィだけどォ」
「がるがるる!」(←訳:でもモダンだ!)
大切に大切に伝えられてきた香道具たちは、
触ってみたい!使ってみたい!
と観る者の心を波立たせます。
和の美、和のアート好きさんに、
おすすめの一冊ですよ~♪
かの有名な『蘭奢待(らんじゃたい)』の写真も載っていますから、
歴史好きさんもぜひ!
「わォッ! これがッ!」
「ぐるるぐる~るっ!」(←訳:本物の歴史の香りっ!)
はい、歴史の香りをみんなで、くんくん!……は出来そうにありませんが、
その面影の一片なりと、御覧あれ!
「がるぐるっ!」(←訳:くんくんっ!)
何やら、獰猛系の毛玉たちが不審な行動をしておりますね。
テディちゃ、虎くん、どうしちゃったんですか?
「ネーさ!
におうゥでス! このォごほんからァ、におうゥのでスよッ!」
「がるー!ぐるるー!」(←訳:うん!何かが匂うよ!)
あのね、出来れば《香る》と表現していただけませんこと?
何故と申しまして、ええ、そうです、
理由は一目瞭然!な、こちらを、どうぞ~!
―― 香道具(こうどうぐ) ――
編者はNHK『美の壺』制作班のみなさん、’10年2月に発行されました。
’10年度に入ってもアート好きさんたちに好評を博している
NHK教育TV『美の壺』から生まれた御本です。
「ふむむッ!
これはァ、あーとのォ、かおりィでスかッ?」
「ぐるるぐるがるー!」(←訳:歴史の香りかもー!)
ゆかしい日本文化のひとつ、香道――
その歴史を辿ると、なんと、1500年もの昔にさかのぼります。
失礼ながら、御本の本文27ページの文章を
ちょこっと拝借させていただきましょう。
推古三年(595)卯月、
両腕で抱えるほど大きな流木が淡路島に漂着した。
薪にしたところ、
えもいわれぬ芳しい煙が立ち、
驚いた島人は天皇に献上した――
淡路島に流れ着いたのは『香木』だったんですね。
「ふむむゥ! こうぼくからァ」
「ぐるぐるるっ!」(←訳:香が作られるんだっ!)
平安時代、貴族さんたちの間で
『薫物(たきもの)』は、たいそう流行いたしました。
この『薫物』という上流社会のたしなみが
新たに整備され、
現代の香道に近いものに変化してゆくのは、
室町時代のこと、でしょうか。
室町時代すなわち足利家の将軍たちの時代って、
とっても不思議な時代ですね。
歴代の将軍さんたちの政治・政務能力は、
三代将軍の義満さんを例外として、
それはもう、記録的センスの無さ、
恐ろしいへなちょこぶりでした。
しかし、迷妄する政治の陰で、
次々と文化の華がはじけてゆきます。
茶道、立花、絵画、
そして香道も、
この時代に確立されました。
香道に用いるお道具類も、
室町という時代に大きく花開きます。
「あらたなるゥ、はじまりッ、でスねッ!」
「がるるっがるるっ?」(←訳:どんなのっどんなのっ?)
壱のツボでは『神聖な小宇宙を支える三本の脚』、
弐のツボでは『香席に四季のしつらい』、
参のツボでは『香りを通じて王朝の世界に遊ぶ』。
三つのツボに接すれば、
香道具の《かたち》が
じんわりと朧に見えてくるかのようです。
「かちょいいィッ!
こてんてきィだけどォ」
「がるがるる!」(←訳:でもモダンだ!)
大切に大切に伝えられてきた香道具たちは、
触ってみたい!使ってみたい!
と観る者の心を波立たせます。
和の美、和のアート好きさんに、
おすすめの一冊ですよ~♪
かの有名な『蘭奢待(らんじゃたい)』の写真も載っていますから、
歴史好きさんもぜひ!
「わォッ! これがッ!」
「ぐるるぐる~るっ!」(←訳:本物の歴史の香りっ!)
はい、歴史の香りをみんなで、くんくん!……は出来そうにありませんが、
その面影の一片なりと、御覧あれ!