テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ユリ注意報。

2008-08-19 23:07:00 | 花雑記
 花屋さんの新作入荷状況の、なんと目まぐるしいことでしょう。
 つい先日は小ぶりなヒマワリで埋め尽くされていた店頭は、
 今日はユリの花でいっぱいですよ、テディちゃ。

「ほぺッ? ゆりィ~?」

 淡いピンクのオリエンタルリリー、
 豪華なカサブランカ……
 きれいですけど、でも、ユリって……。

「でもォ? どしたのでスかッ、ネーさ?」

 ユリって、ちょっと……クサイっていうと怒られそうですが、
 独特の香りがある、んですよね。
 人によっては、ひどい頭痛を患うこともありますし、
 病院に持ってゆくには不適な花だとも、よく知られていますでしょ。

「あッ、そォでしたァ~」

 そのユリが、これだけたくさん集まっていると……鼻の奥が……
 ハクションっ!

「うゥ? テディちゃもォ……へッくしょんッ!!」

 皆さま、ユリの取り扱いにはお気を付けて。
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色と曙光のガラス。

2008-08-19 14:02:02 | ブックス
「むむッ、きょうはォ、あーとのごほんッ、でスねッ、ネーさ?」

 そうなんです、テディちゃ。
 暦の上ではもう秋ですが、まだまだ暑い日和です。
 そこで、涼やかなアートを取り上げよう!と考えてみちゃいました。

「こおりのォ、げいじゅつゥ、でスかァ?」

 いいえ、ガラスの芸術が、本日の主役さんです。
 御紹介いたしましょう、こちらをどうぞ~!


 
           ―― アールヌーヴォーのガラス ――


 
 編者はNHK『美の壺』製作班の皆さん、’06年9月に発行されました。
 NHK教育TVで放送中の番組『美の壺』から生まれた御本の中でも、
 こちらは第一期に属するものです。
 テーマは、およそ100年前、
 《アールヌーヴォー》と呼ばれる時代に製作されたガラス器。

「♪がらすゥはァ~、きらァきらァ~♪」

 そう、ガラスといえば、きらぴか、ですね。
 きらぴか、すなわちガラスの歴史です。

 さかのぼれば、むかーしむかし、その昔から。
 人間はきらきらぴかぴかするものが大好きでした。
 ダイヤモンド、水晶、翡翠、ルビーにエメラルド、オパールに真珠。
 きらきらぴかぴかが、もっと欲しい!
 もっと大きな、きらきらぴかり!が、欲しい~!

「できゃいィ~、きらぴかッ?
 あッ、そうだァ!
 すいしょうどくろォ、きらぴかッ、でスよッ♪」

 映画にも登場して有名な水晶の髑髏――クリスタルスカルは、
 実は多くが近代に製作されたものであるという研究成果が発表されています。
 しかし、昔からこういうきらぴかモノは大切にされてきていたんだなあ、と
 観る者を納得させる側面を持っているのだとも考えられます。
 
 人類ときらぴかの、深~い結び付き。
 それを証明してくれるのが、水晶髑髏であり、
 英国王室の冠を飾る巨大ダイアモンド、なのです。

「ネーさ、おおげさァ、でスゥ」

 もっときらぴかを!
 きらきらする、美しいものを、もっと!
 皆がそう思っても、需要は満たされません。
 きらきらきれいな宝石は、数少なく、高価な貴重品です。

 さあ、そこで! ガラスが登場いたします。
 もっときらりと!もっと!の声に応え、
 ガラスの生産製造技術は発展してきました。
 
 そうそう、昔の日本にもガラス器が到来し、
 宝物として正倉院に納められましたね。
 あれもまた、きらぴか願望の結晶です。

「ふァァ~?? そうなのォ??」

 きらきらと美しい、
 光を反射するガラス製品の製造技術が一つの頂点を迎えたのは、
 ヴェネチア共和国でのこと。
 往時のヴェネチアは、宝石加工技術でも世界をリードしていました。
 『カット』技術の向上、多面体の反射光の数学的な解明と、
 きらきら路線は進行する一方、と思われたのですが。

 一種の反動だったのでしょうか。

 《アールヌーヴォー》のガラス器からは、
 きらぴかの要素が大きく取り除かれました。

   きらきら、ぴかぴか、は大事ではない。
   それよりも、色を!
   やわらかな形を!

 かくして、ガラスに多彩な『色』が灯りました。
 『曲線』を有し、
 天然光のもとでも美しいけれど、
 人工の光を様々な角度から当てればまた別の、
 物語を秘めた美しさが生まれる、
 新しいガラス器の曙です。

「ふゥ~、やッとォ、あーるぬーぼにィ、たどりィついたのでスゥ~」

 《アールヌーヴォー》=新しい芸術の誕生を告げる、
 ガレさんの、ドームさんの精華が、ずらりとここに。
 当時の建築は失われてしまっても、
 盃は、花瓶は、水差は残りました。
 語り、おぼろに輝く、ガラス美の世界を、ぜひ!

「うゥ~んとォ、テディちゃはァ、とんぼのがらすゥ、すきィでスッ♪」
 
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