湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

喜び、白菜の場合

2019-01-28 11:15:38 | ポエム
一枚一枚の花びらのような葉が
ひとつ、ひとつ立ち上がっていく


外側の一枚がさきに
急いで伸びていく


中心の一枚があとに
追いつこうとしてる


次の一枚がまた追いかける

また、中から立ち上がろうとする一枚


外側の一枚達はやがて
下から伸びようとする一枚一枚を
包み込んでしまうように


それは我が身の愛おしさからなのか
棘を持たないからこそ
中心の柔らかい部分を
守りたいだけなのか


中心だけは白く柔らかく
外側だけは青く堅く


守りたい
守り続けたい


その想いが強ければ強いほど
霜にさらされても
なおかつ
甘く甘く


冬の青白き畑の
もう一つの薔薇


畑にあれど
万人に恋しがられてしまうもの


白菜のない鍋は
今ひとつ


華やかさに欠けるのは
いつも主役を立てている
この葉の存在のあるなしによるもの














  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする