「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

「ちはやふる」7巻

2010-01-13 | 
そういえば最近やたらと話題にしているのにきちんと感想を書いていなかった漫画「ちはやふる」の最新刊7巻を買って来ましたので、まとめての感想。この漫画は漫画大賞09年を受賞していますが、むべなるかな。素晴らしい青春漫画だと思います。題材こそ一見地味ですが、辛さから逃げないで必死に努力する姿や、友情、恋愛など古風なまでのたたずまいを骨格にしています。

適度に笑いもあるし、オジ世代にはホロリ、じーんとする美しい友情の姿。「負け」から多くを学び成長していく姿に、若さへのまぶしいまでのうらやましさを感じます。

主要登場人物の中では、主人公でかるたクイーンを目指す千早を見守る2人の幼馴染、太一と新の関係がなんというか、いいですねえ。太一は千早に恋愛感情をもっているのですが、それを極力表に出さない。新は千早の目標であるし、千早は常に新を意識している(恋愛とはまったく違う感情ですけど)。成績優秀、イケメンで家柄も良いが「器用貧乏」なところがあって、かるたではあと一枚脱皮できない太一と、かるたの名人になりうる素質を持つ新の関係は微妙です。今後の2人と千早の関係もみものです。

太一がかるた部の部長として、みんなをまとめる役割に目覚めて人間的に成長していく姿にオジさんはうれしく、じーんとしてしまいます。机君もかなちゃんも、それぞれ個性をうまく描いていて欠かせない。これからの登場人物達の成長物語、千早のクイーン兆戦までの勝負の行方を、傍らで見守りながらハラハラドキドキしていきたいと思います。