「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

崖の上のポニョ

2008-07-21 | 映画
新宿ピカデリーの杮落としということで出向いて観た作品がこの日(19日)公開の「崖の上のポニョ」。言い訳すると、全然見るつもりは無かったのですが、時間が合うのがこの作品だったので…ところが、観終わった感想は「おお、ラッキー!」。瓢箪から独楽でした。

いろいろ考えると「なんじゃいな?」の作品なのです。なにせ、人魚姫の物語をジブリ作品にしたようなものですから。科学的にも矛盾だらけというか、ありえないことばかり。しかも基本的に登場人物は善人ばかり。でも、それを大人の鑑賞に堪えられるようにするのが、さすが宮崎駿監督です。純粋に楽しい。アニメってまさにこうしたものだよね、という映画になっています。小難しい話を抜いた、ジブリの作品系譜でいえば「トトロ」からいきなり連なる作品とでも申しましょうか。見終わった後のホクホクした暖かな心持は、まったく期待していない「どうせお子ちゃま向けだろ」という偏見を裏切るもので、うれしかったですね。「生まれてきてよかった」という映画の宣伝は嘘ではないです。多くの人はこの作品からそんな感情を抱くのでは?

惜しむらくは声優をつとめた所ジョージが全然うまくないこと。もったいない…あと、映画とは無関係ですが、3万円のプラチナシートなどで話題を集めるピカデリー新宿への不満が一つ。帰りの下りエスカレーターが危険! 降りきったところが売店で、ほとんどエスカレーターとの距離がない。必ずといっていいほど一瞬人が立ち止まります。後から後から人は降りてくる…いまに将棋倒しの事故がおきかねません。構造上の欠陥だけに、早めに修復すべきでしょう。

あ、あとたぶんなのですが、あのついクチをついてしまう主題歌「ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子」というやつを歌っている女の子が、どうも19時からの回を見ていたように思います。というのも、エンディングが終わって劇場が明るくなった瞬間に、あの歌を歌う子どもの声が聞こえたのです。周りの人たち同様、私も「あ、歌っているな。かわいいな」と暖かい眼差しだったのですが、この子、まず第一にあまりに主題歌にそっくりな歌い方。で、さらにはフルフレーズで2番まで歌ってるのです。先頭部分だけなら、「まあ、かわいい」なのですが、一瞬聞いただけで全部は無理です。で、これまた周囲の人たちの反応と同様に私も「あ、主題歌を歌っている子が来ているんだ」と推測せざるをえませんでした。そうだとしたらなんだか、ラッキー!です。

なにはともあれ、何も考えず幸せ気分に浸りたければお奨めの作品です。以下、ちょっとネタバレっぽくなりますので、ご注意を。蛇足ですが、最後の最後の場面、「王子様のキス」をああいう形で女の子が求めるのは、いかにも今日的ですね。ほほえましかったです。