「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

シャカリキ!

2006-09-03 | 
「め組の大吾」で知られる曽田正人さんの漫画「シャカリキ!」。昨日の今日で話題にするのも恥ずかしいのですが、自転車の漫画なんです。1992年から「週刊少年チャンピオン」に連載されて全18巻出ました。それが最近、小学館文庫から全7巻シリーズで復刊されて、いま3巻まで出ています。

この漫画、一言で言うと「坂バカ」とよばれる、自転車で過酷な坂を上るのに無上の喜びを感じる少年の物語。高校自転車部に入り、さまざまな自転車乗りに出会って日本有数のヒルクライマーに成長していくという内容です。

時にギャグもあるのですが、基本はシリアスなスポーツ漫画。しかも描写が丁寧で自転車に乗っていると感じる「風」が、画からも感じられる。自転車の魅力を見事に描いた作品。しかも、自転車のことを全然知らない人でも楽しめるように、まったくの素人女子学生をマネジャー役に設定、その目を通じて説明なども行われるので、ツールドフランスなどの楽しみ方もなんとなくわかってくる。作者もそうとうに自転車が好きなんだろうなあ、と感じさせるんです。

2巻の後半、過酷な坂のレースでマネジャー女性が「ここにいなかったみんなに話してあげよう。山を自転車で越えられる人がいるんだ」「マネージャーをしなかったら一生知らなかった」と感動する場面があります。シンクロするように、けっこう感動します。少年漫画で素直に感動したのは久しぶりです。続きが楽しみです。

なんだか無性に坂を攻めたくなりました。