「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

県庁の星

2006-02-01 | 
桂望実さんの「県庁の星」を読みました。映画も公開予定の小説です。

《Amazon 出版社レビューより》
前代未聞! 抱腹絶倒の娯楽公務員小説。
野村聡。31歳。Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。Y県初の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。一年間の研修を無事にこなして戻れば、念願の係長への階段を同期に先んじて確実に登ることができる。ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先は…スーパー? しかも…H町の? えらくマイナーな感じがした。だがそのイヤな予感は現実のものとなる。 もらった予算は使いきるもの! 人を  “使役”してこその“役人”だ!大勘違い野郎の「県庁さん」がド田舎のスーパーで浮きまくり。生まれて初めてバカと呼ばれた県庁さん、はたしてこのまま「民間」でやっていけるのか?

このストーリー紹介で話は尽きてますね。「ハッピーエンド」です。といえば、紹介文以降の話もほぼ容易に想像がつくでしょう。お気軽に読めるエンタメ小説です。

この小説の面白さは「お役所」ワールドの面白さ。書類で自己防衛し、組織の論理を個人の意思より徹底的に尊重する。私も役所とは仕事でおつきあいがあるが、「そうそう」とうなづく場面が少なくなかったですね。ただ、この観点だけでは昨年読んだ「隣町戦争」のほうが怖いぐらいに「面白かった」。

個人的にはスーパーのパートのおばさんながら、社員以上に仕事を任されてスーパーを仕切る50歳ぐらいの女性が興味深かった。特に息子との関係、親の深層心理みたいなものをチラとかいま見せる部分は考えさせられた。

一気に読める手軽な本。話がやや拡散の傾向があるけど、笑える1冊なのでありました。