VS 夫

出発前

「ダンナさんとずーっと二人きりで旅行なんて無謀じゃない？」

と言われました。

ええ、とても不安でした。

 

 旅行記の中でもちょくちょく出てきますが

とにかく旅行中ケンカばかりでした。

 

2日目の夜くらいに

「これは、何かの罰ゲーム？

それとも修行？修行だとしたら何の修行？」

と早くも暗澹たる気持ちになっていました。

 

大きなこと、小さなこと、予想外のトラブル、

いろいろなことでもめましたが

一番の原因は、夫のビデオ撮影でした。

 

これ↓

 

夫は旅行前に

「ゆる旅の動画をYoutubeにアップする」

という目標を立てていました。

そのためのビデオカメラも購入して旅に臨みました。

 

 

ちなみに 「ゆる旅」と言うのは

旅行の様子を、ずーっと撮りっぱなしにした動画らしいです。

 

夫は、羽田から歩きながらずーっと動画を撮り始めました。

「恥ずかしいから止めて」

と言っても止めません。

飛行機内でも機内の様子を取っていてCAの人に

注意されたりしてました。

 

静止画ですが機内↓（これは国内線）

ちなみにディスプレイには「SASUKE」のアメリカ版。

おもしろくて見入ってしまいました（私が）

 

アメリカについても歩きスマホならぬビデオです。

ええ？そんなところでも撮るの？と思うとことでも撮影しました。

「こんなところ」の一例、アルバカーキ空港内（静止画ですが）

ここを歩きながら撮影することを想像いただければ・・・

いろいろな意味で危ないです。

 

また、夫が車の運転中は、私が撮影を命じられました。

車の中は人の迷惑にならないし、

自分で調節ができるのでそれほど困らなかったんですが。

 

観光地ではとてももめました。

イエローストーン国立公園には

たくさんの中国人観光客が団体で観光をしていました。

 

その観光の仕方が、まだ洗練されていない。

「美しい景色の中にいる私」の撮影に一生懸命で

（バブルの頃の日本人もこんなだったよね）

通行の妨げになったりしていました。

 

それを夫が文句言うんです。

「本当に迷惑だよね」と。

いやいや、私から見ると夫も五十歩百歩。

とても批判できるような筋合いじゃありません。

 

夫の旅の目的はビデオを撮ること。

私は、単に夫の通訳（レベル低いけど）。

そんな感じになっていました。

 

ある時、キレて言いました。

「ビデオを撮るのが目的だったら、夫一人で来ればよかったんだよ。

一緒に旅行していても、共有できるものがなくて全然楽しくない」

更に言いました。

「ゆる旅だかなんだか知らないけど

そんな動画アップしても、夫の自己満足だよ。

中国人観光客のことをとやかく言ってるけど

自分だって全く同じだよ。

そんなこと言える立場じゃないよ」

 

その翌日から、夫の撮影頻度が下がりました。

前日までの熱心さとの余りの差に、聞いてみたところ

「録画したのを見たら、自分には撮影する才能がないことがわかった」

だそうです。

 

そんな訳で許容範囲内のビデオ撮影になったので

ケンカの原因が一つ減りました。

一つ減っただけで、まだまだもめ続けたんですけどね。

 

今、振り返ってみると

大都市の同じホテルにずっと滞在するのであれば

夫婦で別行動もできます。

だけど、今回の旅行はドライブ旅行。

腹が立つからと言って行動を別にすることはできません。

腹立ちをなんとかなだめて（自分の）

帰国の便に乗らないといけないんです。

 

そう、冒頭の、「何の修行か」という問いは

「こんなイヤな性格の夫と、なんとかやるための修行」

まさに、今までの人生の縮図のような旅だったんです。

 

帰国後、夫は動画を編集して、YouTubeにアップしました。

家族で見ましたが、結構つまらない動画でした。

帰省したふくふくも一緒に見たのですが、

ふくふくに好評だったのは、夫の運転中に私が撮影した部分でした。

 

更に夫は、

「年賀状にULRを載せて、みんなに見てもらいたい」

とか言い出しました。

 

はっ？

ULR?

どうせ載せるならQRコードでしょう！

と言ったところ、

夫がぜひ載せて欲しいと頼むので、

夫関係の年賀状のみ載せました。

（私の友人にもQRコード付きで送れば？と言われましたが

もちろん却下しました）

スキャンしてる人はいるんだろうか・・・

 

肝心の動画ですが、

飛行機の離発着のとてもつまらないヤツが

シリーズの中でも人気だそうです。

（そういう飛行機マニアがいるらしい）

一方、家族には好評だった自然がたくさん出てくるヤツは

全然再生回数が増えず（一けたとか）不人気だそうです。