セスタバジカ Cesta Basica

「基礎的なバスケット」という意味のポルトガル語。
ブラジルでは「日常生活を送るための必需品のセット」を指します。

あかんのとちがうかなー

2015年06月14日 | 日記
中学1年生さんに、国語の『雪とパイナップル』を音読した。この教材を読むと泣けてしまうので、私は心をかたくして淡々と読むように心がけた。お話の切れ目にふと中学1年生さんを見ると、コックリコックリ船を漕いで、今にも眠ってしまいそう。初めての中間テストが終わって中学校生活の緊張も少し緩む頃、運動部の朝練にも参加しているというから、「いいよ、お話を聞きながら寝ちゃって。小さいとき、寝る前にお話を読んでもらったでしょ、それを思い出しながらねんねしてねー。」と言うと、すかさずそんな経験はないと返ってきた。そりゃあそうだ、日本語の本は親が読めない、自国の本は入手できない。お話を聞きながら眠るのは今が初めての経験、いらんことゆうて目を覚まさせてしまったと思いきや、続きを読み始めたら机にうつ伏して、お話を読み終わった頃には小さな寝息を立てていた。

中学1年生さんの人生の本の一部分しか知らないけれど、私は彼女に畏敬の念を抱いている。彼女が小学校2年生の時、発達障がいではないかと悩む担任の先生と情報交換をした時、両親とも外国人、さらに父母は国籍が異なる、就学前は主にブラジル人保育園で過ごしたと聞いたから、単に日本語のボキャブラリー不足ではないかと思われた。2年生の途中から日本語教室に来るようになって指導をするようになったが、いわゆる日常会話は2年で身につくが学習言語は5年から7年と言われているように、6年生ぐらいから急に理解力がついてきた。初めての中間テストでもかなりいい成績をとった。ひとえに彼女の努力のたまものである。困難なことは学習だけではなかったけれど、どんな時も明るいこころを見失わずにいた中学1年生さんの寝顔を、私はうっとり眺めていた。そして外国籍の子どもたちが発達障がいと判断されている事例にたくさん出会うけれど、もちろん発達障がいを見落としたらいけないけれど、その反対もあかんのとちがうかなーと思った(よしもと)


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