ミニミニピアノ

セラヴィには

ここでしかないものが沢山ある。

 

その一つ一つが

セラヴィを創る。

 

セラヴィを生かしている。

 

セラヴィにお嫁入したミニミニピアノ

彼女もその一つ

 

以前からあったミニピアノから比べると

とても小さい

河合のミニミニピアノ

河合の博物館にも展示されてない珍品

 

戦時中、

物のなかった時代

より少しの材料で

それでも本物をと

作られたのではないかと

馴染みの骨董屋の店主が言っていた。

 

ミニミニピアノ

彼女は愛する人によって

生み出され

 

彼女をこよなく愛する人のために

幸せの音色を奏でた。

楽しい歌が聞こえて来そうだ。

 

そして時が経ち

ミニミニピアノのことも

覚えている人も居なくなったころ。

彼女と管理人は出会った。

 

管理人一目でセラヴィの子と思った。

 

彼女は

調律師の手で

半世紀以上もの眠りから覚めた。

 

調律師は

初めて見るピアノに

わくわくしていた。

もう手に入らない部品を手作りするほど

さらなる愛をつぎ込んだ。

 

今ミニミニピアノは蘇り

お客様を楽しませてくれている。

 

彼女はとても小さいくせに

誰もが目を止め

「可愛い」と声を掛けられ

愛情のこもった指に応えるように

彼女はお客様の為に

柔らかく温かい音色を奏でる。

 

物はすべて

生きているのです。

愛する人の為にと

必要とさえれる人の為にと。

 

だからとても愛おしい。

 

 

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