昨日、公衆衛生学の会に参加した。
自分の発表についての質問や、自分がかかわった仕事に関連した内容の発表をした保健師さんたちとの会話などで、気付いたことなどをメモしておく。
喫煙防止教室の取り組みについての保健師さんの発表で:
「子供の受動喫煙状況を調べるのに、尿中のコチニンなどを測定している研究もあるが、そのようなことを行ったり、今後予定したりはしていないのか?」という質問があった。
コチニン(ニコチンの代謝産物)などを測らなくとも、子供たちが受動喫煙をかなり受けていることは、子どもたちの髪や服、ノートなどが臭いことや、喫煙親との接し方から明らかである。
コチニンを測ってみました・・・という研究は、たいていそれだけで終わっている。
重要なのは、いかに子供たちを受動喫煙から防ぐか、ということであり、その具体的実践方法こそが必要なのである。
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禁煙治療費を全額補助する事業についての報告で、発表を聞いていた学生から質問された。
「禁煙治療にかかる費用って、どのくらいなんですか?」
このときは、そのまま具体的な費用について(保険が適応されると治療費はタバコ代よりもずっと安価である)とだけ答えた。
でもひょっとしたら、本事業の参加者のほぼ全員が、「治療費が無料だから参加を決めた」というアンケート結果を聞いて、かの学生は「タダだからという理由が最も多かったのなら、いったい禁煙治療費ってどんなに高いのだろう?」と思ったのかもしれない。
タバコが値上がりすれば、(たかが10円や20円でも!)禁煙しようとする人が増える。
治療費が免除されるときけば(自分で毎日浪費しているタバコ代のほうがよっぽど高いのに!)、禁煙しようとする人が増える。
結局、値段ではないのだ。
みんな、なにかしらの理由やきっかけが欲しいだけなのだ。
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地元新聞社による5月末の調査では、健康増進法改正に伴って、本庁舎の敷地内禁煙化を実施する予定の自治体がひとつもなかったのに、7月になってみたら、長らく子供たちの喫煙防止教室でかかわっているN市含む2市で完全禁煙化がされていたという話題で:
N市の保健師さんたちが、「私たちの取り組みが、少しは影響しているのかしら・・・?」と自信なさそうに言っていた。
最後に「中途半端なことはしない。完全禁煙!」とハンコを押したのは確かに首長かもしれない。
でも、これまでの地道な草の根的活動が功を奏したのは言うまでもない。(と信じたい!)
褒めてもらおう、称えてもらおうと思ってやっているわけでは決してないけれど、名もない草の根運動家たちだって、誰かしらに「長年の功績」を認めてもらって、人生的喜びを分かち合ってもいいんじゃないだろうか?
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