3月最初の日にシューベルトの歌曲「春に(Im Frühling)」D882を聴きました。久し振りのCDです。
イアン・ボストリッジ(1964- )がフランツ・シューベルト(1797-1828)の歌曲を25曲歌っています。どれもポピュラーな曲ばかりですが、この「春に」ほど春を思わせる曲はないかも知れません。歌の旋律もさることながら、伴奏のピアノも美しく繊細で春の気分がよく表れています。(詩はErnst Konrad Friedrich Schulze, 1789-1817)
詩はロマン派得意の失恋ものです。一口で言ってしまえば、「美しい春にここから恋が始まったのに、今は同じ青い色をした空が哀しい…」ということになるでしょうか(まとめ過ぎ(笑))。詩よりも曲のほうがはるかに美しく天国的になってしまっているのはシューベルトの天才の為せる業だと思います。
ボストリッジの歌唱は、フィッシャー=ディースカウやヘルマン・プライ世代の私にはスタイリッシュ過ぎる(笑)のですが、只者ではない表現力を感じます。
Ian Bostridge/Schubert 25 Lieder: Ian Bostridge, tenor, Julius Drake, piano. recorded in 1996, 2000. EMI 7243 4 76852 2 4
「春に」を懐かしのフィッシャー=ディースカウとリヒテルで
Dietrich Fischer-Dieskau sings Im Fruhling