【今週末はどこに行こう?】今週末行きたい 展覧会・イベント

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観て、知って、使って 伝統技術を楽しむ ー能作 (富山県高岡市)

2018年05月20日 | アート●オススメ アートスポット●

 天井までずらりと並ぶカラフルで不思議な形の物体。アート作品のようにも見えますが…

 これ、鋳物の型なのだそうです。

 富山県高岡市で1916年から続く鋳物メーカー・能作では、社屋を使った「産業観光」というユニークな試みをしています。

 

■観て楽しむ

 伝統工芸品をイメージさせるようなモダンな建物が社屋。建築設計は、富山で多くのプロジェクトを手がける広谷純弘氏です。

 エントランスには、様々な技法を用いて作られた100の花器(そろり)が並びます。

 それぞれの花器の作者には、金工師、彫金師、旋盤師、着色師、etcといった肩書きがあり、それぞれの工程に特化した職人さんがいることに気づきます。

 そして、はじめに紹介した「木型」。よく見ると、この奥にもずらりとたくさんの木型が並んでいました。

 建物の中のショップではさまざまなグッズも販売しています。雷鳥や鱒の寿司などの富山モチーフのキーホルダーやピアスなどのちょっと変わったグッズもあって、見ているだけでもわくわくします。

■知って楽しむ

 ところで「木型」はどうやって使うんだろう?とおもったら、展示と映像で説明してくれていました。

 木型の周りに砂を敷き詰め、押し固めて砂の型に。そこに金属を流し込んで成形していくんですね。

 型から取り出したあとは、削って磨いて色をつけて…様々な工程があって、美しい器が出来上がっていくんですね。錫や青銅、真鍮と、材料による性質の違いも説明してくれています。

 建物の中には、体験工房もあって、実際にこの工程を体験できちゃいます。予約制で今回は体験できませんでしたが、これは体験して見たかったなぁ…平日には、事前予約制の工場見学も行なっているそうです。

■使って楽しむ

 この社屋の中には、おしゃれなカフェ 「IMONO KITCHEN」 もあります。

 富山の地元食材を使用したカフェで、能作の錫の器で食事が楽しめます。

(温かいカレーやスープは陶器に、ひんやりとしたサラダやドレッシング、飲み物は錫製の器で提供されます。)

 地酒を「錫とグラスの飲み比べ」なんてメニューもあって、これは試したい〜!と思いつつ、車なので我慢… 地酒は飲めませんでしたが、錫の器で冷たい水を自由にいただけるようになってました。熱伝導製が良いので冷たくて美味しいです!

■聴いて楽しむ

 カフェで流れている心地の良い音楽は、富山を中心に活動するエレクトロニカ・ポストロックバンドsmoug(スマウグ)とのコラボなのだそうです。CDもリリースされていました。

(パッケージが鋳物を製造する型をイメージして作られているのも面白いです。)

 全て鋳物製作現場で録音されたものだそうです。smougの心地よい音楽に、金属の打撃音や溶解音が溶け込んでいます。(買いました♪)

 

 それにしても、これを民間の1企業が行なっているのには驚きました。会社の製品とは関係のない、地元の観光案内なども広いスペースをとって行われていて、地域を盛り上げていこうという心意気が感じられますね。

 内装はたくさんの木と金属がコラボした素敵な空間になっているので、なかでのんびりしていて、気持ち良いです。

 鋳物の作品を見て、その作り方を知って、製品を実際に使って楽しむことができる「能作」。観光地からは少し離れた工業団地の中にありますが、ゆったりと楽しむことができる素敵な場所でした。

**************

能作

住所:〒939-1119
富山県高岡市オフィスパーク8-1 
営業時間:10:00 – 18:00
(工場見学・鋳物製作体験の時間は、各ページをご覧ください。) 
休業日:年末年始
(工場見学は、日・祝日休業。土曜は月により変更有。) 
アクセス:
アクセス情報はこちら
http://www.nousaku.co.jp/main/company/access/
駐車場:普通22台 大型バス用2台


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