<<この記事は、‘さて何処から始めましょうか’からの続編です。画像は画像検索で拾って来たフィリピーナの画像ですが、僕が最初に関わった比人女性はこんな感じの人でした。非常に良く似ているので、ひょっとしたら、御本人かも…苦笑>>
約10年前、フィリピンパブ(以下、PPと略します)に初めて足を踏み入れた時、それが今日に繋がる全ての始まりだったような気がします。
…実は、そんな事は記憶の中に埋もれて、殆ど忘れかけていたのですが、今年5月に所用があって一時帰国した際に、僕の友人のS君(彼はフィリピン大好き人間で、仕事で長期休暇が取れると必ずセブにやって来て、ウチに1~2週間に渡って滞在して行きます)と、実家の近くの繁華街で飲んだ際、“久々にPPに行って見ようか”と誘われ、街の観光案内所へ行ったら、いきなり客引きのお兄さんがやって来て、何処へ連れて行かれるかと思ったら、僕のPP初体験のお店だったのです。お店のつくりも全く変わっておらず、そのせいもあってか、‘あの頃’の事を鮮明に思い出した僕でした。ただ、‘あの頃’に比べると今のご時勢を反映して、タレントさんの数は少なく、お客も少なく、何となく、寂しい雰囲気でした。(…後で知ったのですが、このお店、今年8月頃には閉店したとの事で、‘やっぱり’と得心してしまった僕でした)
…あの頃、僕は、離婚のショックから立ち直れず、週末になると深酒をして、その酔いから醒めた時には、ただ、ただ、‘更なる空しさ’が募るだけでどうしようもない日々を過ごしていました。また、元々、‘止むを得ず就いた職’にも不満があって、取り分け、職場の人間関係がしっくり来ない事も相俟って、自分自身、‘生きているのか死んでいるのか分らない’ような状態でした。
そんな中で、ある日、一人酒が過ぎて、誰も居ない家には、帰りたくないという衝動に駆られ、その2~3ヶ月前に知り合いに連れて行って貰った事のあるPPに‘ふらり’と一人で立ち寄ったのでした。
…まあ、そんな風に、日本人とフィリピン人との‘遭遇’は、十中八九は、PPでのモノになるようで、僕もその例外ではなかったのです。
しかし、そうした‘一般的事例’が災いして、大半の日本人にとっては、フィリピーナ=夜の世界で働く女性…と言った解釈になってしまい、規模の大小、程度の差はあるでしょうが、僕もそうであったように、‘騙した、騙された’と言った手合いの御話になりがちで、そうした‘体験談’だけが世間を一人歩きして、‘フィリピン人の悪い面’が日本国内では強調されてしまっているような気がします。(勿論、そうした女性たちと出会って幸せになった人が少なからずいる事も僕は知っていますが....)
また、僕自身の反省も込めて言える事なのですが、どうも、日本人のお客にしても、日々の生活の中に何らかの問題を抱えて、‘そうしたお店’に出入りするケースが多く、やはり、そうした精神状態の中では、‘まともな事’が起らないのは自明の理です。また、そうした状態の中で問題が起きると、どうも日本国内では、外国人側ばかりに非があるように解釈され易いのも事実ではないか…そんな風にも思うのです。
しかし、あれから既に10年近くの月日が流れ、僕そのものがフィリピンの一部であるセブ島で生活し、仕事柄、地元民の色んな家庭に立ち入って、色んな事を見聞きして思う事は、日本のフィリピンパブに絡んで起きる事、日本にいるフィリピーナたちを通して生じる色んな問題は、これまた‘特殊な世界’の御話に過ぎないのではないかと言う事です。
勿論、彼女ら日本で働いているフィリピーナたちも、紛れもない‘フィリピン人’ではありますが、いわゆる‘飲食店従業員(或いは経営者)’と言う単一の職業に属している訳です。例えば、逆に‘日本人’と一口に言っても、‘そうした飲食店のお仕事に従事している人たち’の事だけを捉えて、‘日本人そのものの事’を論じられるかと言えば、それはあり得ないと言う事は、誰にも判る簡単な理屈だと思いますが、何故か、その辺りを判って頂けないケースが多いように思うのです。
もっと言えば、2004年頃には、年間8万人ものフィリピン人女性が、‘タレント’として日本へ入国したようなのですが、OFW(オー・エフ・ダブリュー)と呼ばれる海外労働者の多いフィリピンという国家の実情から見た時に、一説には、全国民の1割(現在のフィリピン共和国の総人口は、9,000千万人近くに達しているので、800~900万人)が、海外就労、定住等々の形態を取って、本国に送金してきていると言われている中で、日本でのタレントとしての就労は、そうしたOFWと言われる人たちの中でも決して、多数派とは言えないし、当然の事ながら、フィリピン人全体から見てもごく一握りの人たちに過ぎないのです。
事実として、セブと言う地域は非常に保守的な風土があって、そうした日本で働く女性たちについては、‘ジャパユキ’(明らかな差別用語です)と呼ばれ、その意味は、‘売春婦’と同義になります。可哀想な事ですが、彼女らは、特にセブの周辺では、‘異端の者達’と見られていると言っても過言ではないでしょう。
また、日本人として、大変に恥ずかしい事ですが、日比間には、一時期、特にマニラ周辺で盛んだった、日本人男性による‘マニラ買春ツアー’と言ったものが堂々と行われていた過去があり、その際に、非常に曲がったものの見方で、フィリピンという国を捉えた年配の方々も少なくないように見受けられます。(そして、現在も‘そうした感覚’で、フィリピンやフィリピン人に絡んで来て、問題を起こす日本人が少なくない…それも悲しい現実です)
僕の場合も、最初の経験が苦いものであった事は間違いなく、ただ、それに対して悪意を持つよりも、‘もっとフィリピンという国を知ってみたい’という気持ちになって行ったのでした。それが何故なのか…それは未だに自分でも良く分らないのですが、一見、可愛らしくも見える女性たちの裏側にある、何とも得体の知れないドロドロとしたものを垣間見る中で、‘何故、そんなものが存在するのか’を知りたくなったし、自分の生まれ育ち、その時の境遇をして、そうした‘未知の世界’に惹かれて行ったような気がしています。
が、しかし、そうした動機、キッカケからセブ島でのNGO活動に関わったまでは良かったのですが、この仕事が最初からシックリと、天職の如くに感じられた訳ではなかったのです。そして、その時に僕が問題だと感じていた事が、昨年になって顕在化し、それが今日までの‘難儀’を招いたのでした。
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しかしこの狭い世界でしか見たことのないフィリピン人を全てだと勘違いしている日本人が多過ぎますね。
が…確かに、日本で夜のお仕事をしているフィリピーナたちにしても、フィリピン人である事に変わりは無く、彼女らの行動も現地のフィリピン人たちの‘ある側面’を強調している(?)だけに過ぎないと思う事もあります。
まあ、その辺りの事は、また続編でボチボチやってゆきましょうかね....