やっちゃんの叫び

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石 平氏の 玉名・八代講演を聴いて

2011-08-01 14:58:15 | 尖閣情報・領土問題
演題の異なる石 平氏の講演を2日連続で聴いた。

いずれの会場も満杯。印象に残った話をご紹介しましょう。

<玉名講演> 
演題『日本の誇りとは 震災を糧にして~試練の時こそ、立ちあがれ日本』   
 1988年、友人からの留学の誘いで来日、神戸に住んだ。

 最初のカルチャーショック・・・電車に乗ったら、乗客は誰もが静かに乗っている。周囲の人に迷惑を掛けないように・・・中国ではそうはいかない。うるさい。

また、友人の誘いで、銭湯に行った。驚いたのは、「湯」の暖簾。湯とは中国では、スープのことだから(笑)・・さて、中に入ると、・・・湯船の湯が透き通っている。湯船の中で体を洗う人はいない。
警官が見ていないのに・・である。社会的ルールを極自然に守っている。

*さて、2度の大震災を経験。その中で見た日本人は・・・
先ず 阪神・淡路大震災。
 そこで見た光景・・・出入り口が壊れて、中の商品が散乱しているのが見えるコンビニがあった。翌日その前を通った。散乱商品はそのままあった。次の日もその前を通った。その商品は、昨日のままである。中に入ろうと思えば簡単に入れるのに・・である。
 後日、コンビニの店主は、その商品を近所に配ったという。

・・・中国に帰ったとき、このことを友人や親戚に話したが、誰も信じてくれない。「ありえない」と言う。・・・だが、日本では、ありえたのである。
日本人はなんという国民だろう。・・日本人の振る舞いから日本人の歴史が分ってくる。
 
 2度目は、東日本大震災。3・11、千葉まで歩いて帰ったのだが、・・・タクシー乗り場に、静かに整然と並ぶ人たち。列を乱す人はいない。また、黙々と歩いて家路に急ぐ人の列・・・その冷静さ、思いやり、社会に対する配慮・・・このことは世界の人にとって信じられない衝撃であった。

 今回、世界のメディアは、大災害の中における日本人の在り様を目の当たりにし、日本人を絶賛した。中国メディアでさえも・・・

*王陽明の目指す理想社会は「満街皆聖人」である。聖人とは、理想的な人間像を持った人のことをいうのだが・・・陽明のいう聖人とは、思いやり・譲り合いの精神を持った者という意味である。
日本に来て、「街中の人たち皆聖人」を観た。

* 日本への思いを決定付けたこと・・・部屋を借りるのに、保証人が要る。保証人になってくれる人の家に挨拶に行った時のこと。屋敷の玄関に入ると、奥さんが正座して迎えてくれた。こちらが、頼む(世話になる)立場なのに、である。
 論語で、「礼」を聞いていたが、中国でみたことが無かった。日本に来て初めて見た。

仏教はインドで、儒教は中国で生まれたが、いずれもそこに息づくことはなく、日本で大成した。これは日本人の抱擁の心があるからだろう。その礎となっているのは神道であろう。

*中国を捨てた理由:日本の素晴らしさに触れて・・・。

*中国は、強い者に対しては引き、弱いものには高飛車に出る。中国は、海の支配をめざして着々と進んでいる。日本は、ベトナム、フィリピンに学ぶべきである。民族の魂をもって対応しているから中国と対峙できているのである。

*備えが無いところに危機が来る。福島原発事故がそうだ。対中国では、日本の現状では危ない。
平和は力(抑止力)のバランスによって成り立つ。
鳩山さんは首相をやってみて初めて解った、とは呆れる。彼の唯一の貢献は、短期間で総理をやめたことである。次の菅さん・・・皆さん、お分かりですよね~

*アメリカが押し付けた憲法を日本人は一生懸命守ろうとしている。
「諸国民の公正と信義を信頼して・・・」憲法にこう書けば平和が来るのなら、どこの国も書くだろう。日本以外には、無い。



<八代講演> 演題『日本が危ない!』

 今回の中国新幹線事故、この対応の仕方を見て中国政府の姿が判ってくる。
人の生命よりも自分のことが大事、ヤクザだ。いや、日本の893は、そこまでやらない(笑)

*中国(中華人民共和国)とは?
1949年設立。毛沢東は、旧ソ連共産党(コミンテルン)と結託し、地方の青年に共産主義教育をほどこして人民解放軍を組織し、当時の中華民国を追い出した。民衆の支持によってつくられた政府ではなく、人民解放軍も規制の無い武力集団である。

*中共政府の遣ってきたこととは?(内陸戦略)

・文化大革命・・・父は物理の大学教授だったが、農村に追いやられ豚の飼育をさせられた。多くの先生たちが、殺されたり、自殺に追い込まれた。生きているだけでも幸運だった。友人も死んだ。  

・チベット、新疆ウイグルの占領。いづれも日本人のように大人しい民族である。
(パンダの生息地は、中国四川省というが、そこはもともとチベットの領土だった。)

・内モンゴルも占領。

・・・内陸部の拡大路線の成功。その裏では数千万人が殺された。

・しかし、インド、ベトナム進出に失敗。中国は、戦後、アジアで一番戦争をした国。


*中国海洋戦略。キーワードは、第一列島線と第二列島線。
 目的は、海洋支配。2010年代に第一列島線まで進出。日本、フィリッピン、ベトナム、台湾などのシーレーン(海上輸送路=生命線)を抑えれば、その国を自動的に支配できると知ったからである。

 背景。1976年、小平の時代に入り、経済成長路線をとった。80年代より外貨導入(日本のODA)。中国の脅しと日本の優しさ(?)により軍事力は飛躍的に向上。
 ・南沙諸島を巡り、小国のベトナムやフィリピンは中国に抵抗。(武器は米軍のお下がりではあるが・・・)中国は、対話に応じる姿勢を見せてきた。つまり、弱いものには強く、強いものには、対話で・・・


日本の危機とは?
 1つは、 中共からの脅威・・政府の実体は恐ろしいものだ。この者らが海洋を抑えたらどうなるか、分るでしょう。
 中国は軍拡をやっているが、中国を侵略しようと意図している国は何処にも無い。軍拡する必要は全く無いのである。ところが海軍をみる如く、増強している。このことは、共産主義の拡張思想がある証拠である。
 今回の列車事故、航空母艦の建設を発表した。此れは国民の目を反らせる常套手段と考えられるが、もう少し、その判断にはもう少し時間が要る。

 2つ目は、 日本人自身の国防意識の欠如である。
 不思議だ・・・サンフランシスコ条約でアメリカは出て行ったのに、アメリカが押し付けた憲法をしっかり守っている。その憲法とは、日本が独立国としてやっていくには、欠陥だらけのものなのに。
 本当の危機は、備えの無いところに遣ってくるものだ。
福島原発の件がそうだ。国防意識(備え)の欠如による中国からの脅威。

*日本人に、何故国防意識が無いか? 
 憲法に「平和、平和と書いているから平和になる、」というプロパガンダ教育がなされてきたからであろう。 

*平和はどうやって守るか? 
世界の共通認識は、関係国家間の力のバランス(抑止力)である。
平和は、じっとしていればやって来るというものではない。不断の努力の積み重ねで勝ち取るものである。

*中国との付き合い方
 ・先ず、一定の距離を置いて付き合うこと。
 ・そして、中共は、反日国家である、と言うことを認識しておくことだ。
   1988年に私は来日したが、80年代までは、中国には反日意識は無かった。
  栗原小巻さんや高倉健さんは大人気。当時の女性は、結婚相手に高倉健さん風な男性を探すほど。
「おしん」ブームも起こり、その放映時間は、人通りが絶えた。

 ところが、1989年天安門事件が起こった。これをきっかけに、90年代に入り愛国教育が始まった。それには外敵を想定する必要性がある。そこで大人しい日本が標的にされたのだ。

*論語の「礼」を実践しているのは日本のみ。
 祖父から教わった論語を理解出来たのは、日本に来てから、である。

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    著書『 私はなぜ「中国」を捨てたのか 』
      『 なぜ日本人は 日本をおとしめ 中国に媚びるのか 』