※バッタのワゴンセールにて、あるジャンルのCDが大量に出されている事に度々出会うが、今回はスムースジャズ系アルバム。いつもは、この手の音作りに難癖をつけている本ブログだが、出会うのがご機嫌で良いアルバムばかりだと時々食傷気味になるという、贅沢でへそ曲がりな格安CDエクスプローラーにとっては、どうにも目障りだが気になる存在がこの手のお気楽ジャズというお話ではある。どうせダメだろうから、ついつい気まぐれで手に入れ難癖をつけるイチャモン根性があり、治らない悪癖だと自覚している。ホント、文句言うのなら最初から買わなきゃ良いのに……呆れたもの(まあ~~、お許し下さい~~)。
Rohn Lawrence [Hangin’ On a String] (Atlantic Jazz/1994) アメリカ盤 108円 星3つ
~わりかしマトモでブラコンもの、タイトなジャズ系サウンド、メローなバラードもの、ダンサブルな曲と聞かせ処もあって、悪くないテイストの作品だ。判りやすく言うと、ジョージ・ベンソンやノーマン・ブラウン系のジャズ&フュージョンテイストを持っているヒト。
作りこみ方、曲の流れ、メロディアスでありつつ、テクを引き立てる仕掛けなど、やはり大手レーベルのジャズフュージョンとして形をなしており、マイナーレーベルのフュージョンとはどこか違う。この辺りが、悲しいかなNaradaとはレベルが異なるのだった。
Leo Gandelman [Western World] (Verve Forecast/1989) 日本盤 108円 星3つ
~ブラジルのサックス奏者のデビュー盤というアルバムで、この80年代には、ヴァーブフォアキャストからブラジルのフュージョン系アーティストが何人もデビューしており、その流れ(トレンド)から制作されたもので、当時は中南米のジャズアーティスト達に注目が集まっていたし、リカルド・シルベイラやT.オルタらギタリストが居たが、サックスプレイヤーという事で珍しくも思える。その後、このレーベルの活動は縮小されて今日では果たしてどうなっているのかは、不明(ご本人は、今日までブラジル本国で活動している様子だが、やはりラテン回帰して、ブラジルの音楽性をよりベースにしたサウンドを生み出している模様)。
このアーティストのCDだが、中身は、可もなく不可もなしといった具合で、まあまあという評価が妥当だろう。1曲だけE.ロボのカバー曲をプレイしているものの、特にラテン系ジャズ&フュージョンという偏りはなく、80年代のありがちなフュージョン風景が描かれるものだ。
Doug Cameron [Mil Amores] (Narada Equinox/1990) アメリカ盤 108円 星3つ
~LAを中心にしてスタジオミュージシャンとして活動しているバイオリン奏者らしい。どこかで聞いてみたようなトキメキのないアルバム。全体では、メロディーを大切にしようとする姿勢は理解できなくもないが、ありがちなメロディーラインと凡庸な曲運び、アルバム構成となっている。それというのも参加ミュージシャンでは、リトナーやV.カリィウータ、ルイス・コンテらといった手練れアーティストの参加で少し豪華感をつける算段だが、例の如く必然性はなき『箔付け』というスタイルだったり、エスニック味をつけるのは良いが、曲としてのオリジナリティも少なきラテン、スパニッシュ風の歌謡だったりとバイオリンとストリングスの絡み合いも少ないナラーダレーベルの中庸作品だった。
Sam Riney [Playing With Fire] (Sindrome/1990) アメリカ盤 108円 星3つ
~面白いジャケイラストとアルバムタイトルがクセのある雰囲気をかもし出していて、なかなか面白い。同時に中身も、このサックスプレイヤーの様々な面を上手く表現する作品が収録されている。サンボーン系の歌心ある意外と隠れた実力者感があるアーティストだ。どちらかと言えば“噛み応えのあるフュージョン”と思えるテイストがあって、イージーリスニングに傾きがちなスムースジャズにはしたくないという心持が少し感じられるアーティストだと想像する。今回のバッタCD買いでは、良質な音楽マインドを感じさせる作品。
ちなみに、何故か知らぬが、日本の八神純子がキーボードで数曲参加している。サム・ライリーは、他のアルバムでも「Kabuki」なるナンバーを収録していたりと、親日家的な要素がある人かも知れない。
Scott Wilkie [Boundless] (Narada Jazz/1997) アメリカ盤 108円 星2つ半
~若手キーボードプレイヤーのデビュー盤とのことで、参加ミュージシャンに、R.フリーマン、J.パティツイッチ、ポール・ジャクソン.JRといった強力なメンツがおつきあいしている。その中身といえば、スムースジャズの悪しきサンプルといえる出来栄え。お気楽でありがちなピアノで、凡庸なメロディーラインやらピアノと他のインストとの絡み方などどこかで既に用いられている月並みかつ安全圏の明るきポップな曲想のパターン化したもの。オリジナリティは特段感じるものが少なく、ピアノのタッチ同様既視感ばかりが先行するリスニング体験が味わえる。その事が了承できれば、BGMとしてドライブでも、喫茶タイムでも使い道はありそうだ。
Eric Tingstad & Nancy Rumbel [Give and Take] (Narada Lotus/1993) アメリカ盤 108円 星3つ
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