まちみちふうけい

四角い枠に切り取られた風景は一瞬のもの、そんな一瞬を追い求めてこれからも相棒と走り続ける・・・

No.1416 明日香村の水路巡り(3)

2020-09-03 11:11:55 | ふうけい
よろしくお願いします。
















明日香村の水路巡りも3回目、前回は集落の中の小さな流れを追って行くうちに大化の改新(乙巳の変)の舞台となった場所へとやって来ました。田園風景が広がる所には農作業に従事している人が見え、農耕機の音も聞こえてくる、のどかな雰囲気が漂う所には迷路のように細い道が通っていてそれに沿うようにして小さな水路が流れている。前回はこの風景の中に流れる吉野川分水の存在を知りました・・・と言うことでこの分水について調べてみるとまあいろいろと奥が深い、これはこの先の巡りのテーマにもなってくれそうです。畦道を進んでいると弥勒石の道標があり、そちらの方へと向けて進んで行く、この道は前にも走ったことがあって先は行き止まりと言うことは知っている。目的は弥勒石ではなくこの道に沿ってある小さな水路、その先には道を挟んで左側には小さな水門、右側には大きな水門が見えてくる。大きな水門の方はその先の方から地下を通って来た水がここで姿を現していて、小さな水門の方へと分流、そこからこの付近の各田畑へと水を分けているようだ。ちなみにこの大きな水門は明日香工区第一頭首工(木の葉井堰)と名付けられていて、多分地下水路で吉野川分水からの流れを分けてもらっているのだろう、この水路は畦道に沿って流れてやがて飛鳥川へと注がれて行く。


















ちなみにこの巡りはGWの時の記録なのでまだ田植え前、写真ではレンゲソウが咲いていて田んぼにはまだ水は張られていないのが分かると思います。涼しさを感じさせてくれる水の小気味いい流れの音が至る所から聞こえている、例年ならたくさんの観光客が押し寄せて賑やかなはずの明日香村だが、静かで自然の音だけで彩られる風景もまたいいだろう。これらの田畑は吉野川からの水をもらい受けて田植えが行われ、実りの秋を待つこととなるわけだが、その季節ももうすぐだ。稲が背高く育ち、同時に彼岸花も咲き誇り、この辺りは赤と緑の交響曲が奏でられることが毎年の恒例となるのですが、今年はどうなんでしょう。感染症渦の影響で藤原宮跡のコスモス、本薬師寺のホテイアオイは見られなくなってしまい、彼岸花まつりも中止になるとのこと、今年は寂しい明日香村になってしまいそう、もちろん人の訪れも減ってしまうことでしょう。でも自然に罪はないはずです、今年もこの辺りはいつもと変わらない風景を見せてくれることだと思います。
飛鳥寺の裏手を通り過ぎて水落遺跡へ、ここは『ブラタモリ』でも紹介されていました、日本で初めて水時計が建てられた場所です。当時の高島礼子が息子の小栗旬に・・・もとい、ドラマの俳優さんの名前で書いてしまった、当時の斉明天皇が中大兄皇子に時刻を知らせるために造らせたとのこと。水の流れと特性を利用して造られた水時計はこの地に正確な時間を知らせることとなり、この地の政治や農耕に大きな影響を与えることになったとのことです。

















甘樫丘の手前を流れているのが飛鳥川、この巡りの(1)の項ではここより少し先の上流部を巡りました、小さな川は薄暗い森の中を抜けて明日香村の中心部へと下るにつれて大きな川となって、やがてこの場所へとたどり着く。下りの急な部分では水の流れも激しかったが、甘樫丘周辺は平坦部なので流れも穏やかで周辺の田園風景に溶け込んでいる。その飛鳥川は車の往来が激しい県道から離れて、この先は大和川に合流する所まで自転車道に沿って流れて行くことになる、その巡りについてはこの間走って来たのでまた別枠でのお伝えを予定しています。
さて、先程も書きましたが、9月に入って・・・って言ってもまだまだ暑いけど、今年は暖冬、梅雨明けが遅くその後は連日の猛暑、異常気象とは考えたくはないが、地球がバランスを崩してしまっているのかも・・・いよいよ明日香村も一番の見頃となる季節がやって来ました。イベントも花もなくなってしまって、更に人の訪れも少なくなっていつもと違う観光地になってしまうのでしょうが、それでも変わらないものに期待して、今年も明日香村に行ってこようと思っています、今回もご覧いただきましてどうもありがとうございました・・・・・・・・・・・まちみち