先日、7/24にイギリス、ドニントン・パークにてWGPの第9戦が行われました。
以下、決勝レース結果
[MotoGP]
1位 V.ロッシ (ヤマハ) 52:58.675
2位 K.ロバーツ (スズキ) +3.169
3位 アレックス・バロス (Camel Honda) +4.006
4位 C.エドワーズ (ヤマハ) +10.292
5位 C.チェカ (ドゥカティ) +13.020
6位 L.カピロッシ (ドゥカティ) +23.321
7位 玉田誠 (KONICA MINOLTA Honda Team) +37.833
8位 A.ホフマン (カワサキ) +44.617
9位 T.エリアス (ヤマハ) +1Lap
10位 R.ロルフォ (ドゥカティ) +1Lap
11位 J.ホプキンス (スズキ) +2Laps
RT F.バッタイーニ (バラタ) +4Laps
RT J.エリソン (バラタ) +22Laps
RT S.バーン (プロトンKR) +25Laps
RT セテ・ジベルノー (Team Movistar Honda MotoGP) +26Laps
RT 中野真矢 (カワサキ) +26Laps
RT マックス・ビアッジ (Repsol Honda Team) +26Laps
RT マルコ・メランドリ (Team Movistar Honda MotoGP) +27Laps
RT トロイ・ベイリス (Camel Honda) +27Laps
RT ニッキー・ヘイデン (Repsol Honda Team) +27Laps
RT R.シャウス (ヤマハ) +28Laps
[250cc]
1位 R.デ・ピュニエ (アプリリア) 49:11.337
2位 A.ウェスト (KTM) +1.236
3位 C.ストーナー (アプリリア) +16.740
4位 ダニエル・ペドロサ
(Team Telefonica Movistar Honda 250cc) +47.825
5位 S.ポルト (アプリリア) +1:03.449
6位 S.コルシ (アプリリア) +1:32.437
7位 アンドレア・ドヴィツィオーゾ (Team Scot) +1:34.560
8位 ホルへ・ロレンゾ (Team Fortuna Honda) +1:45.964
9位 S.ギュントーリ (アプリリア) +1Lap
10位 A.バレリーニ (アプリリア) +1Lap
RT ヘクトール・バルベラ (Team Fortuna Honda) +11Laps
RT 青山博一
(Team Telefonica Movistar Honda 250cc) +15Laps
RT 高橋裕紀 (Team Scot) DNF
[125cc]
1位 J.シモン (KTM) 17:35.523
2位 M.ディ・ミリオ (Honda) +2.406
3位 F.ライ (Honda) +8.896
4位 M.シモンセリ (アプリリア) +9.169
5位 P.ニエト (デルビ) +13.837
6位 T.ルシ (Honda) +18.323
7位 M.カリオ (KTM) +23.453
8位 J.オリベ (アプリリア) +31.424
9位 D.リンフット (Honda) +33.865
10位 葛原稔久 (Honda) +40.094
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◆ポイントスタンディング/WGP第9戦終了時点
(ライダー)
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[MotoGP]
1位 V.ロッシ (ヤマハ) 211pt
2位 マルコ・メランドリ (Team Movistar Honda MotoGP) 107pt
3位 C.エドワーズ (ヤマハ) 106pt
4位 マックス・ビアッジ (Repsol Honda Team) 100pt
5位 セテ・ジベルノー (Team Movistar Honda MotoGP) 95pt
6位 アレックス・バロス (Camel Honda) 90pt
7位 ニッキー・ヘイデン (Repsol Honda Team) 85pt
8位 L.カピロッシ (ドゥカティ) 65pt
9位 中野真矢 (カワサキ) 55pt
10位 C.チェカ (ドゥカティ) 51pt
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11位 トロイ・ベイリス (Camel Honda) 47pt
12位 玉田誠 (KONICA MINOLTA Honda Team) 36pt
20位 J.グールベルグ (KONICA MINOLTA Honda Team) 12pt
[250cc]
1位 ダニエル・ペドロサ
(Team Telefonica Movistar Honda 250cc) 156pt
2位 C.ストーナー (アプリリア) 122pt
3位 アンドレア・ドヴィツィオーゾ (Team Scot) 111pt
4位 S.ポルト (アプリリア) 85pt
5位 R.デ・ピュニエ (アプリリア) 79pt
6位 ホルへ・ロレンゾ (Team Fortuna Honda) 78pt
7位 青山博一
(Team Telefonica Movistar Honda 250cc) 71pt
8位 A.デ・アンジェリス (アプリリア) 67pt
9位 S.コルシ (アプリリア) 54pt
10位 ヘクトール・バルベラ (Team Fortuna Honda) 51pt
13位 高橋裕紀 (Team Scot) 31pt
[125cc]
1位 M.パシーニ (アプリリア) 100pt
2位 G.タルマクシ (KTM) 100pt
3位 T.ルシ (Honda) 99pt
4位 M.カリオ (KTM) 91pt
5位 M.シモンセリ (アプリリア) 85pt
6位 J.シモン (KTM) 80pt
7位 F.ライ (Honda) 79pt
8位 M.ポジャーリ (ジレラ) 59pt
9位 小山知良 (Honda) 52pt
10位 H.ファウベル (アプリリア) 50pt
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◆ポイントスタンディング/WGP第9戦終了時点
(コンストラクター)
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[MotoGP]
1位 ヤマハ 215pt
2位 Honda 182pt
3位 カワサキ 83pt
4位 ドゥカティ 75pt
5位 スズキ 55pt
6位 バラタ 4pt
7位 プロトンKR 1pt
8位 モリワキ 1pt
[250cc]
1位 アプリリア 176pt
2位 Honda 173pt
3位 KTM 20pt
[125cc]
1位 KTM 168pt
2位 アプリリア 164pt
3位 Honda 141pt
4位 ジレラ 59pt
5位 デルビ 41pt
6位 マラグーティ 3pt
今回のレースはサバイバルと言うしか他無い、とんでもないレースでした。
当日のドニントンは125ccのレース中に雨が降り出し、
転倒車が続出、結局、赤旗が振られ、中断、再開となりました。
とにかく、中断前はゾっとするようなハイサイドも起こり、
波乱のレースとなりました。
250ccも強い雨足のため、出走31台のうち、完走は19台と言う厳しいレース。
日本人勢は、高橋裕紀選手は、オープニングラップで転倒リタイア。
青山博一選手はこの悪コンディションの中、
トップに立ち、快調にラップを重ねましたが、
好事魔多しと言うか、12周目に周回遅れを抜いたところで
頑張りすぎたのか、痛恨のスリップダウン。
この最悪のコンディションの中、
レースを制したのはアプリリアのデ・ピュニエが初優勝。
2位のKTMを駆るウェスト選手、3位のアプリリア、ストーナー選手との
雨中のバトルを制しました。
ポイントリーダーのペドロザ選手は4位でフィニッシュ。
この辺り、雨の中でリスクを冒さない走りに徹したようです。
ペドロザ選手、思えば雨のレースだと、微妙に一歩引いた印象が残ります。
まぁ、ドライレースはやっぱり速いですが。
MotoGPクラスは序盤から波乱含みで、
序盤から有力選手が次々と転倒。
まず、ビアッジ選手がいきなりコケる、
続いてシャウス選手も転倒。
アメリカGPで初優勝を果たしたヘイデン選手も転倒、
ポイント争いでロッシ選手を追う(と言っても結構離されてますが)
メランドリ選手も転倒、危うくメランドリ選手は後続のトロイ・ベイリス選手に
轢かれるところでしたが、さすがにベイリス選手も
世界最高峰のライダーと言うべきか、回避するもコースアウトを喫し、
濡れたグラベルで転倒。
トップを走っていた、セテ・ジベルノー選手も転倒。
その後、トップ争いをしていたホプキンス選手まで転倒。
次々と選手とマシンが消えるサバイバルレースととなってしまいました(汗
そんな中、ポイントリーダーのロッシ選手、
雨のポルトガルを制したバロス選手、
上海GPはマシントラブルでリタイアしたモノの、
やっぱり雨では速かったロバーツ選手、エドワーズ選手の
4人の間でトップ争い。
先頭がミスをしたら、すかさず後続が抜いていくという、
なかなかに胃が痛い展開が続きましたが、
ロッシ選手がミスから大きく後退。
かと思ったら、後ろから凄まじい勢いで追い上げ、
あっさりトップを奪取。
そのまま後続を振り切って逃げ切ってしまいました。
とんでもない底力です。
ロッシ選手がスパートをかけた時間は、
雨の少々弱くなったようで、この辺り、
ただ速いだけでない、ロッシ選手のしたたかさが窺えます。
とは言え、ロッシ選手、恐らくリアを滑らせて
バランスを崩した回数はもっとも多かったように思えて、
この雨中のレースであれだけよく攻められるモノだと思うのと同時に、
よくあれだけバランスを大きく崩して、
なお立ち直れるモノだと感心してしまいました。
表彰台争いは、エドワーズ選手も大きくタイヤを滑らせたか、大きく後退。
ここでトップグループから脱落してしまい、表彰台はほぼ確定。
ロバーツ選手とバロス選手はファイナルラップまで激しく競り合い、
最終ラップで鮮やかにオーバーテイクしたロバーツ選手が、
優勝した2000年以来の2位表彰台。
バロス選手は3位。
日本人の玉田選手は7位完走。
中野選手は残念ながらリタイアと言う結果に終わりました。
しかし、思うに今回のレースは、MotoGPクラスでは
ちょっと見たことがない波乱続きのレースとなりました。
オープニングラップから、いかにヘビーウェットとは言え、
どう考えてもMotoGPクラスとしてはバンク角が浅く、
しかもスピードも乗っていませんでしたし、
転倒を喫したライダーの大半は後輪を大きく滑らせ、
咄嗟にカウンターを当てるも耐えきれずに、
バイクから投げ出されるハイサイドによる
転倒が多く見受けられたように思います。
いかにスリッピーとは言え、熟練の世界最高峰ライダーが
ここまでハイサイドを喫する光景は、
やはり異常と言っていいほど珍しいモノではなかったかと。
素人考えですが、思うに、予選までがドライコンディションで、
しかも、125ccの決勝中に降ってきた雨だけに、
データ不足でリセッティングがうまくいかなかったのではないでしょうか?
※とは言え、ウォームアップ中は雨降っていたらしいので、
やっぱり違うかも知れませんが。
また、ドニントンは中高速コーナーが多い区間が多く、
トラクションをかけないと曲がらない、
でもトラクションをかけると、一気にリアが滑って収拾がつかない、
しかも低速コーナーは低速コーナーでかなりタイトだから、
やっぱりしっかり減速して、トラクションを掛けながら
向きを変えないと曲がらない。
しかも最終コーナー出口ってギャップがあるらしいので、
あっさりとタイヤを取られて転倒、と言った感じなのではないかと
思います。
しかし、そんな中で、ロッシ選手やバロス選手はともかく、
SUZUKIの2台は目立ったような。
ひょっとしたら、SUZUKIは雨に強いのではないかと
勝手に勘ぐってますが、単にライダーの技量が高いだけのような気もします。
にしても、ロッシ選手、あれだけリアを滑らせ、
何度も転びそうになりながらも、
マシンを立て直してトップでチェッカーを奪う辺り、
もうさすがとしか言いようがありません。
これだけ波乱含みのレースまで制してしまったら、
本当にラグナセカのような特殊なサーキットでもなければ、
簡単に負けることはないのではないか、と思ってしまいます(汗
ポイント争いは、250ccはペドロザ選手が4位で終わったため、
微妙に詰まった感はあるモノの、
MotoGPはますますロッシ選手が一人旅。
しかも上位に陣取っていたメランドリ選手、ビアッジ選手、ジベルノー選手が
そろって転倒脱落したため、YAMAHAの2番手ライダー、エドワーズ選手が急進。
なんと、メランドリ選手と1ポイント差で3位です。
今年はYAMAHA勢が一気に盛り返してきた感が強くなって参りました(汗
WSSは圧倒的なんですけどね、HONDA(汗
ロッシ選手を止めることは
難しいでしょうが、
残りのレース、HONDA勢の踏ん張り、
日本人選手の躍進に期待したいところです。