「ジェファーソン・エアプレイン」というロック・バンドをご存知だろうか。
(略)
最近、日本で8枚組の復刻版CD(つまり昔のLPをCDにしたもの)が
出ているのだが、これが非常にマニアックなのだ。
レプリカの紙ジャケットに収められ、LPに付いていた日本独特の帯も、
そのままミニチュアで復刻してある。
一枚だけ日本版用に日本で制作されたオリジナル・ジャケット(中身なし)までも、
このセットに入っている。当然、このセットが買えるのは日本だけだ。
ディスクユニオンという会社が、徹底的にこだわって発売したのである。
アメリカでも復刻版が出ているのだが、ここまではしていない。
プラスチックの普通のケースに入れ、そのかわりにボーナストラックを加えて
販売する作戦で、これは当たり前のビジネスと言える。
ところが「買うのはマニアなのだから、徹底的にやろう」と、
とことん熱意を込めるのが、日本のオタクビジネスの真骨頂だ。
オタクというとアニメを想像する人も多いだろうが、日本ではあらゆる趣味のジャンルに
存在すると言っていい。音楽の中でもロックに限らない。
事実、アメリカのジャズの愛好家の間では「ジャズをきちんと集めたければ、
日本に来るしかない」と言われているのである。
地球上に、こんなにジャズの品揃えが整っている国はない。
「○○コンプリート」と銘打って、名だたる演奏家の録音が、
次々とCD化されているのだが、これを手がけているのは、
多くは日本人のディレクターとプロデューサーだ。
LPにもなっていないものがCDで出ているのだ。
日本のレコード会社では、そんな企画が通るのである。
予算が付いて、資料を基にアメリカ中の倉庫を探し歩いて
原盤のテープを探してくるのである。
たとえアメリカの黒人たちから生まれたジャズであっても好きになると日本人は、
猛烈に勉強して、系統立てての類推などもしながら、埋もれている原盤を見つけ出す。
オタクの情熱と方法論と言うほかはないだろう。
(略)
レイシズム(人種差別主義)もまた、欧米の大きなタブーだが、反面、
深く根を張った感情でもある。ジャズの古い演奏は、黒人奏者だったがために
聴かない人もたくさんいる。日本人にはそんな意識はないから、
アメリカ人も驚くような全集が出来あがるのだ。
日本のCDショップで、品揃えを見て
「黄色い人たちが、こんなに全部揃えてくれてありがとう。すごい」と、
涙ながらに感激する人もいるのである。
こうして発掘され、CD化された演奏がアメリカや世界のマニアからも
買われているわけだ。日本の国民性には、世界にも稀なマニアックさが
根づいていると言えそうだ。
「クール・ジャパン 世界が買いたがる日本」杉山智之 著
---------------------------------------------------
「おたく」というのは既に国際語になっていますが、「マニア」とは別に新たに
定着した日本語文化の概念ですね。
「おたく」というと、あまり良いイメージには繋がりませんが、
「物事にこだわる」という一点では日本人には元々「おたく」気質があるんですよね。
商売に関係無く、見た目にも同じなのに、本人の中で納得がいくまで追求する。
職人を尊敬する日本人の、現代での新しい表現が職人という表現が「おたく」という
言葉になっていると思いますね。
アニメ・漫画の熱狂的ファンのみを「おたく」と言っていましたが、
いまではジャンル問わず、こだわるファンのことを「おたく」と呼んで
日本人には本人も意識せず「おたく」は多いことでしょうね。
「嫌韓」「嫌中」のブログを作成している方たちも、「おたく」と呼べるでしょうね。
まさに「日本人」といえます。
(略)
最近、日本で8枚組の復刻版CD(つまり昔のLPをCDにしたもの)が
出ているのだが、これが非常にマニアックなのだ。
レプリカの紙ジャケットに収められ、LPに付いていた日本独特の帯も、
そのままミニチュアで復刻してある。
一枚だけ日本版用に日本で制作されたオリジナル・ジャケット(中身なし)までも、
このセットに入っている。当然、このセットが買えるのは日本だけだ。
ディスクユニオンという会社が、徹底的にこだわって発売したのである。
アメリカでも復刻版が出ているのだが、ここまではしていない。
プラスチックの普通のケースに入れ、そのかわりにボーナストラックを加えて
販売する作戦で、これは当たり前のビジネスと言える。
ところが「買うのはマニアなのだから、徹底的にやろう」と、
とことん熱意を込めるのが、日本のオタクビジネスの真骨頂だ。
オタクというとアニメを想像する人も多いだろうが、日本ではあらゆる趣味のジャンルに
存在すると言っていい。音楽の中でもロックに限らない。
事実、アメリカのジャズの愛好家の間では「ジャズをきちんと集めたければ、
日本に来るしかない」と言われているのである。
地球上に、こんなにジャズの品揃えが整っている国はない。
「○○コンプリート」と銘打って、名だたる演奏家の録音が、
次々とCD化されているのだが、これを手がけているのは、
多くは日本人のディレクターとプロデューサーだ。
LPにもなっていないものがCDで出ているのだ。
日本のレコード会社では、そんな企画が通るのである。
予算が付いて、資料を基にアメリカ中の倉庫を探し歩いて
原盤のテープを探してくるのである。
たとえアメリカの黒人たちから生まれたジャズであっても好きになると日本人は、
猛烈に勉強して、系統立てての類推などもしながら、埋もれている原盤を見つけ出す。
オタクの情熱と方法論と言うほかはないだろう。
(略)
レイシズム(人種差別主義)もまた、欧米の大きなタブーだが、反面、
深く根を張った感情でもある。ジャズの古い演奏は、黒人奏者だったがために
聴かない人もたくさんいる。日本人にはそんな意識はないから、
アメリカ人も驚くような全集が出来あがるのだ。
日本のCDショップで、品揃えを見て
「黄色い人たちが、こんなに全部揃えてくれてありがとう。すごい」と、
涙ながらに感激する人もいるのである。
こうして発掘され、CD化された演奏がアメリカや世界のマニアからも
買われているわけだ。日本の国民性には、世界にも稀なマニアックさが
根づいていると言えそうだ。
「クール・ジャパン 世界が買いたがる日本」杉山智之 著
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「おたく」というのは既に国際語になっていますが、「マニア」とは別に新たに
定着した日本語文化の概念ですね。
「おたく」というと、あまり良いイメージには繋がりませんが、
「物事にこだわる」という一点では日本人には元々「おたく」気質があるんですよね。
商売に関係無く、見た目にも同じなのに、本人の中で納得がいくまで追求する。
職人を尊敬する日本人の、現代での新しい表現が職人という表現が「おたく」という
言葉になっていると思いますね。
アニメ・漫画の熱狂的ファンのみを「おたく」と言っていましたが、
いまではジャンル問わず、こだわるファンのことを「おたく」と呼んで
日本人には本人も意識せず「おたく」は多いことでしょうね。
「嫌韓」「嫌中」のブログを作成している方たちも、「おたく」と呼べるでしょうね。
まさに「日本人」といえます。
「職人気質」といえば聞こえはいいですね