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NHKの反日ドキュメンタリーは誰が作っているのか?【後半】

2019-01-04 10:16:32 | 左翼メディア

【前半からの続き】

 

【2017年夏の反戦特集】

 NHKの左翼ドキュメンタリー屋にとって目の上のたん瘤だった籾井会長が2017年初頭に退任し、任期中、籾井に忖度して制作を止められていたであろう反日番組が夏の反戦特集として一気に公開された感がある。

インパール 戦慄の記録』
取材:今井徹 山内拓磨 保田憲男 梅本肇
ディレクター:新山賢治 笠井清史 新田義貴 小口拓朗
プロデューサー:水戸部麻里
制作統括:春原雄策 横井秀信 三村忠史
受賞:芸術祭優秀賞
備考:ディレクターの新山賢治はNHK理事、NHKエンタープライズ取締役を歴任した大物。伯父がインパールで戦死したことから、この番組を企画。どうりで再放送がやたらと多い。

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731部隊の真実 エリート医学者と人体実験
取材協力:常石敬一 秦郁彦
ディレクター:岡田朋敏、右田千代、田中雄一、酒井邦博
制作統括:西脇順一郎、福田和代

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放射能デマ番組を作って、抗議騒動になったことがある


樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇』
ディレクター:植松由登 大森健生 小木寛 田中雄一
プロデューサー:松岡大介
制作統括:天川恵美子 横井秀信

ディレクター:川原真衣 馬場卓也 田邉宏騎
制作統括:鶴谷邦顕 松島剛太 城光一

ディレクター:鈴木冬悠人
制作統括:内田俊一 古庄拓自
備考:良作

取材:森内貞雄 前田芳秀
制作統括:寺園慎一 松本卓臣
ディレクター:貴志謙介
備考:ドラマ仕立て

ディレクター:今理織 松岡哲平
制作統括:松木秀文
受賞:2017年度ギャラクシー賞優秀賞
備考:安倍総理の祖父・岸信介を悪く描いていると思いきや、ディレクターがしばき隊だった。

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今年春、しばき隊デモの常連だったことが判明
 

【2018年夏の反戦特集】

ディレクター:田中雄一 近松伴也 梅本肇
制作統括:西脇順一郎 横井秀信
備考:田中雄一ディレクターはロシア語の専門家。『731部隊』『樺太戦』も制作。

『祖父が見た戦場 ルソンの戦い』
取材・語り:小野文恵
ディレクター:阿部和弘 木下義浩 松田純
制作統括:板垣淑子 東口勝典
備考:フィリピンで戦死した小野文恵アナウンサーの祖父の足跡を追う番組。結局、どこで戦死したか分からず、企画倒れかと思いきや、何故か全く関係ないマニラでの集団レイプ事件に話をすり替える。結局、フィリピンで戦死した日本兵40万人は、強姦魔のレッテルを貼られて終わり。

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『船乗りたちの戦争:海に消えた6万人の命』
ディレクター:中川雄一郎 荒井直之 先崎壮
プロデューサー:阿部博史
制作統括:横井秀信 廣川潤
備考:軍に協力した民間船の犠牲者を描くが、終始、「協力を強要した日本軍が悪い」というトーン。そもそも、米軍はドイツを真似た無制限潜水艦作戦を実施したわけで、大西洋の戦いでは、それでドイツ海軍提督を戦犯容疑で裁こうとさえしたのに、そうした説明はなし。

『届かなかった手紙  時をこえた郵便配達』
ディレクター:駒井幹士(もとお) 松島紬 森田健司 宮脇壮行
制作統括:寺岡環 濱崎憲一
備考:『JAPANデビュー 第一回 アジアの“一等国”』で、インタビューした台湾人たちの証言を意図的に反日的な編集をし、訴訟騒動を引き起こした濱崎憲一が久しぶりに登場。

『悪魔の兵器はこうして誕生した 原爆・科学者たちの心の闇』
ディレクター:鈴木冬悠人
制作統括:内田俊一 古庄拓自
備考:良作。原爆を開発したロバート・オッペンハイマーの動機が良く分かる。

『戦火を駆け抜けた男たちのプレーボール』
ディレクター・編集:馬場晃
プロデューサー:二宮悟
制作統括:松永真一 島田雄介 広瀬涼二
備考:『JAPANデビュー 第一回 アジアの“一等国”』で、インタビューした台湾人たちの証言を意図的に反日的な編集をし、訴訟騒動を引き起こした島田雄介が久しぶりに登場。現場復帰作?

『“駅の子”の闘い 語り始めた戦災孤児』
ディレクター:中村光博
制作統括:東條充敏

『自由はこうして奪われた~治安維持法 10万人の記録~』 ETV特集
ディレクター:滝川一雅
制作統括:堀川篤志 塩田純
備考:治安維持法の対象は、日本国内の共産党員だけでなく、朝鮮独立運動家も含んでいた。朝鮮が絡むと、必ず塩田純が制作に関与している。

『隠されたトラウマ 精神障害兵士8000人の記録』 ETV特集
取材:本田昴輝 中川喬文
ディレクター・撮影:金本麻理子(椿プロ)
制作統括:塩田純 太田宏一
制作協力:椿プロ


【その他】 順不同

51年目の戦争責任』 1996年
キャスター:山本肇
編集:八角勝利 首藤実三
構成:菅野利美 平田恭佐 上田真理子 竹内俊輔
制作統括:佐藤幹夫

ノモンハン事件~60年目の真実』 1999年
ディレクター:鎌倉英也(多分)
備考:今年放送された最新版の『ノモンハン 責任なき戦争』より、遥かに客観的。

ハートネットTV:ブレイクスルーFile.63 “生きる”ってなんだ―元SEALDs 奥田愛基』 
2016年
ディレクター:林きよみ
プロデューサー:原一雄
制作統括:渡辺由裕
備考:奥田クン礼賛番組。かなりキモイ。

Love 1948-2018 ~多様な性をめぐる戦後史~』 ETV特集 2018年
ディレクター:笹井孝介 城秀樹
制作統括:小川康之 堀川篤志
備考:しばき隊のたまり場になっているという噂がある新宿3丁目のゲイバー『Tac's Knot』が登場する。

『日本の諜報 スクープ 最高機密ファイル』 2018年
ディレクター:高比良健吾 松田純
プロデューサー:中村直文
制作統括:小池幸太郎 板垣淑子
備考:CGには湯水のように金をかけているくせに、内容は古いスノーデンのネタ。政府の陰謀をデッチ上げて不安を煽る反政府プロパガンダ。北村内閣情報官を悪者に仕立て上げており、安倍政権のイメージダウンを図ることが目的だったとしか思えない。陰湿なBGMも不快。

『吉田茂と岸信介―自民党・保守二大潮流の系譜』 2015年
ディレクター:安井浩一郎
制作統括:岩崎努 増田剛

『日米安保50年 第一回 隠された米軍』 2010年
編集:松本哲夫
取材:大田宏
ディレクター:渡辺考 荒井拓
制作統括:増田秀樹 伊藤純

『丸山眞男と戦後日本 第一回 民主主義の発見』 ETV特集
構成:森博明 山口智也
制作統括:滝沢幸司

丸山眞男と戦後日本 第二回 永久革命としての民主主義
構成:山口智也 森博明 
制作統括:滝沢幸司 菊池正浩

『失われた大隊を救出せよ 米国日系人部隊 ”英雄” たちの真実』 BS1
ディレクター:笹川陽一郎 後藤遷也
制作統括:吉田宏徳 関英祐
制作協力:スローハンド
備考:日系人部隊をプロパガンダに悪用したルーズベルトの謀略。
『日系オランダ人 父を捜して 終わらない戦争』 2017年
ディレクター:金本麻理子(椿プロ)
プロデューサー:山口智也
制作統括:塩田純 太田宏一

 

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『フィリピン 絶望の市街戦 ~マニラ海軍防衛隊~』 2008年
ディレクター:金本麻理子(椿プロ)
プロデューサー:池田敏郎
制作統括:北川恵 大野了

『2万枚のネガに刻まれた戦争~"大東亜共栄圏"の実像~』 BS1 2016年
ディレクター:新田義貴 山田功次郎
制作統括:板垣淑子 西脇順一郎

『カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~』 2015年
ディレクター:岩田真治
制作統括:鶴谷邦顕

『密室の戦争 日本人捕虜の尋問録音』 2015年
ディレクター:片山厚志
制作統括:松本卓臣 高倉基也
『1972年"北京の五日間"こうして中国は日本と握手した』 BS1 2012年
ディレクター:藤井浩 鬼頭春樹
制作統括:堤啓介 紙屋聡 伴野智    
出演:林丹丹
受賞:ギャラクシー賞奨励賞
備考:日中国交回復礼賛番組。

総書記 遺された声~日中国交 45年目の秘史~』 2017年
ディレクター:佐藤祐介
制作統括:横井秀信 三村忠史
備考:日本の歴史教科書が書き換えられたと嘘の報道をした朝日新聞のせいで、親日的だった胡耀邦が失脚する過程を描く。

 

『認罪 中国・撫順戦犯管理所の6年』 2008年
ディレクター:中村豊(テムジン)
制作統括:堤啓介 矢島良彰(テムジン) 大門博也
受賞:2008年度ギャラクシー賞大賞
備考:収容所での洗脳を美化するような内容。テムジンは、中国専門の番組制作会社。TBS出身者が設立。

 

『ある文民警察官の死~カンボジアPKO 23年目の告白』 2016年
ディレクター:旗手啓介 松井大倫 新山賢治
制作統括:三村忠史
受賞:2016年度ギャラクシー賞大賞 早稲田ジャーナリズム大賞

 

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ディレクター:小柳ちひろ
制作統括:伊藤純 宮田興 矢島良彰(テムジン)
備考:五族協和という名の多文化共生が全く絵に描いた餅だったことを示す史実

『満蒙開拓団はこうして送られた 眠っていた関東軍将校の資料』 2006年
ディレクター:諏訪奏 後藤和子
制作統括:林新 山本篤

『告白~満蒙開拓団の女たち~』 ETV特集 2017年
ディレクター:川恵実 夫馬直実
制作統括:伊丹晃 増田秀樹 塩田純

忘れられた引き揚げ者~終戦直後・北朝鮮の日本人~』 ETV特集 2013年
ディレクター:山内太郎
制作統括:矢吹寿秀

 

ディレクター:中村直文
制作統括:藤木達弘


『その時 歴史が動いた 盧溝橋事件 運命の4日間』 2003年
編集:金澤由紀
取材:大野兼司
構成:斎藤圭介
制作統括:辻泰明 寺井友秀

ディレクター:鎌倉英也 宮本康宏
制作統括:塩田純 東野真
受賞:文化庁芸術祭大賞
備考:第二次上海事変が国民党軍によって引き起こされた事実を明示している点で画期的だが、その後の「南京大虐殺」描写で結局「日本が悪い」という論調になっている。

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「抑圧された側」とか「弱者」などのキーワードは、
メディアが中立公正報道の原則を逸脱する時に使う言い訳の常套句

 

『憎しみはこうして激化した 〜戦争とプロパガンダ〜』 2015年
ディレクター:伊藤王樹 五十嵐哲郎
制作統括:西脇順一郎 天川恵美子
備考:アメリカの戦時プロパガンダを描く。アメリカ映画『父親たちの星条旗』の二番煎じ。歴史家のジョン・ダワーが出演してしている

『原爆投下 10秒の衝撃』 1998年
取材:右田千代 児成剛 櫻井玲子 川本華子 清水芳雄 青柳由則
構成:沢田博史 村田英治
制作統括:柏瀬武 佐藤正行 新山賢治 川良浩和
受賞:文化庁芸術祭優秀賞科学放送賞(高柳賞)グランプリ ギャラクシー賞優秀賞

『原爆死 ヒロシマ 72年目の真実』 2017年
ディレクター:葛城豪 片山厚志
制作統括:樋口俊一 高倉基也 今井徹

『きのこ雲の下で何が起きていたのか』 2015年
ディレクター:葛城豪 夜久恭裕 
制作統括:右田千代 高倉基也

『封印された原爆報告書』 2010年
ディレクター:松本秀文 五十嵐哲郎
制作統括:春原雄策

決断なき原爆投下~米大統領 71年目の真実~』 2016年
ディレクター:葛城豪 花井利彦
制作統括:高倉基也

『幻の大戦果 台湾沖航空戦の真相』 2002年
取材:松岡文人
構成:富田満 濱崎憲一
制作統括:伊吹淳 辻泰明
受賞:放送文化基金賞

『零戦 ~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争~』 2013年
編集:佐藤公二 太田一生
ディレクター:遠藤俊太郎 大島隆之
取材:藤岡ひかり
制作統括:堤啓介 佐藤純 千葉聡史
備考:ドラマ仕立て

『戦艦武蔵の最期 映像解析 知られざる真実』 2016年
ディレクター:廣川潤 阿部博史 金森誠
制作統括:松本卓臣 坊恵一 今井徹
備考:武蔵が参加したレイテ作戦の概要説明はほとんどなく、恰も技術的な欠陥だけが原因で武蔵が沈んだかのように描く。陰惨な音楽が鬱陶しい。

ロシア革命 100年後の真実』 ETV 2017年
ディレクター:馬場朝子 吉峯美和
制作統括:塩田純

『非戦と平等を求めて 幸徳秋水と堺利彦』
リサーチャー:鈴木正徳 半田哲親
編集:西條文彦
ディレクター:大森淳郎
制作統轄:塩田純
備考:大逆事件と社会主義者。


『BC級戦犯 獄窓からの声』 ETV 2008年
ディレクター:大森淳郎 渡辺考
制作統括:塩田純
備考:朝鮮人戦犯の話。また、塩田純。

関東大震災と朝鮮人』 ETV特集 2017年
ディレクター:奥秋聡
プロデューサー:山口智也
制作統括:塩田純 堀川篤志
備考:朝日新聞の慰安婦問題報道訂正・謝罪後、在日の「犠牲者」カードに慰安婦問題が使えなくなったので、新たなカードとして、関東大震災の朝鮮人虐殺がメディアで喧伝されつつある中で、放送された番組。その後、NHKが番組で取り上げた中央防災会議報告書を朝日や毎日新聞が悪用し、朝鮮人犠牲者数を数千人に水増しする報道を行っている。


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アイヌらしく、人間らしく〜北海道150年 家族の肖像』 ETV特集 2018年
プロデューサー:米原尚志
ディレクター:中田実里 田代廣孝
制作統括:玉村徹 梅原勇樹
備考:眩暈がするほど酷い内容。台湾統治を悪魔化して訴訟騒動になった『JAPANデビュー アジアの一等国』を彷彿とさせる。NHKは無理やり民族対立を激化させたいらしい。

『基地で働き 基地と闘う~沖縄 上原康助の苦悩~』 ETV特集 2018年
資料提供:ジョン・ミッチェル(ジャーナリストを名乗る左翼活動家)
リサーチャー:松山果包 
編集:西條文彦
ディレクター:奥秋聡
制作統括:松木秀文 塩田純
備考:上原康助は沖縄選出国会議員(社会党→社民党→民主党)。

『“書きかえられた”沖縄戦〜国家と戦死者・知られざる記録〜』 ETV特集 2015年
ディレクター:小川海緒
制作統括:中村直文
受賞:2015年度ギャラクシー賞優秀賞

『沖縄戦全記録』 2015年
ディレクター:小川海緒 酒井有華子 成清洸太
制作統括:中村直文 佐藤稔彦 吉田好克

ペリーの告白~元米国防長官・沖縄への旅~』 ETV 2017年

ディレクター:石原大史
制作統括:鶴谷邦顕
受賞:ギャラクシー賞奨励賞
備考:ペリー元国防長官は、1994年の北朝鮮核開発危機において、戦争しない決断をしたことから、左翼メディアにチヤホヤされているが、その結果、北の核開発を野放しにし、今日の核危機を迎える元凶を作った。若い頃、兵士として沖縄に駐屯したことがあり、この番組では、シールズ沖縄・元山仁士郎らと面談している。


母たちの祈り~フクシマとチェルノブイリ~』 2017年
写真提供:広河隆一
取材協力:沖縄・球美の里
ディレクター:私市扶木子 浅野麻由
制作統括:荒谷紀子 綿山俊彦
備考:多くの女性にセックスを強要した鬼畜リベラル・広河隆一の虚像づくりに協力する結果となった番組。

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『あの日、僕らは戦場で~少年兵の告白~』 2015年
取材:西東大 小木寛
ディレクター:今理織 渡辺摩央
制作統括:佐藤稔彦 板垣淑子
備考:アニメ仕立て






NHKの反日ドキュメンタリーは誰が作っているのか?【前半】

2019-01-04 10:08:58 | 左翼メディア


 NHKが国民から強制徴収した受信料を湯水のように使って製作する歴史ドキュメンタリーの偏向ぶりにイライラしている人も多いだろう。日本人は真面目で規則に従順なので、「受信料なんてもう払わない!」とキレつつ、何やかんやで惰性のように払い続けているケースが多い。だが、NHKの反日番組は、英訳、中国語訳、韓国語訳をつけられ、海外で広く視聴されており、単に不愉快というレベルではなく、国益を大きく損なうことも懸念される。

 NHKが制作する歴史ドキュメンタリーの特徴は、日本軍の徹底的な悪魔化。先の戦争は軍部が全部悪い、国民やメディアは被害者、というGHQのプロパガンダ番組『真相はこうだ』から全く進歩していない。元NHKの池田信夫氏が指摘するように、戦勝国史観から逸脱することはタブーになっているので、敗戦国日本と軍部を悪く描くしかないのであろう。だが、勝者であるアメリカに対しても、原爆投下と都市への焼夷弾攻撃について、最近では戦争犯罪だと糾弾する番組を度々制作している。問題は、ソ連軍や中国国民党軍、八路軍を批判する番組がほとんどなく、朝鮮人を可哀想な「犠牲者」として祭り上げることが多い点。日本人を「被害者」として描く時は、日本軍か米軍が「加害者」のケースに限られ、ソ連、中国、朝鮮を「加害者」として描く番組はほとんどない。



 一体、誰がNHKで反日番組、偏向番組を作っているのか? ディレクターや制作統括者の名前は、NHKのホームページにも記載はなく、番組のエンドロールで確認するしかない。私は昨夏のNHK反戦特集を見て、NHKの最近の偏向ぶりに驚き、その後、ネットで手あたり次第に視聴しては、ディレクターと制作統括者の名前をメモしてきた。一覧にしてみると、誰がどんな番組を好んで制作しているか一目瞭然なので、参考までに公開したい。今後、酷い番組があったら、制作者の名前を確認し、このまとめで検索して、過去に作った番組をチェックすると良いでしょう。グーグルで動画検索すれば、視聴もできる。尚、ここに列記した制作者の中には、NHK正社員ではない、例えば制作会社社員やフリーも含まれる。

 無論、中には『映像の世紀』のように客観的な良作もあるのだが、それは海外の映像を使っているからで、NHKが独自にインタビューして作ったオリジナル番組ほど、街頭インタビューと同様、都合の良い発言だけをつまみ食いした勧善懲悪の、お涙頂戴な番組が多くなる。下記にリストアップした番組は、NHKスペシャルのみならず、ETV、BSも含んでいるが、一番視聴者が多いであろうNHKスペシャルほど、歴史に無知な視聴者を一定の方向に誘導しようとする意図が透けて見える。一方、ETVやBSは、視聴者がほとんどないせいか、かなりマニアックな番組が多く、中には偏向しているものの有益な素材、映像が見つかるケースもある。



ETV特集 シリーズ「日本と朝鮮半島2千年」 2009~10年

 日本と朝鮮半島の因縁の歴史を、韓国のトンデモ歴史ドラマを教材に使いながら、韓国側の主張に終始迎合する形で解説するシリーズ。2009年度ギャラクシー賞特別賞。芸術選奨文部科学大臣賞。

『日本と朝鮮半島 第一回 古代 人々は海峡を越えた』
リポーター:笛木優子
ディレクター:田容承 浜田裕造
制作統括:塩田純

 

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『日本と朝鮮半島 第二回 “任那日本府”の謎』
リポーター:比留間亮司
ディレクター:浜田裕造
制作統括:塩田純
備考:決定的な発見があったわけでもないのに、任那日本府の存在を否定したがる韓国側の主張を繰り返している。

 

『日本と朝鮮半島 第三回 仏教伝来 渡来人がもたらした飛鳥文化』
リポーター:笛木優子
ディレクター:田容承
制作統括:塩田純

 

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田容承(チョン・ヨンスン) (NHK社員ではない)
韓国ソウル出身 暴力事件で週刊誌沙汰になったことがあるらしい



『日本と朝鮮半島 第四回 白村江の敗戦から律令国家へ』
リポーター:大桃美代子
ディレクター:浜田裕造 荒井拓
制作統括:塩田純 増田秀樹

 

『日本と朝鮮半島 第五回 幻の王国・渤海との交流』
リポーター:杉浦友紀
ディレクター:荒井拓
制作統括:塩田純 増田秀樹

 

『日本と朝鮮半島 第六回 蒙古襲来の衝撃 三別抄と鎌倉幕府』
リポーター:笹部佳子
ディレクター:大野兼司
制作統括:増田秀樹

 

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『日本と朝鮮半島 第七回 東シナ海の光と影 倭寇の実像を探る』
リポーター:ユンソナ
ディレクター:田容承
制作統括:増田秀樹

 

『日本と朝鮮半島 第八回 豊臣秀吉の朝鮮侵略』
リポーター:大桃美代子
ディレクター:大島新
制作統括:増田秀樹 牧野望
備考:文禄・慶長の役を「朝鮮侵略」と表現するのもNHKならでは。だったら、「蒙古襲来」は「日本侵略」とすべきなのでは? そもそも、「倭寇」はそもまま「倭寇」を使っているくせに、「元寇」を使わず「蒙古襲来」と表現するのもバランスを欠いている。

 

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ディレクター:不明
制作統括:不明
備考:朝鮮通信使は、表向き日韓和解の象徴とされているが、これをフィーチャーする韓国側には、「先進国の朝鮮が後進国・日本に文化を教えてやった」などと喧伝することで、日韓併合の屈辱をそそぎ、国民に優越感を与える隠された狙いがある。そんな子供騙しに率先して協力するNHK。こんな発想で真の日韓友好や和解が実現するはずがない。

 

『日本と朝鮮半島 第十回 “脱亜”への道 江華島事件から日清戦争へ』
リポーター:大桃美代子
ディレクター:浜田裕造
制作統括:塩田純



【シリーズ「プロジェクトJAPAN」】 2009~12年

 保守派のファンが多い司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』をドラマ化するに際し、左翼の巣窟であるドキュメンタリー屋が反発し、「バランスをとるため」と称して反日的な内容の番組をカウンターとして量産したかのようなラインアップ(無論、推測)。中にはやり過ぎて炎上し、訴訟沙汰になった番組もある。『日本と朝鮮半島』シリーズの近代史部分も編入されている。

『プロジェクトJAPAN プロローグ』
ディレクター:鎌倉英也 柳沢晋二 橋本陽
制作統括:増田秀樹、河野伸洋、若宮敏彦 鳥本秀昭
備考:初代の国際司法裁判所所長になった外交官・安達峰一郎を描くまでは良かったが、途中から護憲洗脳番組に変身する。憲法9条はマッカーサーが日本政府に押しつけたものであることは広く知られているが、NHKは京都大学教授・山室信一の弁を借りて、9条の源流はハーグ平和会議とパリ不戦条約、国連憲章だと強弁する。アメリカ側は敗戦国に戦争放棄条項を押し付ける後ろめたさを隠す為に、いろいろと綺麗ごとや建前を並べるだろうが、本音は敗戦国・日本の弱体化。9条に関しては戦争狂・マーカーサーの鶴の一声であり、民間憲法草案も自由民権運動も全く関係ない。歴史を捏造するなと。

ディレクター:濱崎憲一、島田雄介 
制作統括:田辺雅泰、河野伸洋
備考:インタビューした台湾人たちの証言を意図的に反日的な編集をし、訴訟騒動になった。ディレクターの濱崎、島田両名は、その後、ドキュメンタリー番組で名前を見かけなくなる。最近、復活?

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『JAPANデビュー 第二回 天皇と憲法』
ディレクター:倉迫啓司 
制作統括:林新、河野伸洋 若宮敏彦

ディレクター:小林竜夫 小倉洋平
制作統括:増田秀樹 河野伸洋
備考:良作

ディレクター:宮本康宏 三須田紀子
制作統括:林新 河野伸洋
備考:良作

『第0次世界大戦-日露戦争・渦巻いた列強の思惑-』
ディレクター:大島隆之
制作統括:鳥谷部寛巳 田辺雅泰
『日本と朝鮮半島 第一回 韓国併合への道 伊藤博文とアン・ジュングン』
ディレクター:宮本康宏 で大野兼司
制作統括:塩田純 河野伸洋

 

『日本と朝鮮半島 第二回 三・一独立運動と親日派』
ディレクター:倉迫啓司 生田寛
制作統括:相場章 河野伸洋

 

『日本と朝鮮半島 第三回 戦争に動員された人々 -皇民化政策の時代-』
ディレクター:川口司
制作統括:塩田純 河野伸洋

 

ディレクター:不明
制作統括:不明
備考:シリーズを通じて、韓国寄りで日本を糾弾する内容だが、戦後、在日朝鮮人が共産党と組んで暴れまわり、兵庫県庁に乱入する事件(阪神教育闘争)を引き起こした結果、文部省に朝鮮学校を認めさせる過程が描かれており、資料的に貴重。

 

『日本と朝鮮半島 第五回 日韓関係はこうして築かれた』
ディレクター:浜田裕造 田容承
制作統括:塩田純 河野伸洋



【憲法特集】

 戦前、実質的に国営放送として戦争を煽りまくった日本放送協会は、戦後、GHQ統治下で公共放送NHKとして再スタートした。NHKの元理事・下川雅也は、NHKを『戦後の理想の時代が生んだすばらしい存在』だと豪語している。NHKの歴史ドキュメンタリーを見ていると、戦勝国アメリカを解放軍と崇め、虎の威を借りる狐の如く、戦勝国ヅラして日本人に説教するのがパターンになっている。GHQが去った後も、GHQの残滓「憲法」「放送法」「教育基本法」の3つを死守することこそがNHKの使命だと密かに誓っているかのようだ(ところが、沖縄基地問題になると、突然、米軍は悪に転じるのだが)。

 NHKは憲法関連の番組を数多く執拗に制作しているが、その大部分は護憲のために視聴者を誘導する番組であり、自衛隊合憲化を悲願とする自衛隊員の視点で作った番組や、国防の観点から改憲の必要性を説く番組は皆無である。日本国憲法を神聖化するべく、その制定過程を美化し、ほとんど歴史修正的な手法を使っているケースも多い。憲法問題のように国論を二分する重要な問題において、公共放送が一方に偏った番組ばかり作っている状況は、電波の私物化、受信料泥棒と誹られても仕方ないだろう。護憲番組の制作者たちは、日本軍を悪魔化する番組にも名前を連ねていることが多い。

『日本国憲法誕生』 2007年
ディレクター:寺西浩太郎 山口智也
制作統括:塩田純


焼け跡から生まれた憲法草案』 ETV特集 2007年

ディレクター:山口智也
制作統括:塩田純
備考:ハーバート・ノーマンと鈴木安蔵の密会シーンをドラマで再現。

 

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痴漢行為で現行犯逮捕されたことがある



『自衛隊と憲法 日米の攻防』 2013年
ディレクター:佐野剛士
統括:笠間毅 三村忠史

『日本人と象徴天皇 第一回 ”戦後“はこうして誕生した』 2015年
ディレクター:天野直幸 細田直樹 橋本陽
統括:林新 松本秀文 東野真

『日本人と象徴天皇 第二回 平和を願い続けて』 2015年
ディレクター:天野直幸 細田直樹 橋本陽
統括:林新 松本秀文 東野真

『憲法70年 平和国家はこうして生まれた』 2017年
ディレクター:梅原勇樹
制作統括:塩田純
備考:ドラマ仕立て

『日本国憲法 70年の潮流~その時、人々は~』 2017年
ディレクター:小口拓朗 淡浪里彩 梅本肇
プロデューサー:小池幸太郎
統括:三村忠史 山崎真一 大河内直人
備考:改憲派=日本会議、護憲派=シールズ、みたいな単純な色分けをしている。

 

ディレクター:安井浩一郎 板橋俊輔
制作統括:三村忠志 大河内直人 矢野良知
備考:露骨な護憲洗脳番組。「押しつけられた憲法」のイメージ払しょくのため、ウソに塗れた屁理屈を駆使している。

 

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『海上自衛隊はこうして生まれた 全容を明かす機密文書』 2002年
編集:久世賢
構成:右田千代
制作統括:本保晃 藤木達弘
備考:海上自衛隊は、旧海軍軍人たちが作った、憲法違反だぁ、と言いたげな内容。



【シリーズ「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」】 2011年

『第一回 "外交敗戦"孤立への道』
ディレクター:内藤誠吾
制作統括:角英夫

 

『第二回 巨大組織"陸軍" 暴走のメカニズム』
ディレクター:相沢孝義
制作統括:角英夫

 

ディレクター:伊川義和
制作統括:角英夫
備考:メディアの戦争責任に焦点を当てた唯一の番組。良作。

 

『第四回 開戦・リーダーたちの迷走』
ディレクター:内藤誠吾
制作統括:角英夫

『戦中編 果てしなき戦線拡大の悲劇』
ディレクター:不明
制作統括:不明



【シリーズ「映像の世紀」】 1995~96年

 ロングランの名シリーズ。海外の映像を使い、海外の歴史を描く時は、NHKも客観的な番組を作れる証左。ところが、日本が話題になると、途端に戦前全否定の勧善懲悪的な内容になってしまうNHK。「映像の世紀」の客観的なスタンスで日本も扱って欲しいもの。

 

『第一集 20世紀の幕開け~カメラは歴史の断片をとらえ始めた~』
編集:森谷稔 舟喜恵理
構成:遠所尚志
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第二集 大量殺戮の完成~塹壕の兵士たちは凄まじい兵器の出現を見た~』
編集:金田一成 尾崎孝史 舟喜恵理
構成:内山達
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第三集 それはマンハッタンから始まった~噴き出した大衆社会の欲望が時代を動かした~』
編集:森谷稔 舟喜恵理
構成:遠所尚志
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第四集 ヒトラーの野望~人々は民族の復興を掲げたナチス・ドイツに未来を託した~』
編集:金田一成 尾崎孝史 舟喜恵理
構成:内山達
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第五集 世界は地獄を見た~無差別爆撃、ホロコースト、そして原爆~』
編集:森谷稔 舟喜恵理 氏居早苗
構成:辻泰明
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第六集 独立の旗の下に~祖国統一に向けて、アジアは苦難の道を歩んだ~』
編集:金田一成 尾崎孝史 舟喜恵理
取材:稲川英二
構成:大和啓介 田沼美香
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第七集 勝者の世界分割~東西の冷戦はヤルタ会談から始まった~』
編集:森谷稔 舟喜恵理 氏居早苗
構成:辻泰明
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第八集 恐怖の中の平和~東西の首脳は最終兵器・核を背負って対峙した~』
編集:鈴木和弥 舟喜恵理 田村愛
構成:堤啓介
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第九集 ベトナムの衝撃~アメリカ社会が揺らぎ始めた~』
編集:鈴木和弥 舟喜恵理 田村愛 尾崎孝史
構成:堤啓介
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第十集 民族の悲劇果てしなく~絶え間ない戦火、さまよう民の慟哭があった~』
編集:森本光則 氏居早苗 舟喜恵理 
取材:稲川英二 
構成:大和啓介
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫

 

『第十一集 JAPAN~世界が見た明治・大正・昭和~』
編集:森本光則 氏居早苗 舟喜恵理
構成:内山達 田沼美香
制作統括:河本哲也 柴田伸明 小笠原昌夫



【シリーズ「新・映像の世紀」】 2015~16年

 

『第一集 第一次世界大戦・百年の悲劇はここから始まった』
編集:金田一成 日高隆志 舟喜恵理
取材:池上敦子 高島かづき
ディレクター:貴志謙介
制作統括:寺園慎一 遠所尚志

 

『第二集 超大国アメリカの出現・グレートファミリー 新たな支配者』
編集:森本光則 日高隆志 舟喜恵理
ディレクター:春日真人
制作統括:寺園慎一 遠所尚志
備考:良作

 

『第三集 第二次世界大戦・時代は独裁者を求めた』
編集:梅本京平 日高隆志 舟喜恵理
取材:羽山夏子
ディレクター:伊川義和
制作統括:伊藤純 寺園慎一 遠所尚志 

 

編集:金田一成 日高隆志 舟喜恵理
ディレクター:貴志謙介 高島かづき
制作統括:寺園慎一 遠所尚志
備考:良作

 

『第五集 激動の1960年代・若者の反乱が世界に連鎖した』
編集:森本光則 日高隆志 舟喜恵理
取材:桂ゆりこ 池上敦子 難波紘子
ディレクター:春日真人
制作統括:寺園慎一 遠所尚志

 

『第六集 21世紀の潮流・あなたのワンカットが世界を変える』
編集:梅本京平 日高隆志 舟喜恵理
取材:池上敦子 小林希 佐々木愛実
ディレクター:伊川義和 羽山夏子
制作統括:寺園慎一 遠所尚志 伊藤純



【シリーズ「映像の世紀プレミアム」】 2016年~

『映像の世紀 第一回 世界を震わせた芸術家たち』

ディレクター:羽山夏子
制作統括:寺園慎一 伊川義和


『映像の世紀 第二回 戦争 科学者たちの罪と勇気』

編集:梅本京平
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:羽山夏子
制作統括:寺園慎一 伊川義和

『映像の世紀 第三回 世界を変えた女たち』
ディレクター:後藤遷也 
制作統括:寺園慎一 伊川義和

 

『映像の世紀 第四回 英雄たちの栄光と悲劇』
ディレクター:貴志謙介 高島かづき
制作統括:寺園慎一 遠所尚志


映像の世紀 第五回 グレートファミリー 巨大財閥の100年

編集:日高隆志
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:前田亜起
制作統括:寺園慎一 伊川義和
備考:良作

 

映像の世紀 第六回 アジア 自由への戦い
編集:日高隆志
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:橋本陽
制作統括:寺園慎一 伊川義和

 

『映像の世紀 第七回 極限への挑戦者たち』
編集:日高隆志
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:後藤遷也 
制作統括:寺園慎一 伊川義和

 

編集:日高隆志
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:根来由紀子
制作統括:寺園慎一 伊川義和
備考:米西戦争を煽った新聞王ハーストをフェイクニュースだと非難するなら、フェイクニュース紛いの親中反日報道で日米戦争の原因を作った雑誌「ライフ」「タイム」のオーナー、ヘンリー・ルースも批判するべきだが、それはない。何故なら、第二次大戦は「良い戦争」だから。近代の戦争の多くが、メディアによって引き起こされた。ハーストだけがフェイクニュースだったわけではない。

 

『映像の世紀 第九回 独裁者3人の狂気』
編集:日高隆志
取材:池上敦子 藤澤哲
ディレクター:大島隆之
制作統括:寺園慎一 伊川義和

『映像の世紀 第十回 難民 希望への旅路』
ディレクター:後藤遷也 
制作統括:寺園慎一 伊川義和


【ETV特集 NHKラジオの歴史】
 戦前、戦中、敗戦後に日本放送協会が果たした役割を解き明かす。

構成:太田宏一 茂原雄二 野村優夫
制作統括:安斉尚志 伊藤純 塩田純
制作協力:スローハンド
備考:朝鮮人特攻隊員の遺族へのインタビューにかなり時間を割いている。

 

『戦争とラジオ 第一回 放送は国民に何を伝えたのか』 2009年
ディレクター:大森淳郎
制作統括:塩田純

 

『戦争とラジオ 第二回 日米電波戦争』 2009年
ディレクター:渡辺考
制作統括:塩田純
備考:戦争中、NHKが対敵宣伝放送や謀略放送に関与していたことを示す貴重な記録

 

ディレクター:大森淳郎
制作統括:増田秀樹 原由美子(放送文化研究所)

備考:敗戦後、GHQの走狗と化し、喜々として日本政府叩きに興じるNHK職員・丸山鉄雄(著名な政治学者・丸山眞男の兄)の姿を描く。


【ドキュメント太平洋戦争】 1992~93年


 日米戦争初戦の勝った戦闘は全部省き、後半の負け戦のみを特集。日本軍を徹底的に悪魔化し、貶める元祖のような番組で、最近放送された『インパール』や『ノモンハン』の原型になっていると思われる。シリーズの終わりで山本肇キャスターが、『終戦の日は国民が軍の圧政から解放された日』『日本の軍部を打ち砕いたのは、ソ連参戦や原爆。強い外圧がないと変れないのは、今も同じ』『日本人はちゃんと反省してない』などと発言。小山和伸教授らは、国会議員のためにこのシリーズの視聴会を開き、国会でNHKの偏向放送を糾弾しようとしたが、選挙におけるNHKの影響力の強さに怯える議員たちは、なかなか重い腰を上げようとしないのが実情。

 

『第一集 大日本帝国のアキレス腱 太平洋シーレーン作戦』
キャスター:山本肇
編集:吉岡雅春 舟喜理恵
構成:正野元也
制作:中田整一 橋本裕次 小笠原昌夫

 

『第二集 敵を知らず己を知らず ガダルカナル』
編集:吉岡雅春 舟喜理恵
構成:橋本裕次 田口京実
制作:中田整一 小笠原昌夫
備考:参謀・辻政信批判つながりでノモンハンにも言及

 

『第三集 エレクトロニクスが戦を制す マリアナ・サイパン』
編集:吉岡雅春 舟喜理恵
構成:箕輪貴
制作:中田整一 橋本裕次 小笠原昌夫

 

『第四集 責任なき戦場 ビルマ・インパール』
編集:吉岡雅春 舟喜理恵
取材:箕輪貴
リサーチャー:辛理華
構成:林新
制作統括:中田整一 橋本裕次 小笠原昌夫
受賞:ギャラクシー賞奨励賞
備考
:インド国民軍にも言及している。

 

『第五集 踏みにじられた南の島 レイテ・フィリピン』
編集:編集:吉岡雅春 舟喜理恵
取材:正野元也
構成:山下信久
制作統括:中田整一 橋本裕次 小笠原昌夫
備考:米軍勝利後、アメリカがフィリピンを事実上の経済植民地にしてしまった経緯も描いている。

 

編集:吉岡雅春 舟喜理恵
取材:佐藤智恵
リサーチャー:吉見直人
構成:堤啓介
制作統括:中田整一 橋本裕次 小笠原昌夫



【日本海軍400時間の証言】 2009年

 旧海軍軍人たちが集まって敗戦原因を議論した「海軍反省会」の音声テープを基に制作された三回シリーズ。不可解なのは、数々の海戦に関する旧軍人たちの回想や反省が全く登場しないこと。NHKは旧海軍の再評価に繋がりかねない作戦分析には目もくれず、戦争犯罪などネガティブな発言部分のみ偏執的に掘り起こして番組を制作した模様。戦死した軍人たちが浮かばれない。

『第一回 開戦“海軍あって国家なし”』 
取材:右田千代 内山拓 吉田好克
ディレクター:横井秀信
制作統括:高山仁 藤木達弘

 

『第二回 特攻・やましき沈黙』
取材:吉田好克 横井秀信 内山拓
ディレクター:右田千代 黛岳郎
制作統括:藤木達弘 高山仁

 

『第三回 戦犯裁判 第二の戦争』
取材:右田千代 横井秀信 吉田好克
ディレクター:内山拓
制作統括:藤木達弘 高山仁



【アナザーストーリーズ 運命の分岐点】

 NHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組。制作は、スローハンドやテレビマンユニオンなど、外部の制作会社に委託している模様。BSのドキュメンタリー番組が高い視聴率を稼げるとは思えないが、MCに真木よう子、沢尻エリカ、松嶋菜々子など有名女優を起用できるのは、受信料を湯水のように使えるNHKならでは。韓国寄りの偏向番組を度々やっている。

“冬のソナタ”が起こした奇跡 韓流ブームの発火点』 2016年
取材:池田さやか
ディレクター:茂原雄二
プロデューサー:伊豆田知子(スローハンド)
制作統括:久保健一 大隅直樹
制作協力:スローハンド
備考:「韓流ブームが日本人女性たちに生きる力まで与えている」だそうだ。やれやれ。単なる韓流バンザイではなく、金大中礼賛番組になっている。

誕生!日本国憲法 焼け跡に秘められた3つのドラマ』 2017年
取材:西村勝浩 葛谷朱美 
編集:大川義弘
ディレクター:池田一葵 田中直人
プロデューサー:宮崎和子
制作統括:吉田卓哉 大隅直樹
制作協力:テレビマンユニオン
備考:憲法美化の極致。子供向け洗脳番組。

外国人から見た3.11~あの時、世界はどう動いたか?』 2018年
ディレクター:佐藤憲正 田中直人
プロデューサー:高城朝子
制作統括:久保健一 大隅直樹
制作協力:テレビマンユニオン
備考:歴史問題で日本への誹謗中傷報道を繰り返すディビッド・マクニール記者を、「命をかけて被災地を報道した勇気あるジャーナリスト」として描いている。マクニールはNHKワールドで働いたことがあるので、そのコネか。

その時、市民は軍と闘った 韓国の夜明け 光州事件』 2018年
ディレクター:田容承 
プロデューサー:伊豆田知子(スローハンド)
制作統括:久保健一 大隅直樹
制作協力:スローハンド
備考:韓国の左翼暴力デモ礼賛番組。日本の左翼弁護士団体が、ディレクターの田容承を招いてトークイベントを開催し、この番組を左翼運動の教材のように使っていた。

ベトナム戦争 写真の中の少女』 2018年
ディレクター:山田和也
プロデューサー:伊豆田知子(スローハンド)
制作統括:堂垣彰久 大隅直樹
制作協力:スローハンド
備考:アメリカ「反権力」メディア礼賛。

『パク・クネ 弾劾の舞台裏』 2018年
編集:大川義弘
取材:成田和樹
ディレクター:李受娟
プロデューサー:西山亮 堂垣彰久
制作統括:久保健一 斎藤倫雄
制作協力:東北新社
備考:韓国「反権力」メディアとデモの礼賛。

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『ホワイトハウスの陰謀~ウォーターゲート事件 46年目の真実』 2018年
編集:富山信章 
リサーチャー:池田さやか
取材:佐藤寛朗
ディレクター:遠藤史朗
プロデューサー:伊豆田知子(スローハンド)
制作統括:久保健一 斎藤倫雄
制作協力:スローハンド
備考:また、メディアが政治権力を倒す話。これだけ連続すると、裏の意図を疑わざるをえない。スローハンドの伊豆田知子が関わると、この種のネタばかり。

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『ゆとり教育〜戦後最大の教育改革〜』 2018年
リサーチャー:池田さやか
取材:池田光輝
ディレクター:谷本庄平 宇都浩一郎
プロデューサー:高城朝子 三浦尚
制作統括:久保健一 斎藤倫雄
制作協力:テレビマンユニオン
備考:ゆとり教育とその中心人物だった元文科省役人・寺脇研を礼賛する番組。不祥事続きの文科省を持ち上げる様な番組を、何故今、放送するのか。とても違和感。しかも、寺脇は天下り援交役人の前川喜平と組んで安倍政権叩きをやっている人物。

【後半に続く】

 


【徹底検証】『ノモンハン・責任なき戦い』とNHKの責任

2019-01-04 10:07:20 | 左翼メディア



 毎夏恒例、 NHKスペシャルでの旧日本軍誹謗中傷特集。今年の目玉は『ノモンハン』。昨年は、『インパール』と『731部隊』『樺太戦』だった。相変わらず、陰惨なBGMと恨みがましいナレーション。『ノモンハン』での悪玉は辻政信少佐で、まるでオカルトのような絵を使って印象操作をしている。ヴォルデモート卿かヘルレイザーのようなイメージ。歴史背景や戦闘の詳細に関する客観的な説明は少なく、『敗北』『過小評価』『責任』という3つの単語を只管、連呼して断罪する。こうした番組の場合、視聴者は二派に真っ二つに分かれる。日本軍の悪逆非道ぶりを再確認できて大喜びし、安倍政権に日本軍のイメージを重ね合わせ、護憲を誓うタイプと、いい加減にウンザリしてNHKへの不信感を深め、受信料支払いを拒否しようと心に決めるタイプ。この二つのタイプ以外は、多分、見ない。そんな番組である。

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 国民から受信料を強制徴収しているNHKが、このように偏向した政治的メッセージを含むドキュメンタリーを量産し続けることは問題なのではないか。NHKの問題を考える意味で、番組内容を検証してみたい。当番組では冒頭、NHKが日本軍の問題点を列挙し、大きなキャプションをつけて映し出しているので、これを一つ一つ検証していく。


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1.「敗北」を連呼するNHK 実際はどうだったのか?

 ノモンハンは、ソ連が自軍の損害を秘匿して「大勝利」を喧伝してきたことに加え、戦後、日本国内で軍部への偏見と憎しみが重なり、恰も日本が大敗北を喫したかのように説明されてきた。共産国家・ソ連に対する左翼知識人の盲目的な憧憬もソ連「大勝利」説に拍車をかけた。だが、ソ連崩壊後、ソ連側から新たな資料が発見され、ソ連軍の被害規模が予想以上に大きかったことも判明したことから、評価の見直しが進んでいる。ところが、ソ連崩壊から既に30年近く経過しているにも拘わらず、NHKが今さら日本軍「大敗北」を高らかに連呼するのには驚いた。『ソビエト側の死傷者は2万5千人。日本軍は2万人』と番組で新しい数字にこっそり言及しているというのに。数と装備で遥かに上回る相手と戦い、より大きな損害を与えたのだから、関東軍の健闘を称えても良さそうななものだが、NHKは只管「敗北」という言葉を連呼し、日本軍を断罪する。

 日本が敗北したと断定する根拠として、戦後の国境線がソ連・モンゴル側の主張する通りになったからだと主張する人がいるが、これは事実に反する。駐ロシア大使・東郷重徳がソ連の外務大臣モロトフと粘り強く交渉した結果、「双方とも現在占拠している線で停戦」で妥協が図られている。これは、ソ連の大攻勢と日本軍の撤退によって失った領土がある一方、日本軍が占拠したハンダガヤ - アルシャン地区について日本軍占領を既成事実化することを意味し、実質的にほぼ対等な条件となっている。ソ連は、ノモンハン事件の最中の1939年8月23日、ドイツと独ソ不可侵条約を締結し、日本との停戦協定が成立した直後の9月17日、ドイツと共にポーランド侵攻を開始している。ポーランドやバルト三国、フィンランドへの大規模な侵攻を企図している最中、満州国境で発生した日本との武力紛争は、ソ連にとって極めて都合が悪く、西部戦線での予行演習をかねて、東部へ大部隊を派遣し、日本に一撃を加えた後、速やかに国境の安定を図りたい意図があったと思われる。もし、関東軍が予定していた新たな大反攻計画を東京の参謀本部が潰していなかったならば、ソ連は東西二正面作戦を強いられることになったわけで、日本との停戦協定はソ連側にとっても渡りに船だった。大規模な国境紛争が発生したことで、日ソ共に大損害を被り、互いの力量を改めて認識しあった結果、日本がアメリカに降伏するまでの数年間、日ソ間の国境紛争はほとんど起こらなくなった。大草原の一部領土の喪失をもって「敗北」を連呼するのは、単に日本軍を罵倒したい意図がミエミエでナンセンスである。


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2.日本軍の「貧弱な装備」 実際はどうだったのか?
 
 NHKが名指しする「貧弱な装備」とは、具体的には三八式歩兵銃と戦車の有無を指す。ノモンハン事件では、空中戦も特筆すべき特徴だったのだが、こちらでは日本軍の方が有利だったせいか、NHKは完全に無視している。陸軍の具体的な装備状況と各国比較については、ミリタリー・マニアに任せるとして(コメント欄にお書き下さい)、興味深いのは、僅かな国防費増加だけでも目くじらを立てるNHKが、国境紛争に際して、日本の「貧弱な装備」を非難していることである。日本陸軍の装備が貧弱だったのは、軍部の怠慢というより、予算が足らなかったから。当時の日本は貧乏国家であり、貧弱な装備を工夫して戦うより仕方がなかった。NHKは、ベトコンが米軍より貧弱な装備で戦ったことを非難するんだろうか? 貧弱な装備しかない国家は、隣国の国境侵犯に対し、何もせずに尻尾を巻いて逃げろと言うのであろうか? 現在、尖閣で中国との領土紛争が深刻化しつつあるが、中国の海警局がどんどん戦力を強化しているのに対し、日本の海上保安部は完全に後れを取っている。もし、紛争が発生した場合、例え「貧弱な装備」であっても、海保は中国船に毅然とした対応をとらなければならない。NHKの「貧弱な装備」批判は、敗者を悪者にして、批判のための批判をやっているに過ぎない。


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3.「敵を知らず己を知らず」 ソ連の情報収集能力
 
 NHKは、日本軍がソ連側の大攻勢を事前に察知することができず、「敵を過小評価した」と非難する。それは確かにその通りである。ソ連がスパイのリヒャルト・ゾルゲを東京に送り込み、アグレッシブに情報収集をしていたのに対し、日本側の諜報活動は全くお粗末なもので、ソ連にやられっぱなしだった。独ソ不可侵条約も察知できず、外交に窮した平沼内閣は総辞職する有様。三国軍事同盟の同盟国、ドイツにも騙され、独ソ戦も寝耳に水。ソ連がアメリカ国内に巨大なスパイ網を構築し、単に情報収集するのみならず、ルーベルト政権の政策にまで影響を与えていたことや、アメリカが日本の外交・軍事暗号を解読し、手の内を全て知っていたことと比較すると、日本は負けるべくして負けた、としか言いようがない。

 ノモンハン事件は国境紛争である。現在、中国と深刻な領土紛争を抱えてる現代の我々にとっては、他人事ではない。日本がノモンハン事件や第二次世界大戦から教訓を得るとすれば、それは、情報収集能力の拡充こそ国防の要だということ。だが、もし、日本政府が米ロ並みの強力な情報機関を設立しようとしたならば、NHKは絶対に反対するはずである。片や、旧日本軍の情報収集能力の低さを罵倒し、片や、情報機関の設立に反対する。そこに矛盾はない。何故なら、戦前の日本軍を罵倒したい心理は、戦後の平和主義からきており、軍隊だけでなく諜報活動もダメ、兎に角、平和へいわーと唱えていれさえすれば平和になるというお花畑な発想に基づいているからだ。「敵を知らず己を知らず」どころか、軍事や諜報の全てについて知りたくない、知らせない、触らぬ神に祟りなし、という発想で、果たして日本国民の生命と財産を守ることができるのか。そうした問題にNHKは全く頓着していない。


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4.「責任」の問題 自決の強要と辻政信少佐の処分

 NHKは、昭和天皇が越境爆撃に激怒し、関東軍司令官・植田謙吉大将を処分するよう示唆したのに、陸軍がこれを無視したかのように描いているが、これも事実に反する。ノモンハン事件後、植田をはじめ、関東軍幹部の多くが解任され、予備役にされている。参謀本部作戦課長の稲田正純大佐が、好戦的な作戦を強行した辻政信少佐を更迭しようとするシーンがあるが、そもそも、関東軍司令官の責任を、一少佐に被せる方が異常であり、組織としてトップの責任問題と、辻への処罰は別問題である。確かに辻は、独断専行癖の強い強烈な個性を持つ軍人で、太平洋戦争では強引で無謀な用兵も少なくなく、毀誉褒貶相半ばする。だが、1939年の時点では、まだ前途ある中堅将校。その将来を潰してしまうか否かは判断が分かれるところだろう。辻は予備役入り寸前でクビの皮一枚繋がり、左遷された後、シンガポール攻略戦で活躍した。陸軍大臣の板垣征四郎ら上層部は辻の才を評価していたのであって、かつて上司部下の関係があったからという「情実」と依怙贔屓だけで辻を庇ったというのは、NHKの邪推に過ぎない。

 問題となった「満ソ国境紛争処理要綱」を辻が起草したことをNHKは問題視しているが、同要綱は関東軍上層部が事実上承認している。辻が書いたからと言って、一少佐に過ぎない起草者に全責任を押し付けるなんて組織のあり方としておかしい。辻の息子までカメラの前で晒し者にするやり方は、『インパール』や『731部隊』の時と同じで、全く悪趣味としかいいようがない。辻は、無気力で責任を回避することだけに長けたズル賢い役人タイプではない。寧ろ、辻を更迭しようとした稲田大佐の方こそ、後の日米戦ではニューギニアに兵を置き去りにしたまま自分だけ脱出するような卑怯な行為をして処分されるなど、典型的なお役人気質といえるだろう。


 
 NHKは、辻が現場指揮官の井置中佐に責任が押しつけて自決を強要したかのように描いているが、これもおかしい。ノモンハン事件で多数の兵を死傷させた組織としての責任と、敵前逃亡・無断撤退をした現場指揮官の責任問題は、全く次元の異なる話である。どんな軍隊であれ、戦闘中、上官の許可なく撤退するようなことをすれば、軍法会議で処罰される。戦後の平和ボケした視聴者には、そうした軍隊の厳しい掟が理解できないのをいいことに、NHKは家族の証言映像などを使って、情緒的に日本軍の極悪非道さを喧伝しているわけだ。

 井置中佐への自決強要を見て、映画『スターリングラード』(Enemy at the Gates)を思い出した。陥落寸前のスターリングラードの指揮を担ったニキータ・フルシチョフが、綱紀粛正のため、劣勢の言い訳を「貧弱な装備」のせいにする将軍にピストルを渡し、自決を強要するシーン。敵前逃亡や捕虜になった軍人への処置は、ソ連軍の方が遥かに厳しかった。戦場での銃殺刑も多く、日本軍の捕虜になったソ連兵の中には、強制収容所送りになった者もいる。独ソ戦では、ドイツ軍の捕虜になったスターリンの息子も、父親に見捨てられて自殺している。日本はそんな軍隊と互角に戦っていたのである。平和ボケした現代の価値観で批判するのは無意味であろう。


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5.「責任」の取り方 NHKのケース
 
 NHKスペシャル『ノモンハン』のエンディング。陰鬱なBGMをバックに、おどろおどろしい声のナレーションで締めくくられる。『79年前、モンゴルの草原で散った無数の命。責任とは何か。組織とは何か。ノモンハンに刻まれた塹壕は、今も私たちにその問いを発し続けています』。これだけ偉そうな啖呵を切るなら、NHKという組織の責任のとり方について考察してみたい。



 この番組の制作統括を担当した西脇順一郎は、2011年に「追跡!真相ファイル:低線量被ばく」という番組で捏造騒動を起こしている。元NHK職員の池田信夫氏が事実の捏造を指摘(『BPOはNHKの捏造を調査せよ』)し、原子力関係者110名がNHK会長と西脇に抗議文を提出する騒ぎになった(『不安煽る番組作りに抗議 NHK 低線量被ばく特集 ICRPも問題視』)。この抗議に対しNHK側が不誠実な対応で終始したため、BPOに審議要求するも、BPOはNHKに忖度したのか審議拒否。結局、「NHK相手に裁判など不可能なので諦めるしかない」ということで有耶無耶にされてしまった(『「NHK低線量被ばく問題報道番組への抗議顛末』)。 

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 この西脇順一郎は、昨夏に放送された『731部隊』の制作にも関わっている。同じように陰鬱なBGM。鉄条網とレールを組み合わせた映像は、明らかにアウシュビッツをイメージするように作っている。ソ連に抑留された軍人、医学者たちが、人権を無視した環境で「証言」させられる映像を、恰も決定的な証拠であるかのように流し、その家族までカメラの前で晒し者にした。見るに堪えない番組だった。

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 軍人に戦争責任を問うのであれば、メディアは放送内容に責任を取らなければならない。だが、現実には、メディアはどんな捏造報道、偏向報道をやらかしても、その責任を問われることがない。朝日新聞による慰安婦強制連行捏造報道では、社長が辞任したものの、国民が朝日を訴えた裁判は敗訴している。NHKスペシャル『JAPANデビュー・アジアの一等国』も、捏造問題で大騒ぎになったが、NHKに対する訴訟は敗訴。「報道の自由」を錦の御旗にして、日本を叩く番組を作る限り、何でも許されてしまう。これが、他国や他民族批判となると、「ヘイト」のレッテル貼りであっという間に潰されてしまうにも拘わらず。それを良いことに、NHKは放送内容に責任をとる義務も責任感もないまま、好きなように日本軍誹謗中傷番組を作り続ける。公共放送の名の下に、国民から強制徴収した受信料を湯水のように使いながら。

 『ノモンハン』では、日本軍の無能、無責任ぶりを太平洋戦争と結び付けて非難しているが、満州事変以降、軍部の独断専行を支持し、国際連盟脱退を声高に主張したのは新聞だった。日本放送協会(NHK)のラジオも、軍部の広報役を担って、戦争を煽りまくった。軍人に敗戦責任を問うのであれば、それに加担したメディアもその責任の一端を担うべきだったが、メディアへの処罰は全く行われず、敗戦後は、日本を統治したGHQの報道統制に唯々諾々と従い、戦前と真逆なプロパガンダ報道を行っている。そして、メディアも軍部による情報統制の犠牲者だったかのような嘘を撒き散らしてきた。


6.最後に

 勝てば「英雄」だとチヤホヤし、負ければボロクソに叩きまくる。水に落ちた犬を叩くかの如く、毎年毎年、何度も何度も話を変えては日本軍への誹謗中傷を繰り返すNHK。死人に口なし、といった態度で死者に鞭打つ放送は、いい加減に止めるべきではなかろうか。戦後70年以上を経た今日、視聴者が本当に見たい歴史ドキュメンタリーとは、勧善懲悪の戦勝国史観や、只管、戦争の悲惨さを情緒的に煽る番組ではなく、なぜ世界大戦が起こったのか、どうやったら防ぐことができたのか、未来の戦争を無くすにはどうすればいいか、具体的かつ科学的に解明する番組である。日本軍を悪魔化し、結果、国防全般を忌避する空気を醸成し、憲法9条さえ堅持していればいいと国民に思い込ませて、それで絶対に日本が未来永劫安全になると本当に断言できるのか? そんな風に世論を誘導して、NHKは責任をとれるのか? だったら必ず責任をとると、今から断言しておくべきだろう。その責任をとりたくないのであれば、中立公平な放送を目指すべきである。今後もNHKが好き放題にやり続けるのであれば、国民は声を上げて政治家を動かし、国民から受信料を強制徴収できるNHKの特権を剥奪しなければならない。


【追記】
 1999年にNHKが放送した『ノモンハン事件~60年目の真実』を視聴してみた。ドイツと日本に挟まれ、東西二正面作戦を恐れるスターリンの心理や、ソ連の属国と化し、スターリンの命令で大粛清が行われたモンゴルの事情、初戦の空中戦で日本軍に完敗したこと、新たに司令官となったジューコフ将軍が臆病な兵士に厳罰をもって臨んだことなどが描かれ、新作より遥かに客観的な番組だった。ソ連の戦車は、外から鍵がかけられ、兵士が脱出できないようになっていたという、日本兵の証言も登場する。2018年度版は、白黒映像をカラー化するなど、技術的な進歩は見られるものの、ただ日本軍を悪魔化し、罵倒することだけに囚われ、内容的には20年前のバージョンより遥かに底が浅く、扇情的で劣化しているように思う。制作者は、1999年版を見ているはず。ソ連軍のほうが日本軍より兵士に過酷な処遇をしていたことを知っていながら、日本軍が捕虜に厳しかったことだけを描き、現代の価値観で断罪する。ほとんど詐欺ですね。







敗戦革命の仕掛け人、ハーバート・ノーマンのスパイ疑惑

2019-01-04 10:01:34 | 戦勝国史観
 戦後、GHQで暗躍したカナダの外交官ハーバート・ノーマンには、数々の共産スパイ疑惑が存在する。日本人の多くは、ノーマンの存在さえ知らないが、彼が戦後の日本に及ぼした影響は凄まじく大きい。にも拘らず、後に赤狩りの標的となり、悲劇的な最期を遂げたことから、表向きにはタブー視されながらも、裏では聖人化が進み、その実態が掴みにくくなっている。また、ネット情報の中には、ソ連のスパイだったと確定したかのように書いているものもある。そこで、スパイ疑惑に的を絞って、彼の人生を検証してみたい。

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 以前、『日本国憲法の父?鈴木安蔵とハーバート・ノーマン』でまとめた通り、ノーマンはカナダ人宣教師の息子で、日本生まれの日本育ち。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ留学中、『大英帝国のレーニン』を自称する若き共産主義者、ジョン・コンフォードと出会い、彼を通じて共産主義者になった。スペイン内戦が勃発すると、コンフォードは共産主義者らで構成された国際旅団に参加して戦死する。参戦を思いとどまり、寄付集めなど後方支援をしていたノーマンは大きな衝撃を受けた。その後、ハーバード大学で日本研究を始め、マルクス主義経済学者・都留重人(後に一橋大学学長)と出会い、反日親中共の学術団体『太平洋問題調査会(IPR)』の研究員となる。ノーマンが都留の助言を得てIPRから出版した『日本における近代国家の成立』(Japan's Emergence as a Modern State: Political and Economic Problems of the Meiji Period)は、マルクス主義の観点から明治維新と日本の近代化を糾弾する内容で、日本敗戦後、日本のことを全く知らないGHQ職員たちの教科書的役割を果たし、占領政策に大きな影響を与えた。

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 1939年、カナダ外務省に採用されると、語学研修生として東京に派遣される。真珠湾攻撃後、カナダに送還されると、戦争中はIPRで『日本は自力で封建制から脱却できなかった。かくなる上は、日本を決定的かつ完全に敗北させて、アジアを日本の侵略から解放し、日本を民主化しなければならない』と、日本の無条件降伏を主張する論陣を張った。日本敗戦後、カナダ人捕虜の保護を目的に再来日すると、GHQに要請され、そのまま日本に滞在。1945年9月から翌年1月までGHQ対敵諜報部で勤務した。その後、一旦、日本を離れ、ワシントンの極東委員会カナダ代表代行として働いた後、その年の8月、駐日カナダ代表部主席として再来日。羽仁五郎や丸山眞男、鶴見俊輔など、戦後リベラルを代表する学者たちと親交を深めたが、1950年、朝鮮戦争勃発を前後してノーマンに共産スパイ疑惑が持ち上がり、解任されて帰国している。

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 ノーマンへの疑惑の発端は、GHQ参謀第2部 (G2) 部長ウィロビー将軍の告発。ノーマンが1945年10月に、府中刑務所から共産主義者の志賀義雄や徳田球一らを釈放し、その後、共産党の勢力拡大を支援したというもの。次に、原爆スパイの一人がトロント大学時代の友人だったということで疑惑が深まり、ノーマンはカナダ政府から最初の尋問を受ける。更に、コンフォードを通じて繋がっていたであろうケンブリッジ大学の同窓生二人が、ソ連のスパイ疑惑をかけられ、そのままソ連に亡命する事件が起こる。所謂『ケンブリッジ・ファイヴ』事件で、イギリスの国家機密が戦中戦後を通じ、ソ連にダダ漏れになっていたことが判明し、世界に衝撃を与えた。その他にも、ノーマンが共産主義者として活動していたことを示す数々の証言があり、カナダ政府は二回に渡ってノーマンを尋問したが、結論は『学生時代に共産主義者ではあったが、スパイ行為はしていない』というもの。尋問にあたったカナダ警察は、ノーマンを全ての公職から外すよう提言したが、時の外相ピアソンは、不問に付した。

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 その後、ほとぼりが冷めるまで暫くの間、駐ニュージーランド高等弁務官という閑職に就いていたが、1956年、 駐エジプト大使に就任し外交の表舞台に復帰。折り悪くスエズ動乱が勃発し、世界中の注目がエジプトに集まる中、カナダのピアソン外相は、宗主国イギリスや大国アメリカになびかない独自の国連外交を展開。ノーマンはピアソンの手足となって活躍し、エジプトのナセル大統領に国連緊急軍の受入れを認めさせる。だが、ピアソンを快く思わないアメリカ保守派が、再びノーマンのスパイ疑惑を問題化し、米議会でノーマンの親友・都留重人を尋問。都留は、学生時代に共産主義者だったことやノーマンとの関係を白状してしまう。その1週間後、ノーマンはカイロのビルから飛び降りて自殺した。

 その後、ノーマンの存在は忘れられ、ノーマン同様、宣教師の息子で日本育ちの元駐日大使、ライシャワー教授による親日的な日本史観が台頭するも、ベトナム反戦運動に加わった日本研究家ジョン・ダワー教授によってノーマン再評価が行われた。1980年代、ノーマンに関して2つの異なる視点からの本が出版される。一つはノーマンを共産スパイだったと見做す『No Sense of Evil: Espionage the Case of Herbert Norman』。もう一つは、スパイ説を否定する『Innocence Is Not Enough : The Life and Death of Herbert Norman』。スパイ説否定本を書いたロジャー・ボーウェンは、ダワーと同様、ノーマン史観を継承する学者であり、彼が制作に協力したノーマンの伝記ドキュメンタリー『The Man Who Might Have Been: An Inquiry into the Life and Death of Herbert Norman』も全く同じ論調。都留重人本人が出演している上に、エンディングはノーマンの友人だった丸山眞男の追悼文で〆ており、ノーマンの名誉を守るために、端からスパイ説を否定する目的で作ったような内容。オリジナル英語版NHK日本語版はネットで視聴できる。ただし、英語版はケンブリッジ時代のノーマンが共産主義に傾倒していく状況を詳しく描いているのに対し、NHK日本語版は、ややこしいスパイ疑惑の詳細を全てすっ飛ばし、ノーマンのお蔭で恩恵を被った左翼学者たちのインタビューを追加して『赤狩りの犠牲になった悲劇の外交官』として単純化しているので、注意が必要。
 英語版と日本語版の動画を両方検証したが、重大な瑕疵があることに気づいた。英語版では、1930年代のケンブリッジ大学がどれだけ共産主義に毒されていたか詳しく描いていて参考になるものの、ハーバード大学入学から外交官時代にかけて、ノーマンが関わり続けた反日親中共の学術団体『太平洋問題調査会(IPR)』について、全く描いていないのである。ノーマンは親友の都留重人が米議会で尋問を受けた直後、自殺している。自殺前、医者から鎮静剤を貰った時、『友人が議会で尋問された』とはっきり語っており、都留の尋問がノーマンに大きなプレッシャーを与えたことは確実である。都留は何を知っていたのか? 都留はケンブリッジ時代のノーマンを知らない。ハーバード時代以降、ノーマンがIPRの活動にのめり込んでいった時代の生き証人なのだ。スパイ疑惑のカギはケンブリッジではなくIPRにあるのではなかろうか。

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 『太平洋問題調査会(IPR)』とは何か? 詳しくは『オーウェン・ラティモアと太平洋問題調査会の暗躍』でまとめているので、そちらを参照して貰いたいが、要は、日米戦争をけしかけて、日本で敗戦革命をやろうとした親中極左(China Hand)のアジア研究家集団である。中心人物のラティモアは、中国育ちのモンゴル研究家。IPRを牛耳り、日米開戦前は機関誌『パシフィック・アフェアーズ』で日本批判の論陣を張ってきた。日本の敗北が濃厚になると、IPRの矛先は親日派(Japan Crowd)の巨魁・グルー前駐日大使に向けられる。米国務省では戦前、親中派(親国民党であり親中共ではない)のスタンリー・ホーンベックが極東局長で、日本を石油禁輸で追い詰め、近衛・ルーズベルト会談を潰し、日米開戦不可避の状況を作ったが、戦争中、中国国民党が同盟国として全く役に立たないことからハル国務長官の不興を買い、日本から送還されていたグルー前大使と交代された。戦後の日本占領計画は、グルーによって練られることになったが、グルーは軍部を排除するも天皇制は温存し、近衛文麿や木戸幸一ら穏健なリベラルからなる宮廷グループによって日本再建を図ることを計画していた。所謂、『soft peace』(穏やかな非軍事化)政策である。これに真っ向から噛みついたのが、IPRのChina Handsで、日本の軍国主義は封建制や財閥支配に原因があるとし、旧支配層の徹底的な排除と農地解放、財閥解体を断行する所謂『hard peace』を主張した。要は、地主と資本家を打倒するという共産主義の究極的な理想を、戦争責任追及にかこつけてやっちまおう、ということである。

 日本が降伏する1945年、ラティモアは戦後の対日、対中政策を提言する本『Solution in Asia』を出版する。この中でラティモアは、近衛文麿ら上流階級のリベラルについて、“We must not be soft with the old-school-kimono ‘liberals’, from Prince Konoye on down”と辛辣に書いており、戦後の日本は、親ソの中道左派に担わせるべきだと主張している。一方、注釈でノーマンの著作を引用する際には、ノーマンの日本研究家としての力量を絶賛。これが推薦状の役割を果たして、ノーマンはGHQにスカウトされることになった。

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 日本敗戦後、来日してGHQで働き始めたノーマンが、妻イレーネに送った手紙(1945年10月26日付け)がある。共産主義者らを府中刑務所から解放した時のことを、詳しく説明している。ウィロビー将軍が問題視した件だ。

Dear Irene:
You have no idea how terribly busy I have been the last two weeks. yet never so excitingly busy in my life. My present position is head of the Research and Analysis branch of the Counter-Intelligence Section of GHQ — and it is every bit as interesting as it sounds. (中略)

The most exciting experience of my life was to drive out to a prison 20 miles from Tokyo with another officer and be the first Allied officials to enter a prison with 16 leading political prisoners, including 2 communists (略) . The reception we got was something beyond description. I have never enjoyed anything so much as being able to tell them that according to General MacArthur’s order they were to be released within a week. Later we had the opportunity to interview them at greater length and after a few days of liberty they were able to give us political information on current affairs of the utmost interest.

 後にスパイ疑惑で尋問された時、ノーマンは共産主義者の釈放について『マッカーサーの命令を実行しただけ』と弁明したが、『私の人生で最もエキサイティングな経験』と明言しており、実際にはかなり積極的にやっていたことがこの手紙から分かる。多分、マッカーサーを説得して、釈放命令を出させたのではあるまいか。当時のマッカーサーは日本のことを全く知らず、ノーマンの影響力は甚大だった。占領軍最高司令官の名前を印籠のように使って、日本の官憲に超法規的措置を命令するのは、共産主義者のノーマンにとってさぞかし快感であったに違いない。だが、問題は、その次の箇所である。

Recent arrivals of old friends include Pat Ayres, T.A. Bisson (Strategic Bombing Survey) Bill Holland, Smith-Hutton, and now Owen Lattimore is due to arrive soon.(中略)On Sunday I am driving out with John Emerson and Shigeto to visit Riho’s home in the country.

 ノーマンが言う旧友の中、ビッソン、ホーランド、ラティモアの3人は、IPRのChina Handsである。彼らはいろんな名目を使って、戦後の日本にやってきた。ビッソンは、戦略爆撃調査団の一員として来日したが、IPRからの推薦でそのままGHQ民政局に採用され、憲法制定や財閥解体に関わるようになる。ビッソンは中国で宣教師をしていた経験があり、China Handsにはキリスト教関係者が多いパターンを踏襲している。『Shigeto』というのは都留重人のことで、彼もキリスト教徒のマルキスト。ノーマンの親友だった都留も、そのコネを使ってGHQに入り、日本政府の高官にまで大出世することになる。
 
 ノーマンがGHQに在職したのは、1945年秋から翌年1月までと、極めて短い。だが、この間、その後の占領政策を左右する重要なことが次々と行われている。即ち、戦犯逮捕、公職追放、鈴木安蔵らの憲法草案発表である。ノーマンは来日早々、都留と一緒にマルクス主義憲法学者の鈴木安蔵に憲法草案作成を持ちかけ、GHQ民政局には、鈴木らの憲法草案に注目するよう、根回しもしている。一方、マッカーサーが別途、近衛文麿に草案作成を依頼すると、近衛を戦犯容疑で告発する文書を提出して、これを潰してしまう(【参考】『日本国憲法の父?鈴木安蔵とハーバート・ノーマン』)。ノーマンは近衛だけでなく、木戸幸一も同時に戦犯告発しており、この二人の逮捕は(実際、近衛は逮捕前に自殺)、戦後の日本再建を近衛や木戸ら宮廷グループにやらせようとするグルーの計画をも潰すことを意味した。

 ただ、近衛に対する告発が辛辣極まりないのに対し、木戸には相当に甘い内容になっていた。実は、都留重人の義父が木戸幸一の弟だったのである。当時、都留は木戸幸一や義父一家と同居しており、木戸は都留を介してノーマンやGHQの動きを知っていただろう。近衛を潰すために、敢えて木戸も戦犯指定するものの、木戸が極刑にならぬよう配慮していたはずである。東京裁判の間、都留は木戸の弁護にも協力。木戸は死刑を免れることになる。文官として、近衛や木戸の代わりに死刑になったのが、元首相の広田弘毅。玄洋社との縁が深く、右翼の巨魁・頭山満の葬儀委員長を務めたことが仇になった。ノーマンは日本の右翼や武士道のような文化を憎悪しており、戦時中、玄洋社を日本のナチスとして糾弾する記事をIPRに書いていた。広田の妻は玄洋社幹部の娘で、東京裁判中、それを苦にして服毒自殺している。

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 大政翼賛会や軍部、右翼関係者を中心にした公職追放にノーマンがどれだけ関わったか、明白な資料は見つからないが、日本のことを何も知らないGHQのアメリカ人たちに、総計20万人に及ぶ日本人追放者の人選ができるはずもなく、ノーマンや都留重人の人脈に連なる左派日本人(恐らく、戦前に冷遇されてきたマルクス主義学者たち)の協力を得てやったのだろう。46年1月に最初の公職追放が発表され、その翌月から憲法改正への動きが加速している。明治憲法からコペルニクス的転回をする新憲法草案を日本の国会で通すには、大規模な公職追放によって議員を総入れ替えすることが必要絶対条件だったのである。大学から保守派学者が追放されたお蔭で、丸山眞男や都留重人ら左派の学者たちは、若くして大学教授になることができ、その後、長きにわたって日本の大学に君臨することになる。

 46年1月にノーマンがGHQを辞めた後は、GHQ民政局に入ったIPRの同志・ビッソンが代わって憲法草案の細部交渉や財閥解体に深く関わることになる。ビッソンは吉田政権と激しく対立し、共産主義者による二・一ゼネスト(1947年)では、スト容認を主張して吉田茂政権打倒を目論むも、マッカーサーはゼネスト中止を決定。民政局の左翼ニューディーラーたちやビッソンは、共産主義者を目の敵にする参謀第2部 (G2) ウィロビー将軍によって、徐々に力を削がれていく。ウィロビーは、来日する前にビッソンが関わっていたIPRやその提携誌アメラシアについて調べ上げ、ビッソンが共産主義シンパであり、都留重人に機密情報を流したとして告発した。追い詰められたビッソンは、47年4月、志半ばにしてGHQを辞め帰国してしまう(【参考】Thomas Arthur Bisson and the Limits of Reform in Occupied Japan)。その後、冷戦が激化する中、GHQの占領政策が逆コースへ舵を切ることに反対し続けたノーマンも駐日カナダ公使を解任され、IPRのChina Handsによる敗戦革命は終わりを告げる。

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 アメリカ帰国後、ビッソンはラティモアと一緒にマッカーシズムの暴風に巻き込まれ、過去の共産主義活動を厳しく追及される。IPRは活動停止に追い込まれ、大学での仕事を失い、ラティモアはイギリスに移住。ビッソンも仕事探しに苦労することになる。だが、それでも実刑を受けなかっただけまだ幸運だったと言える。ビッソンの死後、ソ連のスパイ活動を暴いたベノナ・ファイルが公表され、ビッソンは『アーサー』の暗号名を持つソ連のスパイであったことが判明する。その他、IPRに所属した中国人・冀朝鼎(Ji Chaoding)も中共のスパイだったことが公表されており、IPRのヤバイ実態が明るみになった。

 スパイ疑惑をもたれた財務省のハリー・デクスター・ホワイトや国務省のローレンス・ダガンは、赤狩りの最中に自殺したので、魔女狩りの被害者と見られていたが、後にベノナ・ファイルの公開でソ連のスパイだったことが確定する。一方、同じく自殺したノーマンに関しては、ベノナでも名前が出なかった上、スパイだったことを示す証拠は未だに見つかっていない。これを持って、『無罪だ』『濡れ衣だ』と言えるのだろうか? ノーマンやラティモアのような共産主義活動家のことを、英語で“Fellow traveller”と呼ぶ。共産主義革命を目指し、共産党員と共闘するものの、自分自身は党員にならず、機密情報を漏らすようなあからさまなスパイ行為は行わない。飽く迄、一般人として官庁やメディア、大学で働きながら、その職権を運動に利用する。こういうタイプをスパイとして罪に問うことは難しいが、さりとて外交官として機密情報に接するポストに就けることには問題がある。

 ノーマンの上司、レスター・ピアソン外相は、ノーマンの尋問で共産主義者だった過去を知ったものの、公職から外すことなく起用し続けた。ピアソン自身、ノーマン同様、宣教師の息子で、リベラルな思想の外交官だった。カナダは、宗主国イギリスと大国アメリカの狭間で、独自色のあるリベラルな外交を展開しており、ノーマンのような共産主義者の外交官でも、国益を損なわないと考えたのだろう。だが、カナダの同盟国として、機密情報を共有するアメリカ政府にとって、ノーマンのような共産主義者がカナダ外務省の要職にいることは由々しき問題である。両国の狭間で苦しんだ結果、ノーマンは死を選んだ。

 スエズ動乱解決のため、国連緊急軍の派遣を実現したピアソンは、ノーマンが自殺したその年、ノーベル平和賞を受賞する。ノーマンが大使としてエジプトのナセル大統領にカナダ軍を国連軍として受け入れるよう説得した時、ナセルはカナダ国旗にユニオンジャックがあることから、イギリスの傀儡だとしてこれに難色を示した。その後、カナダの国旗からユニオンジャックが消え、カエデのマークだけになったのは、この事件が切っ掛けである。

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ピアソンとノーマン

 後に首相になったピアソンは、ベトナム戦争にも反対するなど、リベラルな外交を貫き、現在では最も偉大なカナダの首相として評価されている。ピアソンの後継首相がピエール・トルドーで、その息子が現カナダ首相ジャスティン・トルドーである。もし、ピアソンの片腕だったノーマンがソ連のスパイだったと判明すると、カナダの国家的威信が傷つくことになる。今後、カナダ政府がノーマンに不利な機密情報を開示することは絶対にないだろう。ノーマンについて今言える結論は、『スパイ行為をした証拠はないが、限りなくクロに近い共産主義者』であり、反共に舵を切った当時のアメリカの外交官だったらクビだが、カナダだからこそクビにならずに済んだものの、それが災いして自殺に追い込まれた、というものである。



初稿:2018年7月22日



1月3日(木)のつぶやき

2019-01-04 05:00:05 | 日記