コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

ヘルメス迷走 part7

2013年09月10日 | ゲームブック
前回、MADSのナオミを紹介されましたが、
今回は急展開で、T・Tの襲撃に遭います。

196:
キミはナオミに頷いて見せた。
「判ったよ。当分厄介になろう」
ナオミはモノも言わずに抱きついて来た。リエを見ると、プイとキ
ミから目を逸らして歩き去る。
それから二日程、キミはナオミの部屋で暮らした。ナオミの相手を
してやる以外はやることはないので、殆ど一日中コロニーの中をぶ
らついたが、何の収穫もなかった。
数日後の夜、いきなり爆発音が響き、倉庫は土台から揺さぶられた。
ショックで硬直しているナオミを落下物から庇いながら、キミは地
上に這い出した。リエが走ってくる。
「どうしたんだ?」
「T・Tのヤツらだ!今、手前の路地でグエンが食い止めてる」
「T・T?」
キミは記憶を探った。確か、このMADSと縄張り争いの真っ最中の
グループだ。
その時、半分開いていた入口のシャッターが爆発音と共に内側に捲
れ上がった。付近でライフルを構えていた二、三人が悲鳴を上げて
倒れる。ポッカリ口を開けてしまった入口から、続け様に二、三発
何かが飛び込んで来た。一直線に弾道を描き、反対側の壁にぶつか
って爆発する。倉庫という閉鎖された空間の中で爆風は好きなだけ
荒れ狂った。
やっと顔を上げたキミは、今のが何か知っている自分に気づいた。
「グレネードランチャーだ…街のチンピラがどうして?」
リエがフラフラと立ち上がって歩き出そうとするのを、キミは後ろ
から抱き留めた。
「どこ行くんだ!」
「グエンが危ない…あいつらライフルしか」
「他人の心配してる場合か!」
キミは倉庫を見回した。中にいた殆どの者は、さっきの爆発で倒れ
てしまっていた。辛うじて立っている連中も完全に戦意を喪失して
いる。
キミはリエとナオミを引き摺り、辛うじて崩れなかった荷の山の陰
に隠れた。
リエはパニックを脱したが、追い詰められた表情は隠せない。グエ
ンたちが粘っているらしく、銃声と爆発音が続いている外を窺いな
がら、ボソリと言った。
「グレネードランチャーって言ったね」
「ああ…T・Tが大グループだろうと、チンピラ風情に持てるモンじ
ゃない」
「誰かと組んだね…」
リエは静かに言った。
「あそこ以外の出口は?」
「ない。ここを襲われるなんて思ってもみなかったから」
しかも相手は信じ難い程の重武装だ。事態は絶望的と言えた。
リエは黙ってナオミを見た。気を失ったナオミは、キミにもたれか
かっている。キッと顔を上げ、リエは落ちていたライフルを拾う。
「どうする気だ?」
「ナオミお姉さまを連れて逃げる」
予想していた答えだった。リエの目は再び戦闘的な光を宿し始める。
「地下に隠れていれば、殺されることはないと思うぜ」
「アタシはそれ程、楽天的じゃないんでね」
リエがキミを見た。チラと見せた笑顔にキミはハッとした。
「でも、アンタなら大丈夫だと思うよ。地下にいれば助かる」
・リエやナオミと一緒に逃げる:066
・地下に隠れる:110
このまま地下に隠れてるとBAD ENDなので、066へ。

066:
「つき合うよ」
キミが言うと、リエは驚いたような顔をした。
「手は多い方が良いだろう?」
口には出さなかったが、キミはさっきリエが言ったT・Tが誰かと組
んだ可能性について考えていた。T・Tと組んだのがリエに助けられ
た時、キミを追っていた連中であるということも考えられる。そう
だとすれば、隠れていて安全とは言い切れない。
「どうなったって知らないよ」
その時、誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「リエ!ソロソロ手前の命数も尽きたようだぜ。諦めて出てきな!
さもねぇと…」
銃声が倉庫の中に響き渡った。
「逃げようたって無駄だ。どこに隠れていようと、飛び出した時が
最後よ」
キミは荷の隙間からそっと倉庫の中を見回した。いつの間にかあち
こちに自動小銃を持った男たちが潜んでいる。
「どこにいる?クレーンの陰か?ミカン箱の中か?とっとと手を上
げて出てこい!」
リエはキミを真正面から見据えた。
「アタシが走ったら、ナオミお姉さまを抱いて逃げな」
飛び出そうとするリエの腕をキミは慌てて掴んだ。
「ライフルを貸せ。オレがやる」
リエはキミの腕を振り解いた。
「お姉さまを頼んだよ!」
駆け出したリエの後ろにパパッと5.56mmが着弾する。フルオート
の射撃音が反響して耳を聾せんばかりだ。
キミは仕方なく、ナオミを抱き上げて反対側に走った。少し離れた
荷の陰に滑り込む。
リエの姿を求め、視線を浮かぶる。どうやら無事のようだ。フォー
クリフトの陰から周囲を窺っている。
キミの神経を殺意がザラッと撫でた。ハッと見上げると、積み上げ
られた荷の上に腹這いになった男が自動小銃をリエにポイントして
いる。向き直ったキミが制止の声を上げるより早く、リエは走り出
していた。
「リエ!」
君の声は銃声に掻き消された。弾幕の中でリエの体が舞った。飛び
散る血潮に彩られながら。
・“パンドラ”と言う言葉を聞いたことがある:109
・ない:113
ない場合は、BAD ENDになっちゃうので、ここに来るまでに
“パンドラ”って言葉を聞いておきましょう。
ちゅーこって、来週は113から始まります。大詰めです。
コメント
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