気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

滴滴集

2004-11-21 17:58:40 | つれづれ
名もしらぬとほきしまより流れつきテレヴィジョンあまた秋の浜辺に

(小池光「滴滴集」短歌研究社)

笑ひ声絶えざる家といふものがこの世にあるとテレビが言ひぬ

(小池光「日々の思い出」)

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待っていた「滴滴集」がとどき、居住まいを正して読む。歌集になると味わいが格別である。
短歌を始めたころ「笑ひ声…」の一首に心ひかれて、ここまでのめり込んでしまった。


O脚の膝

2004-11-17 19:52:12 | つれづれ
濃い。これはなんなんアボガド?
しらないものこわいといつもいつもいうのに

したうちをされた。
朝は忙しいけど 
したうちをしたらいけない

手でぴゃっぴゃっ 
たましいに水かけてやって 
「すずしい」とこえ出させてやりたい

(今橋愛「O脚の膝」北溟社)

歌集という体裁の中に、ナマのものを見てしまった感覚。

E/T

2004-11-16 12:05:58 | つれづれ
食卓のむかうは若き妻の川ふしぎな魚の釣り上げらるる

けふ一日(ひとひ)辛抱すれば救はれる、だらうつて夜から伝言が来た

短夜(みじかよ)のこころを殺す なんといふ上べばかりの花野であるか

(岡井隆 E/T 書肆山田)

現代短歌の先端をゆく歌集。一部が横書き その後「伊太利亜」。
京都精華大学の短歌講座が私の短歌の入り口でしたが、この秋の講座はなくて残念でした。
岡井さんなら、何をやってもけなさない気がする。ご機嫌が悪くなるかも。
こちらが盗みとるしかない。