気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

滴る木 吉野亜矢歌集

2006-12-26 23:54:10 | つれづれ
あたらしき本にうす茶の一点がつきてわたしのものとなりゆく

朝に繰る独語テキストかぐわしきパン屋の名前の意味解き明かす

わたくしは何時でも楽器やわらかに産毛のそよぐ耳を抱けば

売ったのかなくしても生きてゆくことができる臓器のような何かを

  フェルメール展一首
光降る中にたたずむわたくしと海の響きを抱く画家の名

(吉野亜矢 滴る木 ながらみ書房)

**********************

吉野亜矢さんの歌はなかなかむつかしい。あとがきを読むと、24歳から28歳の間の詠んだ400首が載っているとのこと。わたしはつい共感できる歌や、発見の歌を好む傾向があるので、繊細な良さを読みきれていないと思う。今後、吉野さんとご一緒することがありそうなので、どんな方なのか少しずつお近づきになりたいものだ。


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8 コメント

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Unknown ()
2006-12-27 01:36:07
わかります。

吉野さんの歌は掴みどころがなくて、表面的にしか読みとれない歌が多い。

口語短歌としての修辞のレベルがきわめて高く、レ・パピエ・シアンのみなさんも、読み取るのに苦心しているとか。



しかし、吉野さんの知性あふれる歌の内容はつよい磁場を持っていて、知らず知らずのうちにその世界に引き込まれていきます。

たいへん、妖しい魅力を秘めた歌人だと思いますね。
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Unknown (かすみ)
2006-12-27 11:28:28
森さん こんにちは。
森さんもたくさん歌集読んでおられますね。年末年始に読もうと図書館から借りているのが、数冊あるのですが、いよいよ主婦モードに戻る必要が生じてきております。よく先輩のTさんに短歌ばっかりやっててはあかん・・と言われます。まあ、ぼちぼち行けばええんやないでせうか。
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Unknown ()
2006-12-27 12:49:21
吉野さんの歌集自体は読んでいないんですよ。

今年は流行の歌人や文庫の歌集が中心でした。

短歌ばかりやっていては…、とは思いません。

川柳や俳句の要素を作品に活かせばいいんじゃないでしょうか。

ちなみにTさんとは、武下奈々子さん?違ったらゴメンナサイ。
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Unknown (かすみ)
2006-12-27 21:26:03
武下奈々子さんとは、なぜか面識がありません。
日常の暮らしを大切にして、身体も動かして、五感でものを感じるように・・と言う意味だと思っています。
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Unknown ()
2006-12-27 22:10:17
あぁ、そうでしたか。

なるほど、そうですよね。いろんなものに刺激されて、歌の着想を得るものですからね。
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Unknown (Unknown)
2006-12-29 17:54:32
でも、着想を一首に仕上げるのが、一番難しいんですよね。

「角川短歌」(の九月号だったかな?)の特集でも、みなさんが書かれたように。
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Unknown ()
2006-12-29 17:54:51
でも、着想を一首に仕上げるのが、一番難しいんですよね。

「角川短歌」(の九月号だったかな?)の特集でも、みなさんが書かれたように。
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Unknown (かすみ)
2006-12-29 22:12:42
森さん こんばんは。
そうですね。なんにしても表現することは難しいです。その上「おかんのパソコン使わせて・・」などと言う声がここ数日あり、まったく落ち着きませぬ。

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