気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-01-21 22:49:36 | 朝日歌壇
父母に編み夫子に編んで孫に編み編物人生終りに近し
(浦安市 白石美代子)

髭(くちひげ)から髯(ほおひげ)さらに鬚(あごひげ)と患者の顔になりたる夫
(長岡市 国分コズエ)

雪催い午刻(ひるどき)なれど暗くして白い山茶花(さざんか)静かに咲けり
(新潟市 古泉浩子)

*************************************

一首目。若いころから現在に至るまで、ずっと編物をして来られた作者。「編」という字が四回も出てくるが、それだけたくさんの編物をしてきたことの証としての繰り返しだろう。結句の「終りに近し」がさみしい。
二首目。ひげを漢字にするとこの三つの字があることを知った。それぞれに場所によって異なるのだ。患者の顔になりたる・・・というのも、傍で見ていて辛いことだろう。髭の様子からわかることも多い。
三首目。いい歌だと思ったが、ただ一つ、「白い山茶花」を「白き」とすれば、文語で統一できるのに、なぜ「白い」とされたのだろう。短歌的に整いすぎるのを嫌ったのだろうか。これも好みの問題だろうか。

ストーヴを消せば寄りくる冷気あり絡んだ糸はからんだままに
(近藤かすみ 雲ケ畑まで)

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (teruo])
2013-01-23 00:04:19
三首目、
白さがきわだつようで作者同様私も「白い」としてしまいそうです。

「ストーヴを…」
「絡んだ」「からんだ」の使い分けと順序、どちらがどちらでもいけない。
ゆきとどいた作、そう思いました。

ご自作がひとつ加わると血がかよった感じになります。
返信する