角砂糖一個の量で二千万人の致死量といふぷるとにうむは
(水島和夫)
幾千の水漬(みず)く屍は潮に乗りオサマ・ビンラディンと遭遇するか
(榊原敦子)
行き行きてつくづく一人と思う道泣くも笑うもつくづく一人
(山本栄子)
白粥はほのかにひかると詠われし歌読みてより白は匂えり
(関谷啓子)
四十年過ぎし結論うた詠むは生命を削る道楽なりき
(水谷澄子)
「無事にいる」子の一声を聞きし日の夏の太陽高くかがやく
(藤澤正子)
よく眠り食べて気力のもどり来つからだを泳ぐシューベルトの鱒
(木曽陽子)
異性との付き合ひ注意とのけふの星占ひにおもはずわらふ
(三井ゆき)
大声を出す要なきに梅雨寒のさが声帯は繊みゆくなり
(斎藤典子)
気仙沼の漁師は妻をうしなへり六十三歳われと同じく
(小池光)
*************************************
短歌人8月号、同人1欄より。
(水島和夫)
幾千の水漬(みず)く屍は潮に乗りオサマ・ビンラディンと遭遇するか
(榊原敦子)
行き行きてつくづく一人と思う道泣くも笑うもつくづく一人
(山本栄子)
白粥はほのかにひかると詠われし歌読みてより白は匂えり
(関谷啓子)
四十年過ぎし結論うた詠むは生命を削る道楽なりき
(水谷澄子)
「無事にいる」子の一声を聞きし日の夏の太陽高くかがやく
(藤澤正子)
よく眠り食べて気力のもどり来つからだを泳ぐシューベルトの鱒
(木曽陽子)
異性との付き合ひ注意とのけふの星占ひにおもはずわらふ
(三井ゆき)
大声を出す要なきに梅雨寒のさが声帯は繊みゆくなり
(斎藤典子)
気仙沼の漁師は妻をうしなへり六十三歳われと同じく
(小池光)
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短歌人8月号、同人1欄より。