気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人8月号 同人のうた その3

2011-08-17 22:05:10 | 短歌人同人のうた
角砂糖一個の量で二千万人の致死量といふぷるとにうむは
(水島和夫)

幾千の水漬(みず)く屍は潮に乗りオサマ・ビンラディンと遭遇するか
(榊原敦子)

行き行きてつくづく一人と思う道泣くも笑うもつくづく一人
(山本栄子)

白粥はほのかにひかると詠われし歌読みてより白は匂えり
(関谷啓子)

四十年過ぎし結論うた詠むは生命を削る道楽なりき
(水谷澄子)

「無事にいる」子の一声を聞きし日の夏の太陽高くかがやく
(藤澤正子)

よく眠り食べて気力のもどり来つからだを泳ぐシューベルトの鱒
(木曽陽子)

異性との付き合ひ注意とのけふの星占ひにおもはずわらふ
(三井ゆき)

大声を出す要なきに梅雨寒のさが声帯は繊みゆくなり
(斎藤典子)

気仙沼の漁師は妻をうしなへり六十三歳われと同じく
(小池光)

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短歌人8月号、同人1欄より。

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