消費して消費してとめどなき日々を謀略のごとチラシ入りくる
靄いづる晩秋の森もみぢしてこころの表裏あいまいになる
暮れなづむけふ一日の幕間にひととき架かる虹を見てゐつ
情報がひとの心をもてあそぶいやな時代のただ中にゐる
犬はふと胴震ひせり人間はそしてどこまで時雨れてゆくのか
(小泉史昭 夕木霊 本阿弥書店)
*************************
『夕木霊』の後半から。
四首目に関連して思うこと。ネット上に情報があふれていても、いつも気にしている同じところばかり見てしまって、全体が見えていないんじゃないかと不安になる。ジャンクメールが一杯来るが、たまたま現実の友達とおなじ名前で来るとどきっとする。ちらっと見て削除する。手紙ならば、間違いであってもそんなに粗末に捨てはしないだろうに。
靄いづる晩秋の森もみぢしてこころの表裏あいまいになる
暮れなづむけふ一日の幕間にひととき架かる虹を見てゐつ
情報がひとの心をもてあそぶいやな時代のただ中にゐる
犬はふと胴震ひせり人間はそしてどこまで時雨れてゆくのか
(小泉史昭 夕木霊 本阿弥書店)
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『夕木霊』の後半から。
四首目に関連して思うこと。ネット上に情報があふれていても、いつも気にしている同じところばかり見てしまって、全体が見えていないんじゃないかと不安になる。ジャンクメールが一杯来るが、たまたま現実の友達とおなじ名前で来るとどきっとする。ちらっと見て削除する。手紙ならば、間違いであってもそんなに粗末に捨てはしないだろうに。
雨に濡れた犬、といえば栗木京子さんの
雨降りの仔犬のやうなひとが好き なのに男はなぜ勝ちたがる
を思い出してしまいます。
時事詠も、素直で共感する内容です。
先に読んだ、日置俊次さんのように、秋を感じさせるいい歌です。
ふたりとも、秋の風景を老いゆくご自分の人生に重ねておられるのでしょうか。
秋は人生の半ば過ぎを思わせます。当たり前のようでいて、独自の発想をすることが大事なんでしょうね。なかなか出来ません。