気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人2月号 同人のうた その2

2017-02-08 12:40:38 | 短歌人同人のうた
宅配の手荷物かかへ門灯へ小走りにゆく男半袖
(紺野裕子)

冬の匂い香ばしく顔にまつわりて息すればつくづくと冬なり
(内山晶太)

まろやかなお地蔵さんのあたま撫ぜ純なるなみだ湧くときのあり
(斎藤典子)

いひたらざりしかと悔ゆれどもいひすぎて臍(ほぞ)かむよりはよからむ 寝ねむ
(蒔田さくら子)

飴玉を嚙まずにいられないと言う破片に満ちているだろう口
(谷村はるか)

「短歌人」に冨樫由美子の名がありてけふの日暮のビール楽しむ
(高田流子)

ネットなんか無視すればいいと言いくるる口調迷いなき柏木進二
(宮田長洋)

わが街に唯一のシネマ館ポポロ座のとなりの席にあなたはゐない
(山下冨士穂)

甲冑に身をよろひたる地蔵たち暗がりに佇つひたすらなりき
(長谷川莞爾)

天金の鈍く光れる円本の正岡子規集おりおりに読む
(おのでらゆきお)

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短歌人2月号、同人1欄より。


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