気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

遊星の人 多田智満子

2005-10-15 00:14:04 | つれづれ
拾ひきて罪のごとくに隠しもつ貝の内裏(うちら)に虹照りわたる

春の夜の灯を消したまへ桃の花ふけゆくほどに姥ざかりなる

鍵穴を失ひし鍵にぎりしめ家をめぐりてさまよふは誰(たれ)

(多田智満子 遊星の人)

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縁あって、多田智満子の歌集『遊星の人』を読みはじめる。以前、図書館で借りて読めないまま返してしまった。また手元に来たのは縁があったのだろう。
貝の内側にある虹。隠しもって帰った貝だからこそなお美しい。
以下は、題詠マラソン2003のお題「てかてか」で何とか作ったもの。

てかてかの虹はガソリンスタンドの溝に捨てられ渦をまきをり
(近藤かすみ)

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