気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2010-11-14 16:17:10 | 朝日歌壇
廃校の鉄棒に来て小猿めが夕日を蹴りてくるりとまわる
(宮城県 須郷柏)

柿の葉のたより桜の葉のたより 風のたよりもなき日のたより
(城陽市 山仲勉)

吟行の列忽(たちま)ちに乱れけり通草(あけび)の熟るる径に入りて
(神戸市 内藤三男)

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一首目。出来すぎたお話のような気もするが、だまされるのも楽しい。「小猿め」の「め」に作者の愛情が感じられる。ちょっと材料が多いかも。
二首目。だれからのたよりもなくても、柿の葉や桜の葉が自然のたよりを伝えてくれる。今の時期、ほんとうに桜もみじが美しく、見ていて飽きない。「たより」のリフレインが面白い歌。
三首目。吟行は主に俳句の人がして、短歌ではそれほどしない。大体、俳人はお金持ちで賑やかで明るい人が多く、歌人は真面目で孤独を好む感じがする。吟行には、何度か参加したが、その場では集中できずにろくな歌は出来ない。出来ないと心配なので、前もって、いくつか作っていく。やっぱり真面目なのだろうか・・・?

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