気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ノートル・ダムの椅子 日置俊次

2006-09-22 18:53:07 | つれづれ
晩秋の雨の尾曳きてほのひかる地下鉄(メトロ)近づく われに逢ふため

破傷風の接種を受けしよりパリの路地には馬のにほひ満ちたり

水紋のごとく薔薇窓昏(く)れなづむわれと崩れよあをきあかき環

カテドラルが夕映えの髪を梳かしをり 春のかなしみ春にをさめよ

乾きかけしバゲットちぎり鴨にまくいつしか嚙みてをりたりわれも

(日置俊次 ノートル・ダムの椅子 角川書店)

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パリに行ったことはないが、映画を観ているような気分にさせてくれる歌。



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