気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2007-05-14 21:38:09 | 朝日歌壇
庭にあれば白とも見ゆるいちはつのあわきむらさき春慶に挿す
(福岡市 宮原ますみ)

木漏れ日のあふれる道を君と行くモンシロチョウに先を越されて
(京都市 敷田八千代)

賑わいし店の倒産後も残る屋根の時計の針は正しも
(八王子市 青木一秋)

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一首目。いちはつの花の色が、日の当たる庭と室内では微妙に違って見えた様子がわかる。きれいな歌。
二首目。春の晴れた日に、のんびり散歩している作者。君はだれなのだろう。わたしの希望は犬の散歩だ。
三首目。店が倒産しても、時計は律儀に働いている。先日なくなった近鉄百貨店の前を通ったら、シートがかかっていて、さすがに寂しい感じがした。

葛原妙子賞を受賞した酒井佑子さんの記事が朝日新聞に載った。短歌人会に入会されるまでの経緯も書かれている。記事に引用された歌とわたしの選んだ歌がまったく違ったので、それも興味深く思った。ネットでも記事を読めるので、貼り付けます。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200705130051.html



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2 コメント

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Unknown (黄菜子)
2007-05-14 22:10:43
酒井佑子さんの記事、かすみさんもお読みになることができてよかったです。

酒井佑子さんの印象は、颯爽とした方という感じです。
歌会のとき、アメ玉やお菓子をそっと回りの人に配ったりもされます。
(私もいただきました)
歌評となると、きっぱりと厳しい意見もおっしゃって。
「これは良くないなぁ」とつぶやきながらも、貶すだけでなく良い部分を一所懸命探されたり。
短歌をとてもとても愛していらっしゃるとわかります。
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Unknown (かすみ)
2007-05-15 02:23:42
関西は記事の掲載が一日おくれたようです。読んで納得しました。
わたしも、現実で苦しいとき、さみしいとき、歌に救われる感じがあります。人生の岐路であんなに考えたかと思うほど、考えることがあります。それで結果はたいしたことなかったりするんですが、短歌はまた作ればいいし、その点気楽とも言えます。
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