気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

間違ひ電話

2008-03-19 01:33:40 | きょうの一首
母さんとわれを呼びたる後黙すこゑあどけなき間違ひ電話
(百々登美子 短歌往来3月号)

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きょうの一首で、取り上げようと付箋を貼っていたところ、先日の山中智恵子を語る会で、たまたま百々登美子さんと近くの席に座った。かなりのご高齢に見えたが、発言もその内容もしっかりしておられた。短歌人に所属しておられたこともあったらしい。「小池光さんは知らなかったけれど、若林のぶさんは知っています」などと話しておられた。

あどけなき間違ひ電話の歌は、電話の向こうの子供が決まりの悪い様子でいるのが想像できて、可哀相なような可愛らしいような微妙な感じを捉えた歌である。こんなときなんと言ったらいいのだろうか。センスの問われる場面だ。

「お母さん」とたまに電話をかけてくる娘のこゑは昔のままで
(近藤かすみ)


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2 コメント

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Unknown (村田馨)
2008-03-20 02:31:44
百々登美子さんといえば、長らく斎藤史に師事していらっしゃいましたから、斎藤史が「原型」を立ち上げる前、「短歌人」に在籍していたころには百々さんも当然「短歌人」に籍をおいていらしたでしょう。若林のぶさんは「短歌人」から「原型」へ移り、再度「短歌人」に戻られた経歴があるので百々さんもご存じだったのだと思います。
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Unknown (かすみ)
2008-03-20 12:04:39
村田馨さん こんにちは。
いろいろ教えていただいてありがとうございます。
山中智恵子の会のとき、有沢螢さんを間にはさんで三人並ぶ形で座っていました。こちらから積極的にご挨拶すればよかったと、悔やまれます。
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