水鳥を光の毬と思うときこんなに人が遠い日の暮れ
（守谷茂泰）
一条の傷をもつ身になりたれば眩しかりけり今日の桜は
（大谷雅彦）
仕事だと称して毎日行くプール早出に遅出 欠勤もする
（立花みずき）
淋しさが居坐る時は十八の私と歌う「山のロザリオ」
（岩本喜代子）
阿倍野にておぼろうどんを食む昼に川本浩美の巨体を思ふ
（吉浦玲子）
憲法を変へて何せむ愛鳥週間の居酒屋鳥六閑散として
（西王燦）
牡丹花のくれないに射す昼ひかり平安のごとく不穏のごとく
（川田由布子）
窓よりの光うすれて灯ともせばにはかに影濃くものたちあがる
（蒔田さくら子）
喪の家を訪ねて帰る札幌の街の暮色に紛れんとする
（西勝洋一）
ツィギーのミニスカートから美魔女まで生きて流行（はやり）に離れず即かず
（平野久美子）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
短歌人７月号、同人１欄より。
（守谷茂泰）
一条の傷をもつ身になりたれば眩しかりけり今日の桜は
（大谷雅彦）
仕事だと称して毎日行くプール早出に遅出 欠勤もする
（立花みずき）
淋しさが居坐る時は十八の私と歌う「山のロザリオ」
（岩本喜代子）
阿倍野にておぼろうどんを食む昼に川本浩美の巨体を思ふ
（吉浦玲子）
憲法を変へて何せむ愛鳥週間の居酒屋鳥六閑散として
（西王燦）
牡丹花のくれないに射す昼ひかり平安のごとく不穏のごとく
（川田由布子）
窓よりの光うすれて灯ともせばにはかに影濃くものたちあがる
（蒔田さくら子）
喪の家を訪ねて帰る札幌の街の暮色に紛れんとする
（西勝洋一）
ツィギーのミニスカートから美魔女まで生きて流行（はやり）に離れず即かず
（平野久美子）
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短歌人７月号、同人１欄より。
この傷は作者なのか、桜なのか。どちらともとれる。傷もつものにとっては今日の桜の華やぎはいたいたしい。なかなかの秀歌。作者はすぐれた歌をこころえている。
大谷雅彦さんは、若くして角川短歌賞を取られた方で実力者です。人事のうたはほとんどなく、優れた自然詠を詠んでおられます。
この一連に「点滴」の歌があるので、ご病気をなさったのかと想像します。大谷さんにしては、珍しいことで注目しました。