気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2006-08-14 00:09:20 | 朝日歌壇
逃げた亀さがす張り紙おさな子は甲羅の欠けもしっかり描く
(春日井市 伊東紀美子)

どこからが故里の空廃村となりてますます澄み透る空
(伊那市 小林勝幸)

反戦の歌など作る有り余る食とものとに日々囲まれて
(坂戸市 山崎波浪)

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一首目。飼っている亀がいなくなって、張り紙をはってまで探す子供は、亀に愛着があり、その特徴をちゃんと見ている。作者もその子をよく見ている。
二首目。この歌から思い出したのは、奥村晃作の「どこまでが空かと思い 結局は 地上スレスレまで空である」。故里,、廃村という考えが入っている分、ちがってはいるけれど。
三首目。八月は、なおさら今の暮らしのありがたさを思う。申し訳なくて、つらくなる。



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