気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

冬支度 鶴田伊津

2006-01-30 00:05:48 | つれづれ
酩酊の楽しみなどはもういらぬ 子のはじめての冬支度する

からっぽの腕で湯船にくつろげば乳房に痛みりゅうとはしれり

この部屋に二度と戻れぬ錯覚に出かける前は窓ガラス拭く

(鶴田伊津 冬支度 短歌人2月号)

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鶴田伊津さんのこのごろの歌は、赤ちゃんとの生活が詠われていて懐かしい。小さな子供の居る暮らしは、微笑ましさで済まされない過酷さがある。私など、今になっても子育てに関して後悔ばかりで、幼い子供を見るのがつらいのだ。また子供の居ない人は、いないことに、何か生きている上での「やり残し感」を持っておられる感じがする。子供というのは、産んでも産まなくても女を責め続ける存在だ。

新しき檻を探しに行くといふ子を肯ひぬ母なるわれは
(近藤かすみ)





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