酩酊の楽しみなどはもういらぬ 子のはじめての冬支度する
からっぽの腕で湯船にくつろげば乳房に痛みりゅうとはしれり
この部屋に二度と戻れぬ錯覚に出かける前は窓ガラス拭く
(鶴田伊津 冬支度 短歌人2月号)
***********************
鶴田伊津さんのこのごろの歌は、赤ちゃんとの生活が詠われていて懐かしい。小さな子供の居る暮らしは、微笑ましさで済まされない過酷さがある。私など、今になっても子育てに関して後悔ばかりで、幼い子供を見るのがつらいのだ。また子供の居ない人は、いないことに、何か生きている上での「やり残し感」を持っておられる感じがする。子供というのは、産んでも産まなくても女を責め続ける存在だ。
新しき檻を探しに行くといふ子を肯ひぬ母なるわれは
(近藤かすみ)
からっぽの腕で湯船にくつろげば乳房に痛みりゅうとはしれり
この部屋に二度と戻れぬ錯覚に出かける前は窓ガラス拭く
(鶴田伊津 冬支度 短歌人2月号)
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鶴田伊津さんのこのごろの歌は、赤ちゃんとの生活が詠われていて懐かしい。小さな子供の居る暮らしは、微笑ましさで済まされない過酷さがある。私など、今になっても子育てに関して後悔ばかりで、幼い子供を見るのがつらいのだ。また子供の居ない人は、いないことに、何か生きている上での「やり残し感」を持っておられる感じがする。子供というのは、産んでも産まなくても女を責め続ける存在だ。
新しき檻を探しに行くといふ子を肯ひぬ母なるわれは
(近藤かすみ)