見をさめと厚きガウンに身をつつみ流星の群れに遭ひに出でたり
骰子(さい)振つて遊べるわれや禁斷の天を轉がる遊星の人
みどり濃きこの遊星に生れきてなどひたすらに遊ばざらめや
儈院は高き圍ひをめぐらして「薔薇の名前は薔薇に問ふべし」
生涯を編年體に編むべしや掌に靜脈の行方透かしつ
(多田智満子 遊星の人)
****************************
「心覚えに」と題された高橋睦郎の文章によると、多田智満子は癌宣告を受けて覚悟ののち、遺句集、遺詩集、遺歌集を高橋氏に託された。
旧字で書かれた重みのある歌集だ。そのこころは骰子を振って遊ぶことにある。真剣なあそび。
若林のぶの「杖を立てて倒れし方角に行くことがそれほどをかしいことであるのか」という歌を思った。
骰子(さい)振つて遊べるわれや禁斷の天を轉がる遊星の人
みどり濃きこの遊星に生れきてなどひたすらに遊ばざらめや
儈院は高き圍ひをめぐらして「薔薇の名前は薔薇に問ふべし」
生涯を編年體に編むべしや掌に靜脈の行方透かしつ
(多田智満子 遊星の人)
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「心覚えに」と題された高橋睦郎の文章によると、多田智満子は癌宣告を受けて覚悟ののち、遺句集、遺詩集、遺歌集を高橋氏に託された。
旧字で書かれた重みのある歌集だ。そのこころは骰子を振って遊ぶことにある。真剣なあそび。
若林のぶの「杖を立てて倒れし方角に行くことがそれほどをかしいことであるのか」という歌を思った。