気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2005-07-04 19:39:36 | 朝日歌壇
シュレッダーに会議資料が呑まれゆく思い出せない今朝見た空は
(調布市 水上芙季)

「さらばとは永久に男のことば」とて牡丹はふかく頷きて散る
(長崎市 平井俊子)

憩うならいっそ殻をも脱ぎ給えこうも暑きをやよ蝸牛
(大阪市 池知ひさし)

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一首目。シュレッダーは記録を裁断する。会議資料を裁断しながら今朝見た空を思うという取り合わせの妙味。これで思い出したのが、小池光の「機械山羊に紙を食はしむるたのしみや機械山羊とはシュレッダーなり」
二首目。塚本邦雄への挽歌。塚本邦雄の歌は「固きカラーに擦れし咽喉輪のくれなゐのさらばとは永久に男のことば」
三首目。ことしの夏は6月からやたらに暑い。結句の「やよ」という呼びかけがいい。


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