終点はつねにしづかで錆びついたレールの途切れたる果ては海
さつきから軽めのジャズが流されて浮桟橋にゆふぐれは来る
色づける欅の下に雨を避くすみやかに瀬戸を渡り来しあめ
青銅の蛇口は錆びてかつてここ出征軍馬水飲みし場所
くれなゐの喫水線をきしませて大連(だーりに)にゆく船は発ちたり
(大辻隆弘 門司 レ・パピエシアン12月号)
************************
最近定期購読を始めたレ・パピエシアン12月号から。
大辻さんのこの歌は、先月のNHKBSの列島縦断短歌スペシャルの中の門司歌会に出された作品。そのときに出来たらしい他の歌も含めて10首連作が、読める。
いま、『岡井隆と初期未来』を読んでいて、あと一息で読み終わるところ。終わってしまうのが惜しい気もする。丹念な取材活動をしておられて、謎解きのような面白さもある。大辻さんはいつ寝ておられるのかと思うほどの精力的な活動に頭がさがる。私の即詠は、ほんのオマケです。
さつきから軽めのジャズが流されて浮桟橋にゆふぐれは来る
色づける欅の下に雨を避くすみやかに瀬戸を渡り来しあめ
青銅の蛇口は錆びてかつてここ出征軍馬水飲みし場所
くれなゐの喫水線をきしませて大連(だーりに)にゆく船は発ちたり
(大辻隆弘 門司 レ・パピエシアン12月号)
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最近定期購読を始めたレ・パピエシアン12月号から。
大辻さんのこの歌は、先月のNHKBSの列島縦断短歌スペシャルの中の門司歌会に出された作品。そのときに出来たらしい他の歌も含めて10首連作が、読める。
いま、『岡井隆と初期未来』を読んでいて、あと一息で読み終わるところ。終わってしまうのが惜しい気もする。丹念な取材活動をしておられて、謎解きのような面白さもある。大辻さんはいつ寝ておられるのかと思うほどの精力的な活動に頭がさがる。私の即詠は、ほんのオマケです。
今日は大辻さんにお会いしましたが、だーりにの件を質問するチャンスがありませんでした。残念です。
やはりテレビの影響力は大きいですね。私も以前、見てたと従妹に言われたことがありました。
僕も「レ・パピエ・シアン」は購読していまして、10、11月号の大辻さんの小池光論には、何度も膝を叩きました!
これは、小池さんの歌を読みたくさせるほどの、すばらしい評論です。
作品も、技巧的で感嘆させられるものが多いですよね。
これを読んで僕が、わずかながらも、参考にできればいいんですが。
来月は河野裕子さんの特集。
小学生の時から教科書で馴れ親しんだ、数少ない現代歌人なので、とても楽しみにしています。
さすがに各方面で勉強なさってますね。パピエは、メール配信の無料の分だけ読んでいましたが、深く読みたいと思うと、やはり購読ですね。持ち歩くのにも便利です。
BS短歌の後で僕も気になって調べたのですが、大連は、もともとロシア語で「遠い」を意味する「ダーリニ」から来ているのですね。そこを日露戦争後に日本が租借して「大連」と名付けたのです。森鴎外の『うた日記』にも、何度か「だりにの市(いち)」という表記で登場します。
教えていただいてありがとうございます。語源を知るとなるほどと思うことありますね。
今年は塔との合同歌会ありませんでした。またいつかご一緒したいです。
即詠
大連(だーりに)は遠くにありて思ふもの少しくうちのダーリンに似る(近藤かすみ)
大辻さんの『岡井隆と初期未来』、買おうかどうしようかとちょっとウジウジしていましたが、かすみさんの他にも面白かったと言われる方が何人かいて、それに、品切になってしまってからやはり買っておくのだったと後悔するのはいやだな・・・という気持ちに傾いて、注文することにしました。
松村さんはじめ、いろんな方が見に来てくださっているようです。なんだかドキドキします。
本との出会いも縁ですから、欲しいと思ったら、買ったらいいんじゃないですか。