気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人3月号 同人のうた その2

2012-03-16 12:38:01 | 短歌人同人のうた
荒れ庭に水仙一本咲くからに少しく直に立ちゆくこころ
(斎藤典子)

BS放送呆と見居れば画面にストーンヘンジの石はこぶ人
(藤原龍一郎)

人災が天災をこえてゆくさまを視しこの年も暮れてゆくなり
(渡英子)

振袖のさくらさくらを擦りつつもう着ることの無き娘を思う
(平野久美子)

指折れば歌となる怪 指折れば歌となる快 指折っている
(吉岡生夫)

水鳥と生れしたましひ五つ六つ羽ふくらかに堀に浮かべり
(春畑茜)

死神の集ふ会にて水仙はいよいよ白く枯れてゆくなり
(泉慶章)

余震減りてふと浮かびたる空虚あり怪物ランドのごと中空(なかぞら)に
(菊池孝彦)

この街でまず梅林が消え失せて中古車新古車並べて売られる
(ふゆのゆふ)

今日の湯は見たことのない花の香をさせてわたしを受け入れている
(猪幸絵)

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短歌人3月号、同人1欄から。


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