雪どけの道に長靴汚しつつふるさとの空ある日うつくし
(木曽陽子)
曲がらない大根とまっすぐな人参さびしき世を渡りゆく
(長谷川富市)
雲梯のパイプとパイプにおさまっているなんて 冬の北斗七星
(𠮷岡生夫)
こんな所に歌の切れ端落ちてゐる拾ひ集めて今日の一首を
(高田流子)
ザンパノが砂をつかみて哭くところありありとして汀べの波
(三井ゆき)
内職をしてゐる母の傍らにおもちやの電車走らせをりき
(神代勝敏)
小柄なれど耳の大きな方にして悠仁さまは信号がすき
(今井千草)
閉店記念にもらひし椅子に腰掛けて振り返りみる杳き歳月
(中地俊夫)
***********************************
短歌人3月号、同人1欄より。
(木曽陽子)
曲がらない大根とまっすぐな人参さびしき世を渡りゆく
(長谷川富市)
雲梯のパイプとパイプにおさまっているなんて 冬の北斗七星
(𠮷岡生夫)
こんな所に歌の切れ端落ちてゐる拾ひ集めて今日の一首を
(高田流子)
ザンパノが砂をつかみて哭くところありありとして汀べの波
(三井ゆき)
内職をしてゐる母の傍らにおもちやの電車走らせをりき
(神代勝敏)
小柄なれど耳の大きな方にして悠仁さまは信号がすき
(今井千草)
閉店記念にもらひし椅子に腰掛けて振り返りみる杳き歳月
(中地俊夫)
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短歌人3月号、同人1欄より。