気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人10月号 秋のプロムナード

2012-10-03 18:34:19 | 短歌人同人のうた
死ぬるまで生くといふこと簡明に今日の日は今日の草を照らす

再(ま)た会はぬ人みな清く面(おも)かがよふ深々とわれを憎みし人も

(酒井佑子 蓮見)

以前の日々に戻るかに見え五月そらまだみつからぬなくした日傘

眠らせておく脳の一部に暮れかかる海を見てゐるデスクワークに

(柚木圭也 風あれば)

パーキングエリアに仏花売られをり河北新報に包まれながら

瓦礫なるハイヒール拾ひあげたれば小さき蟹の顔を出だせり

(有沢螢 語り部ツアー)

国民の生活が第一ぬけぬけと言うてくれます政治家の口

夕焼けを切子ガラスに取り込みてこの世に在ることいささか楽し

(山本栄子 夏の日常)

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短歌人10月号、秋のプロムナードから。

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