気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ぼた餅

2005-05-30 20:01:23 | 朝日歌壇
一瞬に奪われし命百七人百七人みなわれより若し
(枚方市 橋本俶子)

わたくしの庭へ来ますか五の市(いち)の鉢の牡丹がはいとうなずく
(新潟市 太田千鶴子)

背の丸き老女作ればたっぷりと小豆の餡の重きぼた餅
(浜北市 太田忠夫)

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一首目、先月のJRの事故を詠ったものだろう。百七人を繰り返して、強く訴えている。
二首目、五のつく日にたつ市での買い物の様子だろうか。作者と牡丹の花に気持ちの通い合いがあるようで、ほほえましい。
三首目、ああこんなぼた餅が食べたい。思えばお店で売っている以外のものを、食べた記憶がない。ぼた餅以外も、よその家庭の食事を経験したことがほとんどない。自分で作るかプロの味を買うかどちらか。ま、それもええか。

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