気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

手紙

2005-05-11 19:35:19 | つれづれ
あかつきに恋せしのちにうつくしき夕ぐれと逢ふ やうな手紙だ

来るしかしよまないそして捨ててしまふくづかごのないときには床に

手紙といふ鋭利な刃もの東西はくらく南北は晴れねばならぬ

(岡井隆 馴鹿時代今か来向かふ)

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岡井隆の最新歌集を図書館で見つけて借りた。栞紐の入り方から察して、サラだった。
以前どこかで読んだ歌もあると思うが、歌集としてまとめて読むのがうれしい。

「手紙」という連作から心を惹かれた三首。手紙もメールも読まなくて捨てるのは、なんだかいやな感じがする。読めないものが届くというのは、こちらにも何か原因があるのだろうか。

ここで思い出したのが、小中英之の歌
「身辺をととのへゆかな春なれば手紙ひとたば草上に燃す」

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